子どものころ、自動車ガイドブックやカタログに載っている燃費と言えば、60km/h定地燃費でした。10モード燃費の導入は、排出ガス規制を契機とした1973年だったとのことです。その後しばらくは定地燃費とモード燃費が並記されていましたが、注目されるのはもっぱらモード燃費で、非現実的に大きな値を示す定地燃費ではありませんでした。運輸省届出値として定地燃費がカタログに載っていたのは1990年代後半ごろまでで、いつの間にか消えました。
高速道でエコランを試みると、10・15モード燃費を大幅に超える数値が得られるとわかりました。ひたすら定速運転を続けるので、あたかも「定地燃費への挑戦」です。ここでは、前世紀の遺産とも言うべき60km/h定地燃費を思い出してみます。
以前所有したファミリア3台(いずれもMT)のカタログ燃費です。
10モード燃費 60km/h定地燃費
プレスト1300AP 13.0km/L 22.0km/L
BD型1500 16.5km/L 27.0km/L
BG型1500 SOHC 15.6km/L 26.3km/L
ファミリアプレスト1300APは51年排出ガス規制適合車で、当時は低燃費を謳っていましたが、今見ると大したことはありません。4MTでギヤ比が低く、60km/hで2400rpmもまわるようでは、仕方なかったのでしょう。
今世紀になってから発売されたアテンザGGの60km/h定地燃費はわからないので、その少し前の車種による類推を考えました。比較対象はマツダFF車の4気筒4ATで、最終型カペラセダンと初代プレマシーです。
全幅 全高 車重
カペラ1.8L 1695mm 1440mm 1210kg
カペラ2L 1695mm 1440mm 1240kg
プレマシー1.8L 1695mm 1570mm 1300kg
アテンザ2L 1780mm 1445mm 1360kg
プレマシーとアテンザの値には若干の幅がありましたが、マイカーのグレードの値を採用しました。カペラとプレマシーのエンジンは同世代で、カペラ2Lのみプレミアムガソリン仕様です。アテンザはMZRと称する新世代エンジンですが、全幅と車重が増え、燃費には不利です。重量を含む車両サイズとエンジン(最大トルク)のバランスがアテンザ2Lに近いのは、カペラ1.8Lのようです。
次は燃費の比較です。
10・15モード燃費 60km/h定地燃費
カペラ1.8L 13.8km/L 23.1km/L
カペラ2L 13.0km/L 21.2km/L
プレマシー1.8L 11.8km/L 20.0km/h
アテンザ2L 13.0km/L ??
単純な比較では、プレマシーの燃費はあまりよくありません。カペラより重く、全高が高く、ギヤ比が低めだからでしょうか。新世代エンジンを載せたアテンザは、全幅や車重が増えましたが、燃費はまずまずです。車両のバランスが一番近そうなカペラ1.8Lを参考にして、アテンザ2Lの60km/h定地燃費を推測すると、21.5~22km/hあたりになると思われました。
運転中に燃費計を眺めると、60km/hの定常走行では20km/Lを超えていそうです。80km/hを維持したロングドライブで19km/Lを記録したこともあるので、60km/h定地燃費の推測値はそんなものなのでしょう。長距離エコランの目安にしたいと思います。
Posted at 2023/01/26 00:30:47 | |
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