帰省していた息子につきあい、3店をまわりました。
BRZ
試乗車はSグレードの6MTです。すぐ近くで実車に対面すると、背の低さが印象的でした。先代モデルとほぼ同じサイズですが、大きく見えるのはボディの抑揚のためなのでしょう。イグニッションレッドはソリッドカラーで、とても鮮やかでした。低いシートに腰を落として乗り込みます。店員さんが後席にいるので助手席シートを前に出すと、足元はだいぶ狭くなりました。
市街地の試乗では、エンジン音は目立たず、低めの排気音が響くのみです。荒れた路面ではそれなりに揺れましたが、ゴツゴツ感はさほどありませんでした。これは前席の印象で、後席の居心地はよくなかったかもしれません。二人も同乗するので初めは緊張していた息子も、操作に違和感はなかったようで、ごく自然に運転していました。
メーターはデジタルで、速度計は中央の数字、回転計はそれを囲む円周状の帯で表示されます。息子に「見やすかった?」と聞きましたが、よく見る余裕はなかったようでした。
案内いただいた店員さんはメーカーからの出向とのことだったので、メーカーサイドの話を聞くことができました。「BRZ、GR86ともスバルの工場で生産していて、納期はBRZの方がずっと早い」とのことでした。なお、BRZの次期モデルはないようでした。
コペン
立ち寄ったダイハツの店舗にコペンの試乗車が3台もありましたが、5MTはGR SPORTの一台だけで、色は今回も赤(マタドールレッドパール)。ダイハツのサイトには「TOYOTA GAZOO Racingの協力のもと、それぞれの知見を生かしてダイハツが開発したグレード」との解説がありますが、トヨタのサイトには各論的紹介しかありません。この店舗は来客が多く、「営業の者が対応できず申し訳ありません」とのことなので、試乗コースの地図を借りて試乗させてもらいました。
息子の希望により、暑いのにフルオープンです。エアコンをつければ涼しいとは言えないものの、暑さには十分耐えられました。フルオープンでエアコンをつけるなどとても地球に優しいと言えませんが、「コペンなら燃費がよさそうだからいいか?」などと言い訳を考えました。
シートにスポーツカー的な低さはなく、ごく自然の居心地です。オープンではエンジン音は目立たず、絶えず聞こえる排気音が通奏低音です。試乗した一般道では特に堅さも感じず快適でした。オープンの好きな息子は御機嫌で、軽い操作感でダイレクトに運転できるのが心地よいようでした。マイカーであるDE型デミオの運転感覚にも通じるようで、「コペンにはあまり期待していなかったが、この楽しさは目からウロコ!」とのことでした。
5MTはギヤ比か低いので、長距離高速運転には向かなそうですが、その代わり日常運転で楽しめるように思えました。
ロードスター
試乗車は990Sでした。こちらもフルオープンの試乗ですが、午後をだいぶまわったので日差しが少し弱くなっていました。店員さんは乗れないので、試乗コースの地図を借りて乗りました。
3年前にレンタカーを借りたことがあるので、息子はすぐに慣れて運転していました。特別仕様とも言える990Sですが、一般道で素人が乗ってもありがたみはわかりません。着座位置はBRZよりさらに低く、助手席にいてもコペンよりタイトです。車内に物を置くところはありませんが、トランクルームが有効に使えるのはロードスターの利点です。
オープンのままエアコンをつけていると、猛暑は感じずそれなりにいられました。やはりエンジン音は目立たず、絶えず聞こえる排気音が通奏低音です。途中でエアコンを切ると、息子は急に御機嫌になりました。エアコンONではエンジンの回転落ちが早い印象で、これを切ったことによってシフトチェンジ時のつながりがごく自然になったとのことでした。
間もなく施されるマイナーチェンジによって、この990Sグレードは消滅すると言われています。マニアやジャーナリストには評判がいいようですが、カーナビの装着が難しい点など、普段使いのMT車向きではないかもしれません。
MAZDA3(番外編)
ロードスターを試乗させていただいた店舗には、2Lエンジン6MTのMAZDA3(写真と同じ色)がありました。マイルドハイブリッドがついたMT車の感触に興味があったので、今回は私が運転しました。
SKYACTIV世代の6MTらしく、シフトレバーの感触とクラッチペダルのつながりはいずれも自然で、文句のつけようがありません。アクセルペダルの感触は、慣れるのに少しだけ時間がかかりました。問題は電動化されたパーキングブレーキで、押しただけでは解除できませんでした(ブレーキペダルを踏んでいる必要あり)。普段はオートホールドで使うから問題ないのかもしれませんが、ブレーキペダルを踏まねばならないのは煩わしく、「大きなお世話」との感想を抱きました。
遮音が効いているらしく、マイカーに比べ車内はごく静かでした。クラッチの操作感がよく、エンストを気にする必要もないので、渋滞でも苦になりませんでした。快適ではありましたが、MT車のダイレクト感はやや希薄であるように思いました。渋滞の多い生活道路にも馴染みそうに思えた反面、普段使いのMT車としてはよりダイレクトなコンパクトカーがいいかもしれないとも思いました。
今回の目的だったマイルドハイブリッドによる感触の変化は、試乗を通じて全くわかりませんでした。ハイブリッドシステムの充放電はメーター上に示されないようであり、MT車の操作感はふつうのガソリンエンジンそのものでした。同システム導入に伴うカタログ燃費の向上幅もごくわずかで、裏方として地味に支援する程度と理解するのがよさそうです。
Posted at 2023/09/11 07:58:34 | |
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