さて、
こちら の資料に戻って、再度確認を続けていきます。
○CAMTRONICの採用による燃費向上について
要は2段階切り替えによる可変バルブリフト機構です。ダイムラーの見解だと搭載しない場合と比較し4%の燃費向上を図ることが可能だとのこと。
日本人にとってはVTECやMIVECがあるのに今更感はありますが...
私個人的にはBMWのバルブトロニックのほうが連続可変でもっと優れていると思いますが、
故障率はCAMTRONICのほうが少なそうですよね。
(CAMTRONICはソレノイドでカムの位置を切り替えるだけ、
バルブトロニックの場合はモーターでロッカーアームのレバー比を連続切替なのでモーターが故障すると途中の位置で止まってしまう。)
VIDEO CAMTRONIC(Mercedes Benz)
VIDEO Valvetronic(BMW)
※
こちら に部品があるように、M270では可変バルブタイミングは普通に導入されています(今時のクルマは当たり前でしょうか)。
※「Mercedes-Benz A-Classのすべて」のメカニズム詳細解説によると、日本仕様ではCAMTRONIC搭載が見送られた(CAMTRONICは6MTとの組み合わせしか存在しないため)とのこと。
要はCAMTRONICと7G-DCTの協調制御は未着手(開発半ば)だったということでしょう。
※ちなみに本章にはターボチャージャーについても記載があり、当該機に搭載されているもの(IHI製 RHF4 らしい)は最大過給圧 1.9bar , コンプレッサーの最大回転数 230,000rpm, 排気インペラーでの最大温度1,050℃ のとのこと。
ターボでの発熱を冷却するため、ダイムラーの技術者は横置きエンジンのM270では排気を前側、吸気を後側に配置したとのこと。
(GFBのブローオフバルブの商品プレビューに書きましたが、
こんな高回転・高温度で連続動作する補機が使われているのだから、これを保護するためのブローオフバルブに私は”ニセモノ”を怖くて使えません 。)
○ディーゼルエンジンと同等のトルクレベル
1.6Lエンジンでは最大トルクを1,250rpmで発揮し、これを4,000回転まで維持する(2Lモデルの場合は1,200rpm 〜 4,000rpm)、
という訳で日常域でもターボは使用される訳です。
また、新開発の 7G-DCT トランスミッションの採用により、そのコントロール ユニットはエンジン管理システムと相互通信するため、新しい 4 気筒エンジンはアクセルに非常に素早く反応すると共に巡航速度では、より高い比率を選択できるため、燃料消費と騒音レベルが改善される。
優れた冷却システムにより、時速 200 km を超える速度でのみ、よりリッチな混合気が必要になるため、ターボチャージャー付きエンジンは、高負荷下でも模範的な燃料消費量を維持可能である。
最適化されたクロスフロー冷却と、スパーク プラグとインジェクターの間のわずか 3 mm 幅の冷却ダクトを備えた 2 ピースのウォーター ジャケットによりクーラントを適切な場所に伝達する。
※エンジンとギア制御のレスポンスは確かにSPORTSモードではかなり優秀だと思うが、COMFORT・ECOは若干鈍く仕立てられている?
時速 200km/h 未満って日本では通常あり得ない数値の記載がある、それはアウトバーンを乗り回す国の事情でしょうか。
3mmの冷却ダクトって、経年劣化で埋まりそう(クーラントの定期的なメンテナンスが必須?)。
○発熱マネージメントによるウォームアップ時間の短縮
新開発のエンジン温度管理システムが採用された。
冷間状態では、流量が最適化されたボールバルブを備えた可変流量ウォーターポンプでクーラントをシリンダー内部に留め、エンジン始動後に燃焼室を迅速に加温する。
サーモスタットは電子制御化された流量最適化ボールバルブシステムである(国産車などでお馴染みのばね入り弁タイプではなく)。
※ウォーターポンプがターボチャージャーの下側、サーモスタットがインテークマニホールドの下側と非常に整備性が悪いのが悩ましいところ。
個人的意見ですが、故障時にDIYはちょっと無理だと考えてしまう。
※また、この新しい機構が従来の枯れた機構に比べて故障率が高いのが悩ましい。
VIDEO Mercedes-Benz|A-Class water pump replacement|Mercedes m270 Engine|mercedes A-180 petrol engine
参考文献:
新世代ターボチャージャ RHZ シリーズの開発(IHI) 直接は関係ありませんが、RHF4 の概要がこれでわかると思います。
Posted at 2022/08/22 20:20:21 | |
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