今回はダイムラーの CLA Shooting Brake のプレスキットから
Body and aerodynamics: There is strength in serenity を翻訳+解説を追加しました。
(個人的に内容を読んで、記載順を変更している場合や、記述を削除している場合もあります。)
ちなみに※がついた段落はわたしの独り言です。
ボディとエアロダイナミクス: 静けさの中に強さがある
乗員を最適に保護するだけではなく、静かな走行と低振動レベルの基礎としても高いボディ剛性は重要ポイントである。
○高剛性ボディの実現
騒音と振動を最小限に抑制するよう設計されている。
・堅牢で革新的な素材によるインテリジェントな軽量構造を採用した。
(ボディ材のうち)68% は高強度および超高強度の鋼板で構成され、ボンネットとフロント ウィングはアルミニウム製であり、
応力に適した板厚の選定と、構造用接着剤などの革新的な接合技術が、安定したボディを生み出している。
※ボディ構成上、どういう素材を使っているか図面化したものはダイムラーからは提供されていないんですね。
構造用接着剤によるボディワークは最近のトレンドですよね。
確かに強度は出ると思うが、鈑金屋さん泣かせですよね...
・全使用鋼板パネルは、腐食から保護するために亜鉛メッキ済みである。
※今までは錆止塗装下地でしたが、亜鉛メッキならば少しは長持ちするかな。
○エアロダイナミクスの向上
cd 値 0.26 の CLA Shooting Brake は、コンパクトセグメントのベンチマークを設定となる。
時速 60 km からでも、風圧抵抗は他の全タイプの走行抵抗を上回る。
メルセデス・ベンツのエンジニアは、新しいモデルごとに空力特性の最適値を達成するように努力を続けており、cd 値が 0.231 の CLA Coupe は、この分野の世界チャンピオンである(2013年当時ですね)。
テール エンドがエステート(ワゴンタイプ)の CLA Shooting Brake も例外ではなく、cd = 0.26 で、このセグメントで最適な値を達成した。
0.57 m² のドラッグエリア (抗力面積 = cd 値 x 前面面積) もその典型である。
また、空気力学的に効率的な形状は風切り音の発生を低減し、洗練されたシールと相まって、車内は風切り音から効果的に遮蔽される。
空気力学的に効率的なボディの基本形状に加え、一連の対策によって空気力学も改善されている(次の通り):
• 特別に調整された A ピラー ジオメトリによる低い A ピラー レベル
• 空力的に最適化された外部ミラー ハウジング
• フロント バンパーのシール (ヘッドランプ セクションを含む閉じたラジエーター セクション)
• 冷却空気のオンデマンド制御用ラジエーター シャッター、ラジエーター グリルの部分カバー
• 前輪のホイール アーチにショルダーが付いた鋸歯状のホイール スポイラー
• メイン フロア パネルの十分なカバー、リア アクスルのセンター セクションの追加カバー、スプリング リンク、接続ディフューザー付きの空力的に最適化されたリア サイレンサーによるアンダーフロアの包括的なフロー。
•空力的に区分分けされたルーフサイドとテールライト
※ラジエータシャッターなんて付いていましたっけ?
それに後期型のエンジンアンダーカバーが開口部半分なのはちょっとだけ頂けないかな。
多数の詳細も、風切り音の低減に効果がある(次のとおり):
• マルチステージシーリングコンセプトのフレームレスドア
• 5 mm の側面窓による窓の高い断熱性
• 後部ドア ジョイントのシーリング
• ドアの縁に固定された最適化された形状のドア ミラー
スライド式サンルーフを備えたフルガラスのパノラミック ルーフでは、ウィンド デフレクター、適切な形状のカバー、シールなどの多くの風案内手段により、ルーフが開いているときの騒音レベルが可能な限り低く抑圧される。
ウィンドディフレクターは、通常発生するズキズキするノイズを抑制し、実質的にドラフトのない運転を促進する。
○車内騒音の抑制
・車両全体の剛性に加えて、ボディとシャシー/駆動システムの間の接続ポイントは、騒音と振動に関連する快適性にとって決定的です。
締結時の剛性が大幅に向上し、車内の騒音レベルが低下した。
※とは言いながら、リジカラを使用してサブフレームとの締結を見直ししたら、更に改善の余地はあるかも知れませんね。
ボディシェルの構造伝達ノイズを減衰させるために、静音材がボディに適用されている。
車内への騒音の影響を軽減するために、ファイアウォールの断熱材は高品質の射出成形部品として設計されている。
(従来の)深絞り部品と比較し一定の壁厚を実現出来、輪郭が大きく崩れても材料が薄くならないという利点がある。
従って、音響的な弱点のリスクを最小限に抑えることが可能である。
また、トンネルルーフに吸音材を設置することで、音の放射を最小限に抑制している。
シート面の下とボディの空洞にアブソーバーを使用することで、リアの高い遮音性を達成した。
ホイール アーチ ライニングは、(タイヤノイズに)対象を絞った方法でノイズを減衰させるよう設計されている。
タイヤのノイズを低減するために、個々の車軸構造とステアリング コンポーネントのダイナミックな伝達応答と、シャーシ マウントのデカップリング能力に焦点を当てて開発を実施した。
詳細な動作振動とコンポーネントの分析を通じ、影響を受けるシャーシとステアリング部品は、固有振動数と動的剛性に関して、ボディへのバーストノイズの発生が大幅に低減されるように構成されている。
※とは言いながら、正直エンジンノイズがMFAアーキテクチャーの中でも比較的大きいと言われるのは何故でしょうか...