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2024年11月03日 イイね!

外国車の車両標準ホイール裏面の刻印について調べてみた。

外国車の車両標準ホイールの裏面には国産とは異なる表記がされている場合があります。
今回私が入手したホイールも裏にいろいろな情報が書かれていたので、ちょっと調べてみました。


・Made in Poland
 このホイールがポーランド製であることを示します。
 何故ポーランド製造かというと、UNI WHEELSグループの OEM品(車両メーカが製造委託した製品)であるからです。
 UNI WHEELSについてはちょうど日本語のWikipedia記事があるのでこちらを参照ください。
 ※実は UNI WHEELS は2017年に SUPERIOR INDUSTRIES (アメリカ)に吸収された模様です。
 wikipediaの社外リンクの www.uniwheels.com/ を踏むとこちらに飛ばされます。
 サイト内にOur OEM Customers: という記載があり、ダイムラーだけではなく各社ホイールの供給を受けていることがわかります(日本のメーカ名も出ますよ)

・8Jx18 H2 ET48
 「リム幅8インチ, 乗用車向けビードプロファイル(J), リム径18インチ, ダブルハンプ形状(H2), インセット48ミリ(ET48)」という意味です。

 1)アルファベットの ”J” について
  規格としてはISO-4000-2(Passenger car tyres and rims - Part2:Rims)に当該記号について記載されています。
  JIS規格は D-4218 の附属書1(既定)「自動車部品-ホイール-リムの輪郭」が対応します。
  ↑
  本当はISO・JISともに規格書は購入しないと閲覧不可なのだが、こちらにはISOの2021年版の出だしだけプレビューとして
  PDF化されており、ちょうど肝心なところが全部見えるのでとても参考になりました。
  当該文書の2Pに Table 1-Recommended rim flanges (表1 推奨リムフランジ)があり、10,12,13インチの記号は B 、14〜30インチは J と記載されています。
  で、この記号具体的にはリムフランジ部の高さを示しており、3Pの Figre 1-Contour of 5°tapered (drop-centre) rims (図1 5°テーパー(ドロップセンター)リムの輪郭)で示す 「G」 の部分に当たります。
  具体的には、4Pの Table 2-Dimensions of 5°tapered (drop-centre) rims (表2 5°テーパー(ドロップセンター)リムの寸法)にある通り、
  B記号の場合は14.5mm、J記号の場合は17.5mmとなります。
  (本資料未記載ですが、JJというリムもありこの場合は18mm高さですが、「通常使う分には0.5mmの差なのでJ ←→ JJ 相互変換は問題ない」と書いているサイトもありました。)

 2)H2について
  タイヤがホイールから外れないよう、タイヤとホイールのリム面での接触部内面側に盛り上がりがついている(ハンプという)ことがあるが、H2の場合はホイールの「外面と内面両方ハンプがある(ダブルハンプ)」ことを示します。
  他にもどのような形状があるかはこちらを参照ください(正直画像が小さくてわかりにくいですが。)
  JIS規格の古いもの(1999)を見つけました。リム幅やリム径が古すぎて現状に即していないので参考にしにくいですが、
  4Pの図2 許容ビードシートの輪郭 でハンプの説明は理解できるかと思います。
  (図面の E の部分がホイールとタイヤのリム面での接触箇所である)

・A1764010800
 このホイールのベンツの型番です。型番の前にスリーポインテッドスターがあるので、ベンツ専用であるということです。

・AlSi7Mg
 このホイールに使用しているアルミニウム素材を示しています。
 ケイ素・マグネシウムを含むアルミニウム合金で、主に鋳造ホイール製造に用いられているとのこと。

 組成について詳細が記載されているのはこちらをおすすめ。
 アルミニウム合金鋳物としての性状はこちらがおすすめ。
 ※この2つ目のPDFから日本で言うアルミニウム素材の型番が AC4CH ということがわかり、更にググったらAC4CHの材質と特徴という素晴らしい資料を見つけました。
 アルミニウムとケイ素という性質の異なる元素を配合する合金が鋳造工程での冷却でどのような性状になるのか、また熱処理により素材断面や強度がどのように変化するのか、読めばなんとなくわかるかと思います。

・JWL UPP
 1)JWL
  言わずとしれた日本のホイール規格です。
  国土交通省の「乗用車用軽合金製ディスクホイールの技術基準
 ※「日本向けモデルのみ、JWLの刻印があるのか?」は不明(恐らく全世界そのまま流しているのではと)
  ちなみに VIA 規格は自動車用軽合金製ホイール試験協議会(JWTC)が「日本国内のアフターマーケット向けに販売される製品において、VIA登録された製品に限り表示できるもの」なので、車両標準ホイールには当然マークがある訳ありません。
  (つか、JWTCのサイト、本当に一般ユーザ向けでないですよね。)

 2)UPP
  このホイールが製造されたプラントを示します。
  先に説明したとおり、このホイールはUNI WHEELSグループの ポーランド内の Stalowa Wola にある UPPプラントで製造されているということのようです。
  この PDF の 23Pに当該地のプラントが UPP1〜3 まであることが記載されており、更に地図上には UPP の記載があります。
  Goole Mapで見ると、ここの向上の名前がちょうど「Superior Industries Production Poland Sp. z o. o.」となっています。

・002061/2014
 ググったらこういうものがヒットしました。
 完全一致ではないですが、「ダイムラー社が監督省庁に認可を求めるために提出したもの」で間違いないようです。
 なお、下記の例(元ネタ)はスペイン語でこの PDF の 19ページに 002061/2014 についての記述があります。
 ※文書の出所はスペインの「MINISTÉRIO DO DESENVOLVIMENTO, INDÚSTRIA E COMÉRCIO EXTERIOR(開発産業外国貿易省)」らしい。

 翻訳したらこんな感じ(一部修正)
  登録番号 002061/2014- コンセッション
  検証日: 2017 年 9 月 20 日
  サプライヤー: LEIFER NUNES REPRESENTAÇÕES EMPRESARIAIS LTDA.
  CNPJ.: 16646315000140
  オブジェクト: 自動車ロード
  ファミリ: 18 x 8 - 5穴 112mm
  ブランド/モデル: Mercedes 18 x 8 - 5穴 112mm - コード: Mercedes A 213 401 1100
 ※型番はW213 向けがヒットしたり、サプライヤがよくわからない会社ですがダイムラーがホイール製造のために取ったと思われる認証っぽいのは確定ですね。

残りわかっていない項目は以下の通り。(恐らく解明不可能でしょう)

・K1.01
 何らかの係数?

・(X)WA (CO)T
・(X)D (X)X
Posted at 2024/11/03 08:48:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | アルミホイール | 日記

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