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ロボ部長のブログ一覧

2023年05月28日 イイね!

イギリス的存在としての初代フォーカス

イギリス的存在としての初代フォーカス近所を散索中に偶然見つけたこの車のボディカラー、我がフォーカスの「ブライトブルー」とほぼ同じ色であることがわかって思わず嬉しくなりました。「Classic MINI」も「Paul Smith」も私はどちらもとても好きだからです。イギリスの車にしてもファッションにしても、過激さやウイット・ユーモアをこれ見よがしにはせず、一見するとオーソドックスに映る中に巧みに忍ばせることでニヤリとさせられるセンスは心憎いばかりです。そしてそういうセンスを象徴するような存在とフォーカスのカラーリングが相通じているーもちろんこのこと自体は単に“他色の空似”に過ぎないのですけど、その始祖からイギリスの血が濃く流れている欧州フォードから生まれたフォーカスに、いかにも“イギリス的なるもの”が色濃く顕れているように感じられた瞬間でした。
特にこの初代フォーカスの、元来が大衆的存在でありながらも過去に縛られない前衛さをまとったその姿勢は実にPunksです。それは理知的で生真面目なジャーマンエンジニアリングだけからなら絶対に生まれなかったはず(欧州フォード自体は開発の本拠をドイツとしていて、イギリスにはデザイン拠点などを置いている)。
ムーンダストシルバーの初代フォーカスはいかにもニューエッジな存在感を象徴していて、それはそれできわめてフォーカスらしい色であるけれど、保守と前衛とPOPとがMIXされたかのようなブライトブルーが、今さらながらにとても初代フォーカスに似つかわしい色であると確信できました。この色に出会えて良かった。
Posted at 2023/05/28 16:18:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年05月21日 イイね!

「人為と創意」

「人為と創意」(以下長文)
我が下へやってきておよそ半年になるのを契機に、初代フォーカスという不世出の一台について記しておきたい。初代フォーカス(C170)は1998年発表だから今年でちょうど登場から25年、四半世紀目を迎えたこととなる。まずはとてもそうは見えないスタイリングの斬新さに心底感心させられる。当時、初めて写真で見て受けたインパクトはいまもってまったく不変である。ニューエッジ・デザインの文字通り鋭さのある造形は最新のトレンドからは外れるかもしれないが、テーマに即した立体造形物としての完成度が高いため、それ自体が時代を超越して輝きを維持している。
この車の造形がすごいのは、Cセグメントハッチバック車として求められる機能性をまったく損なうことなく、あまつさえそれをさらに引き出すことに挑みながら、これだけの独創的な造形をもたらしたこと。「スタイルのために機能を妥協」したり「カッコ良い分使い勝手にしわ寄せが及ぶ」ようなことがなく、実用車の領分をきっちりと押さえつつ、他車と明らかに異なるかたちを実現させている。
その真髄は乗ってみればよくわかる。私は比較的近いディメンションを持つB299フィエスタと日常的な乗り比べができるが、自分も他の乗員もリラックスして乗れるのは明らかにフォーカスである(双方の出自には10年の差があるから単純な比較は意味をなさないだろうけど)。車体のサイズはもちろんフォーカスの方が大きいが、それとてせいぜい全長が+10数センチ少々のわずかな違いに過ぎない。何より効いているのは着座位置の高さである。フォードが90年代末に提唱した「コマンドポジション」と称される、乗員をアップライトに座らせるパッケージングを基軸に組み上げられたフォーカスの車室空間は、そこに身を置く者にいたって自然な振る舞いを許容してくれる開放的なものだ。いまどきの車に比べて傾斜角度が穏やかなAピラーは前席への乗り降りのし易さが際立つし、低めのスカットルと広大なウインドウ面積が全方向にワイドな視野を提供している。さらに後席に座れば、適度な角度で立ち上がるシートバックのおかげで後ろに潜り込むような感覚は無く、前席よりもさらにいくぶん高い視点が確保されていることもわかる。この車に乗る誰もが、閉塞感を覚えることなく穏やかな境地で車内に身を置けるのだ。この車には閉鎖的なコクピットといった概念は当てはまらない。
こうしたリラックス感を伴った、無理を伴わない居住性こそが、実は人が車を操縦する上で一番大切な、心理的な「安心感・安定感」を担保することにつながっているように思う。最も重要なパッシヴ・セーフティとは、幾重にもなる後付けの安全装備などよりも、そもそも人がストレスフリーで、攻撃的でない環境下に安心していられることではないだろうか。
初代フォーカスを動力性能の観点で評価する声は数多あるが、それ以前にこの車をフォーカスたらしめている要素とは、間違いなくこの健康的なパッケージングである。自動車にとって根幹とも言える「パッケージング」が適切であれば、「スタイリング」も「ドライビング」も高度なものになれる素地となる。そして初代フォーカスはまさしくそれを地で行く存在となった。
ドライビング性能の確かさは私が今さら言及する必要もないが、つねに路面と対話ができているという感覚、車が操作に対して思った通りの挙動を示してくれて嫌なズレやラグを伴わない感覚は、エンジン出力が高くない1600GHIAであっても充分に味わえるし、かつて乗っていたST170などはその最たるものであったのは言うまでもない。北米仕様のごくスタンダードなセダンであったSEですらそこは共通していたと思う。
スタイリングは私が一番初代フォーカスで何より強調したい美点だ。優れたパッケージングはその素性ゆえ、放っておけばミニバン的な重ったるいシルエットに堕すおそれがあるにもかかわらず、面質やグラフィックの工夫でまったくダルな印象を伝えてこない。Cセグメントハッチバックという基本与件の厳しい、それだけに跳躍が難しいカテゴリーの中で、よくぞこれだけ過去に類例のないかたちを実現させたものとつくづく思う。
来たるミレニアムへ向けて、伝統あるエスコートの名を捨ててまで、それまでのフォードの小型車の流れを断ち切り、まったくの新世代の確立をめざした初代フォーカスだけに、エンジニアリングもデザインも気合の入りようのレベルが別次元であったことは想像に難くない。そして当時のデザイナーたちは本当にその期待によく応えた。すでに初代Kaで示されたニューエッジ・デザインの路線を継承・発展させ、その造形メッセージをより強固なものとすることに成功した。外形はもとよりインテリアデザインにおいてもそれは顕著であり、車両内外を共通して貫く斬新な造形テーマが明瞭でありながら、実用性を阻害するような部分は見当たらない。いまほど車内のインターフェイスに要求されることが多種多様でなかった点を差し引いても、IPを中核とする居室空間の表現の自由度と居住性・機能性の向上とがしっかりと両立することを、初代フォーカスのインテリアは体現している。
ちなみにこうした画期的なデザインが生まれてくるベースには、もちろん担当した個々のデザイナーの力量の大きさがあるが、それにも増して重要なのは、こうした挑戦的なデザインの採用を厭わずに、それがユーザーメリットをもたらし、かつ企業姿勢の表明になることを自信をもって判断してみせた当時の経営層の慧眼があったことを忘れてはなるまい。
2代目(C307)がプレミアムを謳い洗練を指向した結果として初代の瑞々しさを失い、3代目(C346)はグローバル化の旗印のもと、初代が打ち立てたパッケージングを捨て去って“低く座らせてスポーティーさを強調する”どこにでもあるようなHBと化した。4代目(C519)は実車と接したことがないため何も言いようがないが、おそらく3代目の流れの上にあるのだと想像する(2025年7月一部加筆:少し前に国内で4代目エステート実車を目にして、想像通りなプロポーションであると認識した。少なくとも外形はサイズの割に無駄な造形しろが多そうで、それまでのフォーカスに備わっていた密度感に欠けたたたずまいであった)。この4代目をもってフォーカスはひとまずその歴史を閉じることがすでに報じられている。フォーカスがこのような命運を辿ることになったのは、自動車をめぐる社会や市場の環境変化が最たるものであるのは論を待たないとはいえ、実はフォーカス自身が、この車が持っていた美点を変節させてきたことによる帰結ではなかったのか。これから本格的に訪れるフォードの電動化が、初代フォーカスが湛えていた「人為・創意」(人のために人が創意を以て為す)の姿勢を最大限に反映したものであってほしいと、誕生から四半世紀目を迎えたこの車にいま接して強く思う。


Posted at 2023/05/21 11:09:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年04月02日 イイね!

ハイマウント・テールランプ

ハイマウント・テールランプフォーカスでぜひとも受け継がれて欲しかったのがリアのテールランプの位置です。初代C170、2代目C307とでリアピラーの高い位置に埋め込まれた特徴的なテールランプは、その独特な意匠でフォーカスという存在の印象を決定づけることに成功しました。フォーカスはC170からC307まで基本的なプロポーションとパッケージングを継承し、3代目C346で大きく設計思想を変更してきたことに伴い、テールランプもそれまでのハイマウントでなく「腰まわり」の位置へと降ろされました。それがどういう理由に基づいたかはわかりません、おそらくC346ではシーティングポジションを下げた低重心なスタンスへ移行させたことで、視覚的な要素もなるべく低い位置に移すことが目標とされたのだろうと想像します。
私としては、リアピラーに埋め込まれる形で高い位置にあるテールランプこそがフォーカスをフォーカスたらしめる重要なアイコンだったと考えるので、C346で一般的な位置に収まった(形状は決して一般的とは言えませんが)ことには失望したし、あまつさえ現行の4代目C519のテールランプなんて・・・実物を見たことないけれどあまりにも類型的で超ガッカリです。
おそらくフォーカスは現在のC519で最後になるだろうから、結局このまま、フォーカスのオリジナリティというべきハイマウントなテールランプの復活を見ることなく、フォーカスは消えていくことでしょう。

オリジナリティと言いましたが、リアピラーにテールランプを埋め込むことでボディ全高の高い部分にそれを位置させるという成り立ち自体は、本当にどの車から始まったかまではわかりませんけれど、1993年登場のフィアットプントあたりが量販車としての皮切りではないかと思います。この時のプントはリアピラーがかなり垂直に近く立ち気味だったので、クーペ的にピラーが大きく傾斜したフォーカスとは印象こそ異なるものの、リアピラーやリアウインドウとテールランプとの一体感の強さは、のちのC170フォーカスでの扱いに共通するものです。

NetCarShow.comの画像を掲載

ちなみにフォードの名誉のために。1993年のプントよりもはるかに早く、1986年にフォードが発表したELTEC(エルテック)において、リアピラーに埋め込まれたテールランプがすでに提案されていました。エルテックは当時のエスコートの車台を用いて、自動車の電子制御化の発展を見越した技術的・デザイン的な提案車としてFord of Europeが中心となって開発したコンセプトカーでした。ランプ類も小型化と効率化が進むことを前提に、細身のターンシグナルとブレーキランプをリアピラー上に配置。そこには確かに、のちのC170フォーカスを彷彿とさせるものがありますよね。


Posted at 2023/04/02 10:18:36 | コメント(2) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年03月12日 イイね!

大阪の街中ではフォードと会えなかったけど

大阪の街中ではフォードと会えなかったけど昨日は大阪の南方に用があったので、ついでに堺市にあるかつてのフォードOSAKA堺店を訪ねてみました。現在はJeep堺店としてジープ車ディーラーとなっていて、フォード撤退後のPCI運営によるサービス拠点機能が併設されているのは、私の自宅近くのJeep江戸川店と同じ成り立ちです。店頭にはちゃんとフォードオフィシャルサービスのサインが掲げられているのも全く同じ。

江戸川店もそうなのですが、Jeepが国内で高い人気を誇っているのに合わせて、敷地内にはジープブランドの各車がつねに溢れています。相対的にサービスで入庫しているフォード車の数はごくわずかでいかにも肩身が狭そう。それでも昨日は、ぱっと見で14~5台程度が置かれていた中で、フォードは4台確認することができたので、まずまずの度合いでしょうか?マスタング、クーガがそれぞれ1台ずつと、フォーカスが2台でした。
ちょっと嬉しかったのが、こちらのマスタードオリーブが奈良ナンバーであったこと。奈良といえばフォード撤退前には県内にフォードディーラーが一軒もない空白域でした(その昔、オートラマ時代とかは県内に複数あったようですが)から、今でも奈良方面に行ってもフォード車にはあまり会えないという印象を個人的に持っています。けれどこうして奈良でも現役のフォード、フォーカスがちゃんといるのでよかった。

昨日は帰りがけに、初めて梅田にあるミニカー専門店のロムに寄ってみました。今までも大阪に用があるたび行ってみたかったのに、営業時間帯と都合が合わなかったりで行けずじまいでいたので、念願叶っての訪問でした。正直なところ新品販売の本店は、ラージスケールモデルが多く、それもフェラーリやレースマシンなどの品揃えが主体で、大して気分が盛り上がらなかったのですが、ヤバいのは買取店の方ですね・・こちらはもう時間が許せば、相当掘り出す愉しみがありそうでワクワクしっ放しでした。
そして昨日はこちらを入手!我が大好物であるSN95マスタング・コンバーチブルの再初期型(テールランプが横スリットのタイプ)、マイストの1/24モデルです。箱無し品であることに加え、マスタングの中では人気が低いSN95、マイストというブランドも他と比べてやや低くみられることなどが奏功しての、売値の6割引という激安処分値でGetできました🤗このボディカラーも、パーツどうしのスキマの広さも、実車がそのまま縮小されたかのようなルーズな存在感で最高!やはりセコハン店はこういう出会いがあるのが堪りませんね。

Posted at 2023/03/12 11:28:46 | コメント(3) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年01月07日 イイね!

この車も10年になるのですね・・

この車も10年になるのですね・・昨年末に路上で追尾して、どうやら実家近くのエリアに生息していそうなことがわかったマスタードオリーブ、今日はあらためてそのエリアに足を踏み入れてみたところ、読み通り、やはりいましたよ!気分は完全にフォードストーカーです(今に始まったことではないですが😅)

マスタードオリーブ、そしてC346フォーカスといえば、今年2023年は国内発売からちょうど10年目に当たる年です。2007年にフォーカスの国内での販売が停止されて以来、待望久しいフォーカス再導入ということで、2012年から2013年にかけて、当時のFJLとしてかなり力を入れた販売プロモーションが展開されたことを思い出します。結果を見れば、販売実績の面では思惑通りでなかったのは間違いないとしても、その後、フォード撤退という想定外のエピソードを挟みつつも、こうして今なお活躍している個体が少なからず存在していることは心強いです。
こちらのマスタードオリーブはルーフラックを装着されていて、オーナーさんがアクティブなフォーカス・ライフを送っていらっしゃることが想像されます。特にマスタードオリーブは最初の1年ちょっとくらいだけの販売だったから、こちらのオーナーさんも仮にワンオーナーとすれば、もう10年選手。しかしご覧のとおり、外見上はまだまだシャッキリしています。これから先もさらに長く乗り続けて行っていただきたいものです。

Posted at 2023/01/07 18:59:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | Focus | クルマ

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「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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