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BMW VisionEfficientDynamics Concept-2
ボディ・デザインに組み込まれた無数のディテールは、いずれもBMW がF1 の舞台で得たノウハウをもとにしています。ボディの数多くのエレメントは、BMW ザウバーF1 に装備されたエア・ ディフレクターやガイド・ベーンと同じような役割を果たします。例えばA ピラーはダクトとしてデザインされており、断面をウイング状にデザインしたテール・ライトと同じように、空気の流れを導く役割を果たします。
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この3次元多機能ディスプレイは、その時々の走行条件に応じて、各種のシグナ ルをさらに前面に、あるいはさらに背面に(背景に溶け込むように)表示することができます。ヘッドアップ・ディスプレイは、ドライバーにとって重要な情報をフロント・ガラスに投影します。この革新的な表示技術は、複数の情報を3次元的視点で重ねて表示させることもできます。たと えば、ルート案内の最新情報やBMW ナイト・ビジョンからの警報を最前面に表示しながら、背景には速度表示が見えるようにしておくことができます。
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センター・コンソールに設けられたアルミ製のセレクター・レ バーには、レザー製バンドが巻かれています。
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身体にフィットするシートにはケブ ラー製シェルを使用しており、バックレストの形状やシートのクッションを乗る人に合わせて調節することができます。運転席と助手席がセンター・コンソールに接続されていることで、「室内の風景」とも呼ぶべき一 体感のあるインテリアを形成しています。
一方、フロアにしっかりと固定されたリヤ・シートは、視 覚的にはまるで空中を漂っているかのようです。シートの外張りに使われた自然の風合いを持つ素材と明るいカラー、そして室内のライニングが、軽快さと洗練性を醸し出しています。
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車両全体の空力特性を最適化し、転がり抵抗を最小限に抑えるため、スポーツ・カー用としては特殊なサイズのタイヤとホィールを装着して います。タイヤ・サイズはトレッド幅と高さの比率が195 x 55 で、ホィールはリム直径が21インチと大型の設計です。このタイヤは、より大きなタイヤに匹敵するほどの面積で路面と接します。 最新の運動力学を基にしたアクスルとの組み合わせにより、このタイヤは俊敏な走りを支えます。
またタイヤの外側表面全体を覆う大型のホィール・カバーは、サイド・ビューにユニークで独特のルックスをもたらしています。ホィールにはブレード形状のフィンが組み込まれており、ホィールが回転することで、車両全体の空力特性にもたらす抵抗をさらに低減します。
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エクステリア・デザインに初めて採り入れられた多層化技術(レイヤリング・テクノロジー)は、ひとつの面の上に他の面を重ねてボ ディの継ぎ目を滑らかに保つことでコンポーネントの数を減らし、車両全体をさらに軽量化することに貢献しています。
その結果、ボディに余計なパーツを追加することなく表面を最適化して空気の流れをスムーズにし、空力面で最も厳しい要求さえもクリアしています。
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ダイナミックなパフォーマンス、突出した効率性、先進のオールラウンドな機能性を結実させるべく2+2 シーター・コンセプトを採用。BMW Vision EfficientDynamics は、4 名の乗員にかつて経験したことのない走行体験をもたらすBMWの象徴的コンセプト・モデル。
全長4.6 m、全幅1.9 m、全高1.24 m で、大人4 人を乗せて荷物を積み込むことのできる広々とした空間を車内に備えています。DIN 規格による車両重量は1,395 kgです。
このモデルの最大積載量は445kgで、ラゲッジ・ルーム容量は150リッターあり、ゴルフ・バッグ2個を積み込むことができます。また2 座用意されたリヤ・シートのバックレストを個別に折り畳むことで、積み込む荷物に応じて収納スペースを広げることもできます。
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【テクノロジー】
● フル・ハイブリッド・コンセプトを採用
●3 気筒1.5Lターボ・ディーゼル・エンジン
燃費を低減するため小排気量エンジンに
ターボ・チャージャーを装備するという、
ダウン・サイジング原理を徹底的に追及
●内燃式エンジン最高出力 120 kW(163 ps)
最大トルク 290 Nm
●リッター当たり 出力80 kW(109 ps)
(ディーゼル・エンジンの新記録樹立)
●コンパクトサイズのエンジンは、
リヤ・シートが装備されているに も係らず、
俊敏なミッド・シップ・スポーツ・カーのように
リヤ・アクスルの前方に搭載しています
●6速ダブル・クラッチ・トランスミッション
●2 個の駆動用電気モーターを前後配置
●四輪駆動方式
●回生電力を98個のリチウムポリマーバッテリーに貯蔵
●電気駆動のみで約50 km の距離を走破可能
●フル電動モードでの四輪駆動走行が可能
ターボ・ディーゼル・エンジンの発生するパワーは、ダブル・クラッチ・トランスミッションを経由し てリヤ・アクスルへと伝達されます。フロント・アクスルにハイブリッド同期モーターを搭載し、リヤ・アクスルにはフル・ハイブ リッド・システムを搭載。
内燃式エンジンとダブル・ク ラッチ・トランスミッションの間に配置された電気モーターは、駆動力を供給する場合には常時25 kWの出力を発生し、最大で38 kW の出力を発揮します。最大 トルクは内燃式エンジンと同じ290 Nm です。
エンジン・ブレーキを使っているとき(惰走時)およびブレーキをかけているとき、この電気モー ターはリチウム・ポリマー・バッテリーに電力を供給する発電機の役割を果たします。そのため、 この状況で生成された電力は燃料を消費することなく得られます。
2 台目の電気モーターは、フロント・アクスルに搭載されています。このパワー・ユニットは常時 60 kW の出力を発生し、最大トルクは220 Nm のハイブリッド同期モーターです。またこの電気 モーターは、30 秒間までなら84 kW の出力を発生することができ、10 秒間までなら104 kW を 発生可能です。このパワーは、2 ステージ式シングル・スピード減速ギアを経て伝達されます。
搭載されるエネルギー・セルは、車両中央を前後に貫く シャシー・エレメントに収納されています。フロント・ユニットはリチウム・ポリマーの複合体です。 これは開発途上のリチウムイオン・バッテリーです。
合計98 個のリチウム・ポリマー・セルが搭載され、各セルは30 Ah の容量を持ち、3.7 V の電圧で常時600 アンペアを発生します。30 秒間 であれば、各セルは最大1,200 アンペアを発生します。
直列接続されたリチウム・ポリマー・セルは364 V の定格電圧を発生し、バッテリーの総貯蔵容 量は10.8 kWh です。放電容量は80 %と非常に大きく、車両走行用に8.6 kWh を使用します。エネルギー貯蔵システムの総重量はわずか85 kg です。
リチウム・ポリマー・セルは車両用としての最適な寸法であり、強制冷却を必要としないほどにバッテリーに作用する熱負荷を低減しています。
ブレーキ回生システムは、余計な燃料を消費せず、走行中に発生した電力をバッ テリーに貯蔵します。バッテリーはその後、電気モーターや電装品に電力を供給します。
もう一つの手段は、車両の右フロント・フェンダーに装備されたプラグイン・コネクターを使ってリチウ ム・ポリマー・バッテリーを標準的な電源ソケット(コンセント)に接続し、手軽で効率的に充電を行うことです。
通常の家庭用電源(220 V、16 A)へ接続すると、約2時間半で搭載されているリチウム・ポリ マー・バッテリーをフル充電することができます。また、これよりも高い電圧と電流の電源(380 V、 32 A)であれば、わずか44 分まで充電時間を短縮することもできます。
この貯蔵装置に加え、中央のシャシー・トンネル後端 部に容量25 リッターの燃料タンクも装備されています。軽油を使用することで内燃式エンジンだけで約650 km を走行できます。電気モーターでの約 50 km を足すと、このクルマの航続距離は約700 km に達します。
⇒⑥に続く
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Posted at
2010/06/10 08:23:20