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2010年09月09日

CROWN Hybrid 紹介-01 THSⅡ(スプリット方式)の開発経緯

CROWN Hybrid 紹介-01 THSⅡ(スプリット方式)の開発経緯 今回から、THSⅡ(Toyota Hybrid System Ⅱ)の紹介です。

Hybrid vehicleの概念は、『ガソリンエンジン+電気モーターのように、作動原理や原動エネルギーのいずれかが異なる複数の動力源を有し、状況に応じて単独あるいは複数の動力源を用いて移動する車両』です。

←画像は LEXUS LS600h-L(China Vir.)のディスプレイ。


動力源は主として内燃機関(エンジン)であり、補助的に二次電池や回生ブレーキを活用します。
THSⅡはスプリット方式(動力分割方式)と称し、『エンジンからの動力を遊星ギアを用いた動力分割機構により分割(スプリット)し、発電機とモーターに振り分ける方式』です。

『発進時や低速走行時にはバッテリーに蓄えられた電気でEV走行し、通常走行時にはエンジンを最大トルク近辺の低燃費回転域で回し、遊星ギアを介した発電機でバッテリー充電を行いながら速度制御を行う』という、とても複雑な一連の作業をいとも簡単にCPU制御しています。燃費悪化の原因となるエンジン出力の変化を極力抑える事で、飛躍的に燃費効率を高めています。

多くの解説書やメーカーカタログには同様に、以上の様なコメントが記載されているのです。が、・・・難解ですぐには理解出来ません。

なので、ひとつひとつ勉強して行こうと思います。

1
1NZ-FXE PRIUS用 Hybrid System、THSⅡ。

1997年、トヨタのハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle・HEV)、プリウス用に発表されました。
画像は、エンジン、発電機とモーター、動力分割機構のほか、画面右上にPCU(Power Controle Unit)、画面奥にニッケル水素バッテリーが配置されています。

FF駆動方式用に設計され、1.5L DOHC 横置4気筒エンジンからの動力を遊星ギアを用いた動力分割機構により、発電機とモーターに振り分けるスプリット方式を採用しています。
2
1NZ-FXE PRIUS用 Hybrid System 近影。

スプリット式は動力分割機構(遊星ギア)により発電機とモーターの回転制御を行う事でその役割を持たせる事が出来るため、トランスミッションは必要有りません。
エンジン・モーター・発電機各々の常用回転数の関係で、エンジントルクの直接利用は限定されるので、通常の速度域では発電機を介した電気駆動が大部分をまかないます。
電気駆動の際にはモーターの特性でエネルギー変換ロスが生じますが、エンジンの高効率域を利用する制御で全体効率は高くなります。

3
1NZ-FXE Hybrid System カットモデル。

モーターのスペックは最高出力50kwです。

他の方式に比し部品点数が少ないのがスプリット式の特徴で、特に製造コスト面では、トランスミッションが無い分メリットが有ります。
デメリットとしては、動力分割機構のCP制御が非常に複雑である事と、Hybrid車の宿命(内燃機関とバッテリーを一台の車に搭載する)で、全般に同クラスのガソリン車と比較して20%程度、車重が増加する点が挙げられます。

4
3MZ-FE Hybrid System 近影。

2005年、トヨタ『ハリアーハイブリッド』、『クルーガーハイブリッド』に搭載された新型のパワーユニットです。フロント横置きV6に、従来の動力分割機構に加え、新たに減速比2.478のリダクションギアを採用、モータートルクを2.478倍にアップしました。

モーター高性能化の要因のひとつは、高回転化。最高出力123kW(167ps)/最大トルク333Nm(34.0kgm)と、同じトヨタのアルファード(13kw)と比べて9倍以上、プリウス(50kw)と比べても約2.5倍へ増強されました。許容回転数は12,400rpmと、プリウスと比較して2倍もの回転数を達成。その上で、減速ギアで約2.5分の1の回転数に落とし最高出力と低速トルクの両立を図っています。
5
可変電圧システム。

更に高性能化のもうひとつの要因は、システム全体の高電圧化です。
ニッケル水素バッテリーの定格電圧288Vから、昇圧コンバーターによりピーク時最大650Vで電力供給し、インバーター、モーターも高電圧に耐えるよう構造を改善しました。

これらの改良により、モーターの飛躍的な高出力化を実現したのです。
6
2006年、LEXUS GS450h 新車発表。

従来FF駆動用だったTHS IIを、エンジン縦置きのRWDであるレクサスGSシリーズに適合させるため、レイアウト、ケース等が全て新設計されました。
ハイブリッド化に伴うシャーシ側の改修は最小限に抑えられ、ボディサイズは純ガソリンモデルと同じです。
7
ミッションケース周りのサイズ比較。

ガソリンモデルの6速オートマチックトランスミッションとほぼ同じサイズで、ATを新THS IIに置き換える形でハイブリッド化に成功(全長で約50mmだけ伸張)。これには、ハリアー/クルーガー用の 3MZ-FE ハイブリッドシステムの開発によるノウハウが貢献しています。
モーターのパワーを上げるにはコイル巻線を増やすというのが常套手段ですが、限られたスペースの中でそれを行う必要がある場合、重量もスペースも大きくなり過ぎます。その解決策として最高回転数を1万2400rpmに引上げる手法を採った事で、その後のユニット小型化につながっています。
8
LEXUS GS450h のトランク奥パネル内を撮影。

高圧電導ケーブルが、フロントのPCUからリヤシート背面に設置されているニッケル水素バッテリーまで来ています。この見えている部分はサービスプラグで、高電圧回路の遮断を行うためのものです。

さて、Toyota Hybrid THSⅡ、ハイパワーハイブリッドへの進化の道を少し辿りましたが、次編からは GS450h のリダクションシステム等、更に細かく見て行きたいと思います。

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Posted at 2010/09/09 16:49:48

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