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2010年09月17日

CROWN Hybrid 紹介-09 THSⅡ(電動式ブレーキと回生)

CROWN Hybrid 紹介-09 THSⅡ(電動式ブレーキと回生) アメリカ議会での公聴会に社長が出席する事態に発展した、PRIUSなどトヨタハイブリッド車のブレーキ抜け問題。同じハイブリッドユーザーとしては、我が家のクラハイ君はどうなるのかも含めはらはらし乍ら様子を見守っていました。

←LEXUS GS450h のスカッフプレート

結果、我が家のクラハイ君はリコール対象外となって安堵、今のところ。
Dラーの社員さんに聞いてみても、実はあまり詳しい情報が伝わっていない様で、例のVGRS問題(切ったハンドルが90度、暫く戻らない)も対象外でしたが『同じシステムでは無いか』と質問したところ、『クラハイはシステムは同じですが、担当グループが違うのでソフト開発上、一緒の動きでは無いようです』これ以上は詳しい話をして貰えませんでした。

まあインターネット上では専門家のような人達が凄く高度な情報交換をバンバンされているので、その内容を素人なりに勉強してみました。概ね、発生案件の条件は次のような事です。

①緩い速度で走行中から、軽めにフットブレーキを掛けた際に起こる
②3代目PRIUS以降、LEXUS HS250h 、TOYOTA SAI の3モデルが対象

何故そういう状況になっているか。

①ブレーキ・バイ・ワイヤー(電動ブレーキ)システムなので、ブレーキペダルの踏込み量を電気的にセンサーが検出して、どのくらい強く制動させるか、同時に駆動用モーターによる回生制動と、車輪側に装着されている油圧機械ブレーキを、双方どのくらいの比率、強さで効かせるかを、ECU側が制御して設定するという超複雑な作業を、それも毎秒時々刻々と続けている。
②今回問題の現象は、CPU側の設定が回生ブレーキ優先の領域である。
③初代PRIUSで問題になったカックンブレーキの解消のため、2代目には極低速になったら油圧機械ブレーキだけで止める様にプログラムを書き換えて解消した。
④ところがその切替領域で、ABSが作動する状況に遭遇すると、駆動用モーターの回生動作を強制カット、油圧機械ブレーキだけに突然なって、いわゆる抜けが起こる。
⑤更に上記3モデルは、ブレーキペダルを踏込み⇒圧力をシステムが検出/制御⇒車輪側機械ブレーキまで伝達、この経路構成を従来のシステムから一部変更している、というお話。

上記に我が家のクラハイ君を照らしてみますと、前編記載の通り極低速域(15km/h前後)でも回生動作を続けているので、あ、その領域での制御プログラムは確かに違うというのが解ります。

因みに、その抜けがどんな感じなのか、クラハイ君で、そうとは知らず納車間も無い頃に自分でやってしまった事があります。
もう15年間AT車に乗っているので癖になっていますが、低速域から完全停車(0km/h)の直前にシフトをD⇒Nに入れ、右足親指だけで引き摺ったフットブレーキもギリで放す。すると、同乗者はカックン停車、つまり首を前後に振る気持ち悪さからほぼ開放されます。
でもまだちょっと速度があるうちにクラハイ君で『シフトをD⇒N』やると、フットブレーキの踏力は一定なのに、制動力が一定程度減り、ふーっとドライバーの意思より前にクルマが出て行く。これって、自分でPRIUS問題をわざわざ作っている訳なんですね。
これはそういう事なんだ、と認識してからのちは、ホントのギリ停止前まで『シフトをD⇒N』動作を待つように変えたので、うまく操作出来ています。

このように、発生事象と原因の構造、その回避策が明快で自分で納得できれば、特に怖くは無いです。そう操作したら危険になるという事を把握していれば問題無い訳です。

今回のPRIUSリコールでは、トヨタさんは対象顧客ドライバーにきちんと理解出来る説明をしているのでしょうか・・・。顧客はシロウト、ともしメーカー側が考えたとしたら、それはちょっと危険です。顧客の、自分のクルマの事は、顧客である自分が一番詳しい。一番のプロと思って、間違い無いです。Dラーの社員さんの殆ど誰より、そのクルマを長い期間運転しているのですから。

1
LEXUS GS450h 、中国用輸出版。

GS450h と CROWN HYBRID のハイブリッドシステムは、基本的に共通です。その上で後発部隊のCROWNには、制御面で数十項目の改良を加えています。
例えばパワー指向のGS450h に対して、パワーの出方をより滑らかにしている点。燃費も考慮して、より滑らかに加速をするよう設定。加えて、減速時の回生エネルギーを、より多く蓄えられるように変更した点。

減速比は3.266と、GS450h の欧州仕様と同じにし、国内仕様のGS450hの3.769よりもハイギアード化。更に、GS450hには無いEVドライブモードのスイッチの設定など。
2
電子制御ブレーキシステム。
(Electronically Control Brake System)

ブレーキ・バイ・ワイヤー、つまりドライバーの操作をシステムセンサーで認識し、ECUからの信号で、通常ブレーキ、ABS、TRC、VSC、更にはブレーキアシストの制御を行ないます。制動力は油圧ポンプの駆動モーターとアクチュエーターのソレノイドバルブを電子制御することで発生させます。
電動ポンプで油圧(ブレーキ作動液に加える圧力)を作り、ペダル踏力も加え、油圧を制御するバルブユニットまで送る。ここで作られた圧力を各車輪のブレーキに伝送。ABSの作動も、この油圧制御部で圧力を小刻みに増減。

必要な制動力を回生ブレーキとどういう比率で受持つかという判断と制御は、ブレーキ制御(ABS)コンピューターの中で行われます。
3
ここで、クラハイ君に乗って走ったイメージを、上のグラフに赤い曲線で、ちょっと書き込んでみました。
(自分だけの勝手な感覚なのでご容赦!)
FFのPRIUS や HS250h に対してFRのGS450h やCROWN HYBRID は、回生制動が後輪に掛かるので、ブレーキを掛けた時点での速度、制動強弱によっては後輪がバタ付くという問題が生じます。これをECU側で計算し、4輪の各々に微妙な調整を行うようプログラムされています。

元のグラフは回生ブレーキ力と機械式ブレーキの制動比率をイメージで表したものですが、これを見ますと制動力による姿勢変化が少ない低速域では、減速エネルギーの殆どは回生ブレーキで担当します。
4
上のグラフでは、高速走行から中速域までに大きくスピードを落とす際のイメージを書いています。ホントは直線で示すのかも知れませんが、例えば100km/h⇒0km/hといった急停止で無い限り、6~7割減速したところでブレーキ踏力を抜いていくのが、実際の走行状況に合致していると思います。

こちらのグラフは、高速/中速から緩やかに中低速まで減速するために、フットブレーキに軽く当てて軽く踏力を抜いていった場合のイメージです。この場合、制動力は終始回生ブレーキだけが担います。
5
こちらのグラフでは、冒頭のように緊急制動で無くても、100km/h⇒0km/h(停止)の場合に一般的ドライバーが行うブレーキング動作をイメージしています。

効き始めは(このグラフには表現してませんが)エンジンブレーキ、回生ブレーキが稼動、ECUの判断ですぐ機械式油圧ブレーキ領域が加勢し、速度減少に伴いだんだん回生ブレーキが比率を増す。
そして停止直前、回生ブレーキがその役割を閉じ、機械式油圧ブレーキ単独で制動を終わらせる、という流れです。
6
因みにこちらは、上記の100km/h⇒0km/h(停止)の場合で、冒頭述べたリコール問題のブレーキプログラミング車が、停止前にABS介入でブレーキ抜けを起こす場合をイメージして書きました。

最後の最後で、回生ブレーキが役割を終えようかという低速域に入ってABS介入が起き、突然回生動作がカットオフされる、という感じなのですが、ちょっと乱暴かも。
7
こちらは、ナビゲーションシステムとの協調制御により、ドライバーへのブレーキングアシストを行う『ナビ協調制御』の一例です。

交差点前などで、一時停止に気付かず急ブレーキを強いられるなどの状況に於いて、ブレーキロックしない範囲でドライバーのブレーキ踏力を補佐し、最大の安全停止効果が発揮できるブレーキ制動力配分計算を一瞬で行い、実際の制動に反映させます。
グラフは、その際にECUが行う制動力の配分イメージです。
8
前方の一時停止の存在を、ナビゲーション機能によりVHD表示と音声により、交差点に近づくと自動的にドライバーに案内します。一時停止線に近づいてもドライバーが減速行動を開始しない場合、再度音声で注意喚起します。
そして、その後ドライバーの急ブレーキ操作に対して減速支援(ナビ・ブレーキアシスト)を実施します。

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Posted at 2010/09/17 12:03:56

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この記事へのコメント

2010年9月17日 21:54
④ところがその切替領域で、ABSが作動する状況に遭遇すると、駆動用モーターの回生動作を強制カット、油圧機械ブレーキだけに突然なって、いわゆる抜けが起こる。
⇒そう言う訳だたんですね。わかりました。システムをいじるとかならず別の現象が派生しますね。バグを探すのは、因数分解をとくようなものです。
ただ、この問題をテレビで見たとき、トヨタさんも人の子と思いました。守りは意外と弱かったんですね。
コメントへの返答
2010年9月19日 9:50
少し現状のHV開発をチラ覗きしただけですが、現時点では、THSⅡが図抜けていると思います。内燃機関側の実燃費性能開発を詰めていないと自動車ジャーナリストが批判する記事がよく載りますが、逆に言えばそこにまだ燃費向上の余地が多く残っているので、次の段階として必ずやエンジン側の高燃費低noX/低炭素化開発が進むと思います。

欧州独三大メーカー同等性能車と比べて、1/3の価格でHVを手に出来るのは、日本車だけです。新機種開発には痛みが伴う、と言っても、リコールやメディアバッシングの間も、ご当地米国でPRIUSは売れ続けています。

失策はあったし、エコ補助金も政府の甘やかしと批判を受けてるし、でも、過去も現在も日本経済の牽引役として、1個当たり何百万円分の外貨を稼いでいるのは自動車メーカーとサプライヤ群です。だから、頑張って欲しいと願っているのです・・・

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