最期の185系夜行列車と工場地帯のローカル線

前回まで２回連続、桜ブログをご覧いただきありがとうございました。m(__)m

今日は話を３月下旬の鉄ヲタ行脚まで戻します。

紀勢本線経由で名古屋まで出た後はモチロン・・・・

今年に限り、なぜか春にも運転されることとなった185系特急型車両を使用した大垣発東京行夜行快速列車「ムーンライトながら」号！

今まで毎年春季には運転の設定が無かった「ムーンライトながら」号ですが、今年はなぜか運転されました。

・・・ということは廃車前のお名残り運転という事でしょうか？

国鉄型電車を使用した夜行列車もついにこの臨時快速だけ。。

しかも多分、今シーズンの運転で185系は新型に置き換えられ、終焉を迎えるでしょう。

もうこの313系と185系の大垣での並びはこれが最後だと思います。

ホームには年齢に関係なく、ファンが熱心に写真を撮っていました。。

編成は東京方に6連と、大垣方に4連を連結した堂々10連です。

次々とLED化される列車種別行先表示器ですが、モチロン185系は国鉄フォントの字幕のまま残っています。。

指定券はいつも愛用、指名買いの7号車16番Ｄ席！

ここはMT54型モーターの真上で、爆音が絶えず聞くことができ、

しかも戸袋窓も無く連窓で眺めも良く、開閉も出来ます。

それになによりも車端の席ですので後席に遠慮なくリクライニング出来ます。

185系はそもそも特急型としてではなく、153系をベースにした急行型として製造されたため、車体断面は特急型より大きくなっています。

急行型ですので、デッキも設けられましたが、急行列車の間合い運用に通勤電車にも使用されるため、乗降扉は1mと広いものが使用されました。

特急型設計部門と通勤型設計部門がお互い一歩も譲らず、カーテンが２重になってしまった話は有名で、当時の国鉄とういう組織の硬直ぶりが見て取れます。

またそれを国鉄時代から今まで取り外さなかったJR東日本さんも天晴です。。

そしてなによりも特急型ではありませんので、窓が開きます！

この洗濯バサミの様な懐かしい窓の爪、今の若い子達は知らないんだろうな～

モハ184のモーター音を聞きながら、「赤玉パンチ」と「キリンビール」に酔います。

夜中の3時05分・・・

16分停車の沼津駅でのワンショット。。

車内には若い女子学生から老人男性まで、まさに「人生いろいろ」を地でいく雰囲気です。

くたびれ感が漂うところがいかにも座席夜行列車！

朝の放送は4時40分着の横浜駅から始まりました。

灰色基調のデザイン性が無い国鉄型洗面台にて洗面＆歯磨き。。。

東京駅が近づくにつれ、次々と始発列車で営業を始めたばかりの駅の明かりが目に入ってきます。

MT54型モーターの爆音を聞くと、小学生の遠足前の夜の様に全く眠りに就けず、夜通し起きていて、ビールと赤玉パンチを２本空けてしまいましたが、もう２本ほど欲しかったです。。

飲み足らないな～～。不完全燃焼！

そして定刻の5時05分に東京駅に無事到着しました。。

いつもなら旧型気動車の残る「いすみ鉄道」さんに向かうのですが、今回はいつものパターンを変えて・・・

高校生の時以来、38年ぶりに鶴見線にやってきました。

昔に来た時は、茶色い旧型国電が走っていましたが、今はご覧の様な新しい車両が走っていました。。

取り敢えずは鶴見駅から終点の扇町駅まで通しで乗車。。

この日は祝日だけあって、通勤客は皆無で車内はガラガラです。。

駅のトイレは昭和時代の男女共用トイレ・・・

これ、「トイレ」ではなく、正に「便所」ってやつです。。

そして、駅構内には野良猫が。。。

今や時代は平成から令和になろうとしているのに、ここには色濃く「昭和」が取り残されていました。。

都会の片隅に、時代から取り残された小さな駅がポツンと佇んでいます。。

東京にほど近いところで、こんなシーンが見れるなんて、なんだか大発見です。。

殺伐とした工場地帯の中。。。

枯れ草が生い茂る線路は、どことなく大阪の都会のローカル線、南海・汐見橋線とよく似ています。

港湾風景に・・・

アスファルトに埋められてしまった引き込み線が、かつてここが一大貨物ヤードであったことを現世に伝え、盛者必衰の世の中を物語っています。

浅野駅の△ホーム！

ここまで来れば、世界で最も海に近い駅に行かなければ。。。

草茫々で１本の電車が行ったり来たりするだけなのに、なぜか複線と言うところと、ホームの上屋が超レトロなところなども南海・汐見橋線にソックリです。。

暫く待つと、鶴見方面から列車が入線してきました。。

大股を開かないと降りれないくらいパックリと口の開いたホームと電車の隙間！

そんな電車に乗車すると、直ぐに海が間近に迫ります。。。

そして・・・・

これが世界一海に近い駅！

ホームの下がストンと切れ落ちていて、そこはもう深い海と言う設定！

その名も「海芝浦」駅。。。

波の荒い日などはこのベンチに座っていたらお尻に波を被ってしまいそうですね。。

駅は東芝さんの専用駅で、一般人は改札口から出れませんし、改札から外側は撮影禁止です。。

さてさて、海芝浦駅で徹夜夜行列車の疲れを少し癒したあとは、鶴見駅に戻り、もう一つの支線、「大川支線」の運転台展望がぶりつきです。。

ＪＲ東海道本線をオーバークロス。。

離合電車の運転士さん同士が合図する風景も昭和の風景ですね～。

昔は武蔵白石駅の△ホームで分岐していましたが、なぜか知らない間に配線が変わって安善駅から分岐するようになっていました。

安善駅は今や珍しいタンク貨車の「常備」駅としても知られています。。

安善駅常備のタンク貨車群と重なって見える出発信号機は「大川支線出発」に進行信号を現示しています。

列車は分岐器を反位方向にのっそりと渡って、大川支線へ進入していきます。

旧武蔵白石駅ホームは通過し、ご覧の様に寂れた単線区間に進入します。。

ヨレヨレの線路が真っすぐに工場地帯の方へ伸びていて。。。

運河を渡り。。。

都会の草叢の中に消えていく線路が、哀愁を誘います。

朝夕にしか列車が来ない大川駅。。

関西で言えば兵庫の和田岬線の様なものです。

ボロボロの駅舎のある、単線ローカル線の枯れ草に覆われた大川駅の風景は京浜工場地帯という大都会に残る、熱い昭和の風景でした。