さて、南海1201型の目に余る朽ち果てぶりにいつまでも心を痛めているだけでは話は前に進みません。。
JAF割引のある入場券を400円にて購入し、施設内に入場します。。
先ず最初に目に入るのが・・・
60系旧型客車改造の元国鉄キハ45型→キハ083号車・・・
木造大型三等客車オハ62130を、昭和30年(1955)に国鉄盛岡工場で鋼体化改造、さらに昭和37年(1962)に苗穂工場で気動車化した3輌のうち唯一の生き残り。釧路に配属後昭和49年(1974)譲受。輌運転台。二重窓耐寒仕様。昭和60年まで稼動。
製造会社:国鉄盛岡工場にて改造 1955年製造
私が20歳の時に加悦鉄道は廃止されてしまいましたが、その時、この旧型客車改造という珍しいキハ083に是非とも乗車しようと、遠路はるばる丹後まで来てみましたが、ちょうどこの車両の運用離脱日に当たってしまい、姿は見えても乗車する事が出来ずに涙をのんで帰った思い出があります。。
あれから、31年・・・・
ここでこうして再会出来た事がとても不思議です。。
改札口を入ると、直ぐに明治時代の和式客車 ハ4995型(左)が目に入ります。。
これは、いわゆる「マッチ箱」とよばれた非貫通型超古典客車。昭和10年(1935)に廃車され、以後は専ら留置され続けていましたが、昭和45年(1970)修復工事を実施し、同社施設内で展示。平成2年(1990)車体部分の大修理を実施したものです。
製造会社は「鉄道省 新橋工場」で、なんと 1893年製造・・・123歳!
車内は和式で、遊園地の乗り物の様に、車幅いっぱいにシートが設けられています。。
この車両は、私が知るところでも様々な古典映画のロケに使われたりしています。。
一方、その車両と同一ホームの横には・・・・
洋風の古典客車、ハブ3型が留置されています。
これはドイツ製の木造緩急車で、九州鉄道(明治40年国鉄が買収)発注車。大正11年(1922)伊賀鉄道へ払下後、昭和2年(1927)に加悦鉄道が譲受けました。荷物室を備えた緩急車で、昭和45年(1970)の大阪万博の時ににドイツ製機関車クラウスとともに出展された経緯を持ちます。
製造会社はドイツのVan der Ziepenで、これもなんと 1889年6月製造・・・・127歳!
100年以上前の旅人になった気分を味わえる貴重な存在です。。
窓の大きさもそれぞれ微妙に違い、手造り感でいっぱいです。。
100年以上も前の旅人も、この同じ窓から外の景色を眺めていました。
その当時の日本はどんな景色だったのだろうかと空想するだけでウキウキ、ドキドキですね。
加悦SL広場はサービス精神いっぱいで、こんな大変貴重な車両の車内に入れるだけでもとても貴重な体験だと思います。。
屋外には加悦鉄道で走っていたものではありませんが、昭和時代のSLも展示されています。
左がC58型390号機 客貨両用汎用機関車・・・
重量物の貨物列車を牽引する為に、動輪の直径は小さく設定され、大きな牽引力が出る様に設計されています。。
この車両は、北海道で昭和50年(1975)7月まで稼動後、加悦町が国鉄から展示用として借用したもので、唯一の本格的テンダー式1C1形です。。。愛称は「プレーリー」・・・。同型機の製造数は427輌で、製造会社は汽車製造株式会社で1946年7月に製造されました。。69歳!
一方、右側のC57型179号機は本格的急行型機関車で、スピードが出る様、動輪の直径をかなり大きくとってあります。。
両機を近くで比較すると、その違いは一目瞭然です。。
この機関車は昭和48年国鉄より加悦町が展示用として借用したものですが、C57型は日本の近代蒸気のうち最も端麗とされ、その姿の美しさから”貴婦人”と称して親しまれていました。2C1テンダー機で、同型機の製造数201輌です。
製造会社は三菱重工三原製作所で 1946年11月に製造されました・・・・69歳!
本当に、機関車のイロハから学べる貴重な施設です。。
一方、展示場の奥には懐かしいバケット型気動車が居ました。。
こちらはキハユニ51型気動車・・・
この車両は芸備鉄道(昭和12年国鉄が買収)が発注した元40900形→キハユニ18型で、昭和27年(1952)舟木鉄道(昭和36年廃止)へ払下されたものを昭和37年(1962)に加悦鉄道が譲受たものです。機器類の改造後はキハ51型として昭和60年まで稼動しており、平成6年キハユニ51に修復されたもので、専用のデッキ(バケット)は自転車の運搬用とかの用途に使用されていました。
製造会社は日本車輌株式会社で1936年10月に製造されました・・・・80歳!
この車両も例外となく乗車できます・・・・
半室運転台で、もう半分は座席が車端の最前部まであるという、鉄道マニア垂涎の車両です。。
車内は床も含めて木造ゆえ、昔懐かしい、小学校の木造校舎の教室の様な床油の匂いが立ち込めています。。
忘却の彼方にあった古き良き時代の記憶を呼び起こしてくれる、心穏やかな香りです。。
こちらがその「がぶりつき専用席」で、前面展望と運転士の運転操作が一目で見れる、特等席です。。
こんな列車が有ったなんて、昔の人はなんて幸せだったのでしょう・・
運転士さんと若い娘さんの恋の物語なんかも有ったかもしれませんね・・・。
運転席にも自由に立ち入れますので、運転士気分で座ってみました。。
正にパラダイス・・・
素晴らしいの一言に尽きます。。。
そして、まだまだ古典車両が生存しています。。
こちらは ハ20型21号
明治26年(1893)製の台車の上に、昭和10年(1935)車体部分を新造したもので、なんと昭和47年(1972)まで現役で加悦鉄道で元気に稼動していました。平成12年(2000)に車体部分の大修理を実施し今日に至ります。 製造会社は「鉄道省 新橋工場」で 1893年に製造されました。。。。。なんと123歳!
この平成の大修理の理由がまた訳アリで。。
東北新幹線開業記念鉄道博に出展した帰りの輸送中に、車体を由良川鉄橋ガードにぶつけて壊してしまったとあります・・・
大チョンボですね。。
そしてこの車両にも当然乗車出来る訳でありまして・・・・
綺麗な木製のアコモ&背もたれに、気品の高い薄緑色のシートが良く似合います。。
やはり床油の心地よい匂いがぷんぷん・・・
あぁ、こんな車両が現役時代に生を受けて、のんびりとした旅を楽しみたかったですね。。
一方、こちらはダブルルーフの大型車、ハ10型の3等車内です。。
混雑を想定してロングシートを採用し、吊革も装備されています。。
格調高いデザインは、現在の阪急電車に通じるものがありますね。。
この車両は加悦鉄道創業に伴い新造(但し伊賀鉄道発注車を譲受)された車両で、独特な二重屋根を持つボギー車で、客室は二等、三等に別れています。昭和43年(1968)まで稼動していて、現役当時はニ、三等室の仕切りを取り外して使用されていました。平成6年(1995)新造時の状態に復元されたもので、製造会社は大阪梅鉢鉄工所、 1926年11月製造で90歳!
気品ある超ロングシートとダブルルーフモニターの明り取り窓が最大の特徴ですね。。
車端部には2等席(現グリーン車)も設けられており、この部分は流石に吊革も無く、背凭れもモケットとなっていました。。
そしてこの施設最大の見せ場は・・・・
ラッセル車 キ165型・・・・
この車両は山陰線で活用した雪掻車で、後部に連結した蒸気機関車より動力と圧縮空気の供給を受けながら使用されました。昭和56年加悦町が展示用として国鉄より借用したもので、製造会社は国鉄土崎工場で、1938年12月製造,、78歳!
そして何よりも驚きなのが・・・
この車両の車内にも立ち入ることが出来てしまいます。。
しかも・・・
運転席に座れて、各弁を操作したりも出来てしまいます。。
こんなことが出来るのも、いまや日本中でここだけだと思います。
他にもいろいろと展示車両が有りましたが、ここは割愛させて頂き・・
館内を一巡すると、元のキハ083のところに戻ってきました。
旧型客車改造の独特ないでたちの両運転台付き気動車です。
ローカルな駅舎や周囲の風景に良く似合います。。
こんな表示を発見したので、ならばここで昼食を・・・ということになりました。。
こちらも60系木造客車の改造という事だけあって、昔懐かしい、木の背凭れをもった、心休まるアコモです。
車端には当時の線路図が未だそのまま掲出されていたりなんかして、野村からの加治屋線や東舞鶴からの小浜支線、そして何よりも加悦鉄道が記載されています。。
客室の一部は食事がし易い様に、簡易改造されています。。
夫婦で注文したのは天ぷらうどんと天ぷらそば・・・・
どちらも520円也の安価な昼食です。。
旅情あふれる木の椅子に座って味わう駅そば&うどんは、古き良き時代の汽車旅を彷彿するには充分すぎる程の演出で、気分は最高です。
しかしながら、このキハ083型もかなり腐食が進んでいて、メンテナンスを怠ると一気に朽ち果ててしまいそうですので、なんとか1日でも長く保存できるように頑張って頂きたいところです。。
・・・さてさて・・・・
なんとなく、わがサンバーが可愛かったので、記念撮影などを行い。。。そんなこんなで加悦SL広場を後にしまして・・・
次の訪問先は・・・
日本の国を守ってくれる、イージス艦等が集う舞鶴港・・
この日は強風のため戦艦の見学は中止されており、残念極まりなかったですが、気分を改めて・・・・
有名な煉瓦倉庫群を眺めたりして過ごしました。。
実はここ、関西に居ながら初めての訪問でした。。
さぁ、この後はいよいよカニ民宿に宿泊です。。
続く・・・
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