2014年06月01日
ISの安心感 エンジン編&マルチシリンダーの未来
私自身、昔からハイパワー車に憧れがあり、
いつかハイパワー車を所有したいなと思っていました。
インプレッサ、ランエボ、アリスト、スープラなどに
代表されるハイパワー車はどんな加速だろうか、
アクセルを踏むとまるで後ろから蹴飛ばされるような
そんなぶっ飛んだ加速をするのではないか・・・
とそんな想像をしていました。
念願叶って318馬力のエンジンを搭載した
IS350を所有するに至ったのですが、
その加速は想像とは少し違ったものでした。
もちろん加速感は充分、シートに押しつけられるような
加速を味わうことができるのですが、とても上品。
気がつけばとんでもない速度に達しているという感じです。
これがレクサスのスポーツセダンたる味付けだと思います。

IS350に搭載しているエンジンは2GR-FSE。
ショートストロークエンジンということもあり
低回転から高回転までよく回るエンジンです。
最近の直噴ターボエンジンのように、
低回転からフラットトルクというエンジンではないですが、
回せば回すほどトルクが増していく官能性も持ち合わせています。
またこのエンジンは「緻密&滑らか」。
まるでモーターのように綺麗に高回転まで回っていきます。
ここで2GR-FSEの技術的なお話を少し。
※以下は私が個人的に調べた事、見解を書いております。
間違いがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
LEXUSだとGS350、450h、そしてIS350に、
TOYOTAだとクラウンアスリート、マークX、クラウンマジェスタに搭載されている
V6 3500ccエンジンである2GR-FSE。
(ハイブリッドである2GR-FXEも含みます。)
このエンジンについて語るのであれば直噴エンジンとは?という話からになります。
直噴はディーゼルエンジンにおいては1970年頃から使われてきた技術ですが、
ディーゼルに使用されている軽油に比較して着火しにくいガソリンでは、
直噴化する技術が難しく1990年代後半になってようやく実用化されました。
ただ、初期の直噴はリーンバ-ン(希薄燃焼)タイプだったのですが、
このタイプはどうしても以下の欠点がつきまといました。
1.煤の堆積
ポート噴射(従来型の方式)に比べに煤が発生しやすくそれがシリンダー内や、
吸気系に堆積してエンジン不調に陥りやすい。
2.排気ガスに窒素酸化物が増えやすい。
これもリーンバーン直噴の特徴ですが、窒素と酸素が結合して
有毒な窒素酸化物が出やすくなるためです。
上記の特徴はリーンバーン直噴タイプによく見られる特徴ということもあり、
今現在の直噴はストイキ(均質燃焼)が主になっています。
ただストイキになったからっといって完全に解決したということでもなさそうです。
そこでTOYOTAが考え出したのが
D-4S(Direct injection 4 stroke gasoline engine Superior version)。
2GR-FSEエンジンの基幹ともいえる技術です。
この技術がこれまでの直噴エンジンと大きく異なるのは、シリンダー内に直接ガソリンを噴射する
インジェクターに加え、ポート噴射用のインジェクターを装着したこと。
1気筒に2つのインジェクターを持ったエンジンです。
直噴エンジンの課題は低回転の時に如何に燃焼を安定させるか、ということなのですが、
それを解決するために考案されたのが従来型のポート噴射を追加するということなのでした。
ポート噴射を追加することによって燃焼室に入るまでに、
ガソリンと空気の混合する時間的余裕ができます。
また2つのインジェクターから供給される燃料量をエンジンの回転や負荷に応じて
最適になるように組み合わせることが可能です。
2GR-FSEの場合、低回転ではポートインジェクターからの燃料供給を多くして、
回転が上がるにつれ直噴インジェクターからの燃料供給量を増やし、
3000回転以降からは完全な直噴状態になります。
ただ低回転でも高負荷の時は直噴インジェクターからの噴射量の割合を増やします。
とここまでは手元にある技術書の受け売りです(笑)
このエンジンにローギヤードのトランスミッションを組み合わせて、
まるで地面にアクセルが直接繋がっているような加速感を
味わうことができるのがISの運転の楽しいところです。
そして思い通り、まるで自分の手足のように運転できるところが、
車との一体感、安心感に繋がっていきます。
この味付けですが、同じく250に積まれている4GR-FSEも同様です。

よく試乗車や代車でIS250をお借りすることがありましたが、
250と350と味付けは驚くほどよく似ています。
ダイレクト感やエンジンの緻密感はやはり同じIS。
違う車を運転していてもISである限り違和感を感じることはありません。
さらにIS250の場合、重量が350より軽い分回頭性が良いので、
街中だとよりヒラヒラと走ることが出来ると思います。
ただこの2GR-FSEそして4GR-FSEのような大排気量&マルチシリンダーは
これからの時代あまり主流になることはなく、
代わって燃費性能に優れた小排気量ターボ
が主流になっていくと思います。
ただやはりマルチシリンダーNAエンジンの持つ官能性、扱いやすさなどは
昔からマルチシリンダーに憧れていた私からすると捨てがたい。
このマルチシリンダーの緻密感に慣れてしまうと・・・
最近はISよりも大きな車でもマルチシリンダーは減ってきていますが、
少しでもいいので残して頂きたい技術だと思います。
というわけでこれからもしっかりISを乗っていきたいと
改めて誓う私でした。
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Posted at
2014/06/01 14:21:08
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