2014年11月17日
WRX S4のインプレッション 【走行性能編】
さて土曜日は思い切りS4に乗ることができましたが、
そのドライブで前車IS350との違いもいろいろ感じることができました。
ということで今回は私の感じたS4の感想を前車ISと比較しつつ
【走行性能編】を書いてみたいと思います。
(今回のインプレッションはまだS4の慣らし中のものなので、
もう少し乗り込んでいくと感想は変わるかもしれません。)
ちなみに本文中の「前車」とは先代・中期型IS350 Version.F(DBA-GSE21)です。
最初に予めお断りさせて頂きますがですが、
以下の感想はあくまで私の個人的感想によるものです。
気分を害されたりする方はご遠慮下さい。


まずは動力性能に関して感じたことを書いてみたいと思います。
S4は2.0リットルターボ、IS350は3.5リットルNAと
だいぶ違いがあるエンジンですがどちらも馬力/トルクはよく似ています。
IS350のエンジンはV6の2GR-FSE。
これがとてもよく回るエンジンで回したときの気持ちよさはIS350に軍配が上がります。
あの滑らかにかつワイルドに高回転まで一気に回っていく感じは凄く気持ちよかったです。
ただそれ以外の部分ではS4のFA20DITの方が良いなと感じる部分が多いです。
まず2GRは結構高回転型で最大トルクの発生回転数は4800rpm。
FA20DITは2000rpmから5600rpmの部分で最大トルクを発生させる
所謂フラットトルクのエンジンです。
もちろん排気量の分、極低回転域のトルクでは2GRが上ですが、
それも束の間ですぐFA20DITの豊かなトルクがやってきます。
ワインディングの登りでここ一番で加速が欲しい時なども
やはりFA20DITの方が思い通りにパワーを出してくれます。
またFA20DITも4気筒とはいえ元来よく回る水平対抗エンジン。
アクセルレスポンスは良好でとてもダイレクト感のある加速をします。
ターボの宿命でNAの自然な加速に比べパンチがある加速をしますが、
これもこれで私にとっては運転がより楽しく感じる部分です。
高回転域についてはV6の2GRは気持ちよかったです。
「クォーン」という快音と共に気持ちよく回ります。
高回転域はまだS4が慣らし中なのでまだ分からない部分ですが、
こちらもかなりの実力を秘めているであろうことは想像に難くないです。


次に足まわりやハンドリングについてですが、ここについてはS4の勝ちだと思います。
ISも決して悪くはありませんでしたがやはりWRXと比較すると隔世の感があります。
まず大きな差を感じたのが乗り心地。
スポーツ=硬いというイメージだったのですが、
S4(最初に試乗したのはレヴォーグ)と出会ってそのイメージが覆されました。
S4はサスペンションがしっかり動いているようで乗り心地がとても良好。
凹凸もしっかりとサスペンションで受け止めているようで
不快な突き上げがハンドルに伝わってくることが圧倒的に少なくなりました。
かといって闇雲に柔らかいわけではなく、ハンドルを切ると
まるでハンドルとボディが繋がっているかのようにぐいっと車体を曲げてくれます。
S4自体は小さな車ではありませんが、まるでボディの小さな車を操っているかの如く
慣性をあまり感じることなくグイグイ曲がっていくのでとても爽快感があります。
かなりハンドルの切れ角を大きくとらないといけないワインディングの急カーブでも
そこそこのスピードで思い通りに車体を操ることができたのは驚きました。
サスペンションがしっかり仕事をしている、
そしてそれはボディ剛性がとても高いことも意味しています。
凹凸の揺れなどでボディが軋んだり
カーブで曲がる際にリアが「遅れてくる」ような感触も皆無です。
ISもとてもダイレクト感のある走りでしたが、
WRXに比べるとゴツゴツ感がありやはりサスが突っ張っている感がありました。
ワインディングなどでもどうしてもWRXに比べてスピードレンジは落ちてしまいますし
急カーブだと一瞬接地感がなくなることもありました。
FRらしい軽快感のあるハンドリングは気持ちよかったですが、
WRXに比べ約100キロ重い車重はどうしてもワインディングでは
車体の重量の差を感じてしまいます。
ここはやはりS4はスポーツ走行を主眼にして作られたスポーツセダン、
ISはサルーンを元に設計されたスポーツセダンという
成り立ちの違いを強く感じる部分です。


そして高速道路でも違いがはっきり出ました。
S4の場合やはり直進安定性が凄い。
風や轍に乱されることなく一直線に突き進んでいます。
まるでレールが引かれているというか、線の上を走っているというかそんな感じでしょうか。
ISの場合はやはり足が取られて挙動が乱れることがありました。
FRということ、リアのタイヤがS4に比べ太い(S4:225 IS:245)というのもありますが、
風や轍に対してはS4よりも弱いと思います。
今まではハンドルを持つ手も緊張していましたが、
S4はハンドルを持つ手もいくぶんリラックスして持つことができます。
特に違いを感じたのが瀬戸大橋の上。
瀬戸大橋はやはり海の上ということでかなり風が強いことが多いのですが、
S4だと陸上の高速と変わらず走ることができました。
次はトランスミッション。
S4はスポーツリニアトロニック。チェーン式のCVTです。
私自身CVTはスポーツ走行には向いていないという固定観念があり
試乗では特に問題なかったとは言え一番の懸案事項でしたが
これは全くの杞憂に終わりました。
CVTと言えばアクセルを踏む→エンジンの回転数が上がる→加速する
とどうしてもアクセルと加速の間にタイムラグがあるイメージがありましたが、
このリニアトロニックはこのタイムラグはほぼ無しと言ってもいいと思います。
ISは6速のAT、また比較的ギア比が低いのもあって
まるでアクセルと車輪が繋がっているかのようなダイレクト感がある加速でしたが、
比較してもS4も勝るとも劣らずです。
おそらくなにも言われなければCVTだと気づくことはないと思います。
ただS4の場合、「I」モードの場合に踏み出しの際に
たまに一瞬加速がもたつくことがありますが、本当に一瞬だけ。
それも「S」(おそらく「S#」も)モードにすれば殆ど感じなくなります。
またS4の加速の特長はCVTの長所でもあるシームレスな加速。
ISの場合は加速の際どうしても段付きがありますが、
S4は一気にグイグイ加速していくような感じです。
ただISのATもとてもスムーズで滑らかというのもあって、
不快な段付感じることはありませんでしたのでこの点はイーブンです。
どちらにしても「S4はCVTだからダメだ!」ということは今のところ全くありません。
最初は「なぜWRXにCVT?」と疑問に思っていましたが
これだけ出来がよいのであればそれも頷けます。
S4で一番過激な「S#」だとかなり凄いと思われますが今は慣らし中で封印中なので
また慣らしが終わったときにじっくりインプレしてみたいと思います。
ブレーキング性能はイーブン。
踏み初めはISの方が良く止まるような気がしますが、
踏み増していくとS4もガツンと効いてきます。
これは性能と言うより味付けの問題なのかもしれませんが、
両車とも必要十分以上のストッピングパワーはあると思います。
全体的に走行性能はやはりS4の方が上(と言うより私の好み)だと思います。
ただISが悪いということは決してありません。
ISに乗っているときにもいろんな車に試乗しましたが、
それらと比較してもISの走行性能には大満足でした。
動力性能、走行性能共に不満を抱いたことはありません。あくまで比較の問題です。
ただやはりS4はとても走りに対してストイック。とても忠実です。
どうすれば思い通りに快適に走ることができるのか、
その点に真面目に向き合っていると思います。
私はそこに一目惚れしたのだと思います。
それに比較してISの走りはサルーン的。
走行性能のそのものはS4に譲りますが、懐の深い滑らかな走りが特徴です。
ISはサルーンの中ではかなり走行性能に主眼を置いた車だと思いますが、
純粋な走行性能だけというものを追求した車ではありませんので
走行性能だけでS4と比較するのは少しフェアではないかもしれません(笑)
この点は先にも書いた生い立ちや方向性の違いも大きく関わっていると思います。
また私のISは中期型ですが後期型や新型では走りに関しても
かなり洗練されグレードアップしているようです。
例えばサスペンションやLSDなどの走りに関する部分をグレードアップすれば
大化けするかもしれません。
個人的な感想ですが、そういったポテンシャルは十分ある車だと思います。
最後に一つ。
これは良し悪しということではないのですが、S4は走りがかっちりしている分
良くも悪くも「遊び」がISよりとても少ないです。
表現するのが難しいのですが、S4はアクセルを踏めば踏むほど加速、
ハンドルを切れば切るほど曲がる車でドライバーの意思に忠実に走ってくれます。
ただその反面しっかり考えて運転しないと
自分の思っている以上に走ってしまうかもしれません。
乱暴に言ってしまうと「限界が底知れない車」ということでしょうか。
例えるのであればS4は「切れ味が鋭いが扱い方によっては
まな板まで切ってしまいそうな包丁」、
ISは「切れ味がはS4程は鋭くはないがその分扱いやすい包丁」、
こんな感じでしょうか(笑)
ISはS4ほどスパッスパッとはしていないのですが、扱いやすさというのでしょうか、
S4に比べると全体的に「まろやかさ」がありました。
これは慣れの問題もあるのでしょうか、車の特性の違いかもしれません。
この点はS4はまだ慣れていませんので乗りこなせるようになればまた
「まろやか」になってくると思います。
ということで最後はよく分からないまとめ方になってしまいましたが、
WRX S4の走行性能は大満足、というより満点以上、本当に運転の楽しい車です。
先日嫁さんに「S4に乗ってくるとなんかスポーツした後のような
すっきりした顔つきになっているね。」
と言われましたが確かにそんな爽快感がある車です。
惜しむらくは慣らし中でポテンシャルを十分に発揮できていないところ。
はやく慣らしを終えなければ(笑)
ということで今回は【走行性能編】について書かせて頂きました。
最後までお読み頂いてありがとうございました。
次回は【インテリア・装備編】を書いてみたいと思います。
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Posted at
2014/11/17 15:43:08
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