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イイね!
2009年06月15日

キチンと踏みしめるべし

キチンと踏みしめるべし 民生用の量産ハイブリッド車は生産しないと決めたマツダの、エコ・カー全盛時代に向けた虎の子が、「i-stop」システムを搭載した2代目のアクセラだ。
その新型に、いつもの販売店でチョイ乗りしてきた。

 スタイリングについては、良くも悪くも最近のマツダだ。海外のウェブ媒体で公開されていた広報写真ではひどく気になっていた、受け口――というかしゃくれた顎のように飛び出して見えたリアのバンパーは、もしかしたらグレードによって違いがあるのかもしれないが、少なくとも展示車で見る限りは気になるほどではない。
07年の東京モーターショーに展示されていた『大気』コンセプトの要素を持ち込んだ顔立ちは、ちょっとクドいかなぁと思わないこともないが、僕は嫌いではない。まぁ「アクセラの2代目」というのが、よくわかるスタイルだ。

 しかし見た目の形がどうであれ、今度のアクセラの一番の目玉は、何といっても「i-stop」システムだ。単に「車が勝手にアイドリング・ストップするだけ」と言っちゃあバチが当たる。“ハイブリッド車から電力駆動系を除去したようなもの”と言ってやって欲しい。そうすると「エンジンが停まってても電池とモーターで変わりに走らせればいいやー」というズボラなことが出来ないので、エンジンの自動停止と再始動の仕掛けは、そりゃもう凝りに凝りまくっているのだった。
結局のところ、車というのは走らせなければ意味がないわけで、走らせること自体にストレスがあるようでは如何にエコでも人は見向きしない。だから、エンジンを停止させる条件や再始動の素早さは、これは本当に緻密に練り上げられている。

 で、実際に走らせて見るとどんな感じかというと……一昔前なら間違いなく「高級車」である。C~Dセグメントの小型ハッチバック/セダンが、こんなに立派になっちまって……と感慨に耽りたくなるくらい、無闇に静かで気づかないうちにかなりスピードが出ていたりする。フロント・ウインドウの下端が割りと高めで、なんだか塀の向こうを覗いているみたいというか、子供がレストランのテーブルに無理についてるみたいというか、そんな感じがないわけじゃないが、こりゃ慣れの範囲だろう。
アイドリング停止は、ドライバーが「走らせよう」と動作を起こしたら、アイドリング停止のない普通の車と同じようにすぐ走り出せるように制御されているから、ホントに気にならない。ただし、その「必要になったらすぐに走らせられる」ようにするため、アイドリング停止がかかる条件は、結構厳格だ。
 ハンドルが左右どちらかに45度以上切り込まれていたり(=右折待ちの可能性)、ブレーキをゆっくり踏み込んでいったり(=長い渋滞でジリジリ細かくゴー&ストップを繰り返している可能性)などなどだと、エンジンは停まらない。ブレーキを少し緩めても、すぐに(ホントに瞬時に。確か0.3秒かそこらで)再始動する。ぜーんぜんストレスがない。

 ところで、アイドリング・ストップがどのくらい燃料の節約に役立つかというと、僕の乗っている「めちゃくちゃ燃費の悪い」ユーノス500を例にとって見ると、アイドリング停止を積極的にやらなかった頃にはリッター6キロ走れることが希だったのに対して、信号などで5秒以上(アイドリング停止が燃費向上にプラスに働くのは、5秒以上の停止が必要とされる)停止しそうなときは積極的に停めるようにしたところリッター7キロくらいは平気で走るようになった。91年デビューの、とりたてて燃料消費抑制を考えてないような設計のエンジンであっても、頻繁に無駄なアイドリングをさせないだけで1割以上の向上したのだ。
マツダのかなり偉い人が「高価で希少な素材を湯水のごとく使って生産した利幅の薄いハイブリッド車でなくても、既存技術のブラッシュ・アップだけでいいところまでいく」と胸を張るのも然るべきことだったのだ。まぁ、その説明が市場(消費者)にちゃんと届いて、その上で受け容れてもらわないことには、商売上は「負け犬の遠吠え」に終わってしまうのだけれども。

 アイドリング停止や再始動、モニターに表示される色々なエンターテインニングな「あなたのエコ運転度」なんかに気を取られがちになりながらも、所謂「クルマの運転の楽しさ」とはちょっと違った面白さを堪能していると、ふと気になったことがある。普通に「i-stop」システムが作動した停止状態で、時折エンジンが再始動してしまうのだ。僕の意識としては、再始動するような操作は何一つしていないことになっている。なんでだろーなー、不思議だなー、エアコンの動作と関係しているのかなー、などと思っていたら助手席に座っていた馴染みのセールスのHさんが「惰眠さん、マニュアルしか運転しない人だから、停止したあとブレーキ軽く緩めてるんじゃないかな」と指摘した。あ……言われてみれば、確かに。
マツダ自慢の「i-stop」システムを十全に機能させるためには、ブレーキはキチンと踏みしめていなければいけないのだった。

 散々楽しんで販社に戻りカタログを見ていて笑っちゃったのだが、これだけ燃費向上を旗印に掲げた今度のアクセラなのに、カタログを見るとごついエア・スクープがボンネットに口を開けた高性能版の「マツダスピード・アクセラ」もしっかり掲載されているのだった。さすがはzoom-zoomのマツダである。
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Posted at 2009/06/17 00:24:47

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この記事へのコメント

2009年6月17日 8:19
興味あります。
私もチョイ乗り行かねば・・・。

アイドリングストップはセルモータの寿命を縮めると聞きますし、エンジンは通常回転のトルクよりも始動トルクがかなり大きいので各部に負担があるとも聞きます。
このあたりがどうフォローされているのか、ディーラーの営業マンに訊いてもダメなんだろうなあ・・・・・
コメントへの返答
2009年6月17日 19:39
たしかセル・モーターは頻繁な作動に備えて新開発した、大振りなものを採用したとかいう話を以前聞いた気がします。エンジンの再始動タイミングもよく調整されていて、確か以前見せてもらった気がする出力曲線(普通の回転数と出力を軸に取ったものじゃなくて出力と始動前後の経過時間を図表にしたもの)でも、特に不具合を感じさせる部分はなかった記憶があります。
と書いていて思い出しましたが、始動直後の発進で車が飛び出すようなことがあっては危険なので、そういう挙動を出さないように制御を躾けたとかなんとか言ってました。やや記憶があいまいですが。それだけに、運転してみると、ものっすごくフツーでちょっと拍子抜けさえしてしまいます(笑)。
2009年6月18日 0:13
マーケティング側の「負け犬の遠吠え」を恐れる声が大きかったのか、アクセラ発表のニュースと同時に10年代前半までにマツダもハイブリッドを導入する、との新聞報道(記者会見)を見かけました。
つい5月にディーラー営業氏と話した時にも、内示会みたいな場でハイブリッド導入はないと聞いて心底がっかりした、と会話していたんですが、何か大きな方針変更があったのでしょうか。
コメントへの返答
2009年6月18日 11:33
え゛っ!……と言う感じでグーグル検索かけてみたんですが、その記事を書いてるの、どうやら毎日新聞だけのようですね。
会見の席での発言だというのに、日経すら書いていないところから想像してみると、たぶん毎日の良くわかってない記者がデッカイ勘違いをしてるような気がします。……毎日新聞だもんなぁ。

ハイブリッドといってもやり方は色々ありますし、リース販売でなら水素/ガソリンのバイフューエル・ハイブリッドを(一応)商品化してますし……。その辺の区別とか、これまでの経緯とか知らない記者だったんじゃないかと思います。

……と思ったら、朝日や読売もサラッと書いてました。失礼しました。読売の記事が、短いけども書いた記者がこれまでの経緯を知っている「ニオイ」がしました。
朝日の「ハイブリッドで出遅れているマツダ」は産業記者としては赤点スレスレ、毎日の“ハイブリッド”と言う単語に飛びついちゃったような記事は落第……ですね。
2009年6月18日 1:03
先日、惰眠さんもよく知っている友人2名と某Hのハイブリッドに乗ったんですよー。

・ブレーキ踏む→エンジン停止
・サイド引いてブレーキ放す→エンジン始動

全然エコじゃねーじゃん!?と思ったんですが、坂道発進のためか?と推測。

某T車と比べると、この再始動時の身震いが不快でした。
それどころか、全ての面で不快なんです。その日は全員、何かに取り憑かれたように疲労が溜まり、最後はカギの押し付け合いに。

全員一致で「生まれてから今まで乗ったクルマの中でサイテー度No.1」という評価になりましたので、惰眠さんも是非。(笑)
コメントへの返答
2009年6月18日 11:05
そんなにダメですか。H社のI車は。

アクセラを試乗したとき、競合他社の製品研究に余念のないディーラー担当者Hさんは「惰眠さん、I乗った?乗ってない?あれのエンジン・ストップは怖いよ。ブレーキ踏むなり止まるんだ。アクセラは、停まってもすぐ走り出すパターンがあること考慮して、停止後一拍置かないとエンジン停まらないんだけど、I車はイキナリ。再発進に手間取るし、怖いし乗りにくい」との仰せでした。

そーですかー。所詮「廉価版・簡易型ハイブリッド」……というより、ユーザーに対して随分と無神経で失礼かつ欺瞞的な商品ですね。よし、こりゃイッチョ乗ってみなくっちゃ(笑)。
2009年6月19日 9:42
愛停止、一番の売りではありますが、田舎ではさほど効果を発揮しなさそうですねぇ。
でも、ボディ拡大も最小限に抑えてきましたし、ZOOM ZOOM2世代目になってアテンザとの棲み分けも明確になってきてるので良いんじゃないでしょうか。
マツダはやっぱりT社じゃないですから、立ち位置を自覚して、既存の技術を磨き上げることでトータルバランスの優れた楽しいクルマを出し続けて欲しいですね。そろそろフォードに負けないクルマを出して欲しいなぁ。
コメントへの返答
2009年6月21日 3:15
確かにストップ&ゴーの少ない交通環境では、余り恩恵に浴することの出来なさそうな仕掛けではありますよね。
とは言え、経営体力のあまりないマツダが、この「エコの嵐」を乗り切って行こうとすれば他に選択肢は少ないでしょうから……。ホントは「ちっちゃくて軽い」方向にシフトするのがいいんじゃないかって気もするんですが(苦笑)。

欧州フォードへの道はまだ遠いですかね。米フォードよりは既に上のような気がしますけど。

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
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