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2006年02月27日

雪の2月26日

雪の2月26日 今年2006年の2月26日、東京の空は雨模様だった。
風邪気味なのか体調が少しおかしく、ひがなトロトロと眠いので外出は控え、徒然に「70年前の東京は雪だったのだなあ」などと考えをめぐらせた。

 今から70年前。1936年の2月26日、雪景色の東京では昭和維新の旗印のもと「皇道派」の青年将校らが決起、齋藤実内相、高橋是清蔵相ほか8名を殺害するクーデターを起こした。世に言う二・二六事件だ。
 日本が軍国主義化を強めていく中でのマイル・ストーンのように語られるこの事件だけれども、僕はそういう教科書的な定義とは少し違った受け止めをしている。それは「なぜ」に力点を置きたいからだ。

 原因を述べる際に、右にしろ左にしろイデオロギー的な色彩を除去することは困難なのだろうけれども、発生に至るまでの政治力学をあえて度外視すれば、ひとことで言って「当時の日本がうまくいっていなかった」ことに尽きるだろう。

 農村の疲弊、政党政治の腐敗、軍上層部の腐敗、などなど社会矛盾の拡大が原動力であった由、用語集などには記されている。
 平たく今風に言えば都市部と地方の格差、政業の癒着、官僚のやりたい放題のことであり、言い回しさえ変えてしまえば「なーんだ、今の時代状況とまるっきり同じじゃん」ということになる。

 「格差は悪いことではない」という考え方は、だから危ないのだ。一握りの成功者が、平均から飛びぬけた果実を手にすること(つまり上方偏差)の肯定と同じ地平で「格差」を語ってはいけない。「格差」には下方偏差が含まれるからだ。
 巧いことできなかった奴は損な役回りに甘んじて当然、だとする。その時点はそれでいいかもしれない。だが、それが累積したら?その結果、成功者とそれ以外の格差は一方的に拡大するしかないのだとしたら?
 「小さな政府」「自己責任」論は、この格差の補正を最初から放棄しているのだから、アダム・スミスの神の見えざる手の帰結同様に栄えているところはさらに栄え、落ち目のところは零落するより他なくなる。

 「資本主義の原理は弱肉強食なのだから当たり前」「そうでなければ国際競争力はつかない」と、竹中平蔵氏やその賛同者は口々に言うだろう。
 だが「経済のスリム化は人心のスラム化」とも言う。昔ながらの表現では「恒産なくして恒心なし」だ。働き口がない、稼ぎがない、などなどは社会不安と直結する。治安の悪化と直結する。
 下手すれば生活費欲しさの置き引き・引ったくり・かっぱらいが常態化することだってありうる。こっちで支出を渋った結果、あっちでコストの増大を招くことになりかねないわけだ。そんな社会が「豊かで文化的」なのだろうか。我が日本と胸を張って誇れる国の姿なのだろうか。

 「格差が悪い」というのは、成功者を嫉むとか能力ある人の足を引っ張るというような話では、まったくない。全然別の事柄だ。
こんな粗雑な詭弁を弄する輩が進めようとする「改革」など、危なっかしくてとてもじゃないが乗れたものではない。

 70年前のむかし「上手くいってない日本」を立て直そうとした人たちはクーデターに打って出た。彼らにその後の青写真があったとはいわない。クーデターを肯定するつもりもない。
 だが、おかしいことをおかしいと感じ、徒党を組んで行動に移したという一点についてだけは、ある意味僕は今の時代よりも健全だったと評価しうるのではないかと思っている。

 今日は2月27日。70年前、東京は戒厳令下にあった。
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Posted at 2006/02/27 18:06:38

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この記事へのコメント

2006年2月27日 20:52
私は一つの仮説を持っています。
『格差の犠牲になっているバラエティ好きな人ほど小泉を支持している。』
根拠は「堀江メール」程度なのでこれ以上説明出来ないのですが(^^ゞ

しいて説明すると、能界の内幕をちょっと共有したつもりになって喜んでいるバラエティの視聴者は、毎日テレビに登場し、お子様レベルの反応をする小泉の表面的な分かり易さに共感するのではないかと考えています。
コメントへの返答
2006年2月28日 10:35
バラエティ好きというか、そういう傾向性ってことだと思いますが、その仮説は結構正鵠を射ているんじゃないでしょうか。
僕はほとんどテレビを見ませんし、とりわけバラエティ番組は興味の外なので、あまり自信をもっていえることじゃないんですが(笑)、あくまで印象論で。
2006年2月28日 0:09
いや、最近ずっと同じような事を考えていたので、我が意を得たりと思いました。
それに、ちょうど週刊文春をパラパラとめくっていたら、暗殺された重臣の惨殺写真が載っていて、どうして今頃?あ、2月26日なんだ、と改めて思い出したのです。
http://s-tamura.cocolog-nifty.com/oioi2/2006/02/226_c4c6.html

あのようなテロが言論の自由を封じ、急激に戦争へと軸足を向けて行った事は否定出来ないと思います。(実行者達の思惑がどうあれ)
今の日本が必ずしも自由闊達な議論が出来ていないのは、赤報隊などの影響や、NHK番組改編問題やその他圧力が影響してるのかも知れません。
一方、「格差」や不公平は必ず被抑圧者の怒りを生み、必ず何らかの反作用が起きるのは歴史が証明している通りです。

能力がある者が富を蓄えるのは正しいと言いながら、働く人達を不当に搾取し、株主を騙し、数十億を懐に蓄えたホリエモン。
一体そのお金を何に使うつもりだったんでしょうね。
「格差」や能力主義が全く間違いとは思いませんが、常に競争にさらされ、例えば短期で成果を出す事は、半年毎に2、3年程度であれば実績を重ねられるかも知れませんが、それ以上は必ず息切れするなり、情勢が変わってその実績が役に立たなく時が来るはずです。
ウサギと亀じゃないですが、むしろ、5年、10年と言ったスパンで長期視点で計画した方がより高い位置に立てるのではないでしょうか。
日本型年功序列も、役職への評価として、スパンの長い能力主義だった(能力が無いものはより上位の役職にはつけない)とする文章を読んで、なるほどと感じた事がありました。

国際競争力と言って、アメリカがそれで成功していれば良いですが自動車も凋落気味で、結局金融だけしか残っていないように思います。
そんな外資に日本の会社を買いやすくしちゃうんだから、今の政治も無茶苦茶ですねえ。。
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=24832

メディアも政治もなっていませんが、段々正論を主張する人も増えてきたようで、もう少しこの様相が加速すればと思うのですが。
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0198

何にせよ、日本の軍隊は将校がダメで下士官が支えた、と言う位、昔から質が高く、均一化した労働力があり、社会的にコストも安く出来て、結果として競争力も高かった訳です。
それを根底から覆そうとして、為政者達はこの国の生き方をどうしようとしているのか、さっぱり解りません。

業務改善のシックスシグマもトップダウンのプロジェクトなので、一時的には効果が出るが継続しないので、日本的なボトムアップの業務改善活動と組み合わせるやり方が見直されているそうです。
いずれにせよ、「格差」を認めようとする動きは、日本もアメリカも、既に権力やお金を手中にしている人達が、更にそれを減らさず増やすためのお墨付きを得るための理屈だと思っているので、何度聞いてもいかがわしさしか感じられないのです。
コメントへの返答
2006年2月28日 12:22
だいぶ昔のことになりますが、確か松下幸之助が「こんなに所得税を持ってかれるんじゃ、一所懸命働いて稼ごうという気が失せる」と言っていました。その気持ちは凄くよくわかります。
だから社会的な再配分の仕組みづくりは難しいのだろうとも思います。

 ただ「甲の利益は乙の損失」との表現があるとおり、ベネフィットの総量が決まっている中で誰かが巨万の富を築くとすれば、それに見合う分の損失(支出)をしているほかの誰かが必ず存在しているわけですから、その点を視野の外に追い出してしまうと、上手くいかなくなるのでしょう。いや、短期的にはそれなりにエッチラオッチラ機能していくのかもしれませんが。

 ホリえもん式……というか、米国型の金融マネー・ビルディングで僕が大きく問題だと思うのは、「カネ」と「価値」が実体的にリンクしていないことです。
 例えば、ビル・ゲイツのマイクロソフトでも、或いはグーグルでもいいですし、もっと実感的には松下幸之助のパナソニックでもいいのですが、商品提供を通じた財の形成では、甲に向けた乙の支出は「商品」「サービス」と言った形での「乙の利得」との価値の等価交換が成立しています。

 これに対して金融マーケットでの稼ぎは結局のところ利ザヤであって、そこには概念としての「価値」以上のものは存在していない。共同幻想にすぎぬ「価値」を「カネ」に換算しているわけです。
 ある意味これは、非常にゲーム的ですね。コンピューターのゲームでパラメータを上げるのに、とてもよく似ていると思います。

 面白がっている場合ではないのですが、それでも面白いと思うのは所謂「格差容認論」を、一種の「一攫千金のチャンス」的に受け止めている様子が感じられることです。少なくとも、霞ヶ関や永田町あたりで音頭を取ってる人たちは、そういうイメージ戦略でやってますね。社会の閉塞感(今のままの世の中のありようでは、もはや虹を掴むことも雲に乗ることも適わぬ)を、巧いこと逆手に取った手口です。

 しかしそうした政策方針は、収入格差の固定化・社会階層化を生じさせることは理論的にも歴史的経験則からも明らかですし、そしてそれが社会不安を強め最終的に国家の存立すら危うくしてきた実績もあるのですから、すこし歴史に学べば容易に判るはずなんです。
 日本の教育水準ならば、旗振り役の「成功者を嫉んだり有能な人の足を引っ張るな」なんてセリフが幼稚で的外れな目くらましに過ぎないことなんか、誰しもすぐ見破れるはずなんです。その程度の教育は受けているはずなんです。

 それにも拘らず、あんなデマゴギーが大手を振ってまかり通っているさまを目の当たりにすると、何というか、凄く皮肉っぽく「戦後教育って言うのは、こういう政治方針をおかしいとも思わず唯々諾々と支持しちゃう層を涵養するのが真の目的だったんだな~」とか考えちゃいます。

プロフィール

「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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