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2006年04月22日

アルファ・ブレラ2.2試乗

アルファ・ブレラ2.2試乗 僕にとってブレラは不思議な形の車だ。モーターショーでの初見では最悪の印象だったのだけれど、ディーラーに展示されている姿を見たときにはまぁまぁ恰好いいかなと思い始め、きょう見たときには中々カッコいいじゃんなどと感じている。とは言え好き嫌い(欲しい欲しくない)で言えば、代替わりしたGTVのほうがずっと好きだったりするのだが。

 しかしながら興味があることは間違いなく、環8沿いのディーラーまで試乗に行って来た。この日用意されていたブレラは、2200ccの自然吸気エンジンを積んだうちでも上等な、屋根がガラス張りのモデルだった。



 環8の信号間際に試乗車の出入り口がある立地の関係からか、最初に店員さんの運転で、石原都知事の自宅あたりまで南下し、そこで運転を代わることになっている。
 助手席で様子をじっくり観察していると、まずこのブレラと言う車、随分と静かなことに気づく。外部からの音の遮蔽がとてもいい。折角スポーツ・カーなのに排気音まで高級車然として音源を遠く感じるのはちょっと寂しいが。
 それにしても車重がおおよそ1.6トンもあることとも関係があるのかもしれないが、4発エンジン搭載車とは思えないほど、上品に加速する。トルクは必要にして十分らしく決して「重くて非力」と言うわけでは微塵もないのだけれども、軽快な感じはしない。スポーツ・カーと言うよりは高級GTとでも評したほうが近いような印象だ。

 運転席に代わって、まずルーム・ミラーが殆んど用をなしていないことに驚く。前後は逆だが、まるでトーチカの銃眼の隙間から様子を伺うような按配で、後方の状況を知るには寧ろ助手席側サイド・ミラーに依存したほうがいい。このミラーがやや大ぶりで視界がいいことに救われる。椅子やハンドル位置の調整が細かく出来るので運転姿勢に難儀することはない。まあ、天井が低く左側のAピラーが側頭部に突き刺さるような角度で迫ってくるのは仕方ないか。

 実際に自分で走らせて見ると、この車の幅の広さに往生する。例えばロードスターも3ナンバー車なのだけれども、環状8号の片側3車線のレーンの中でも、それなりに「レーンの右より・左より」の位置を選ぶ余地がある。
 それがブレラの幅になると、少しのことで車体右側(助手席側)がレーンの白線をまたいで隣側にはみ出していたり、運転席側がレーン一杯一杯になってしまっていたりする。
 慣れと言ってしまえばそれまでなのだけれども、1レーンあたりの幅が狭い甲州街道だとか、路上駐車をすり抜けながら走る目黒通りのような環境では、結構神経を使わされそうだった。

 動力性能は、やっぱりGTっぽい。スポーツ・カーの標準をどこに置くのかにも拠るけれども、例えばロードスターのように軽快でダイレクトな感触を期待していると「あれれ」と言う感じになる。
 ただ、少なくとも1.6トン近い体をヨッコイショと動かすような重ったるさはない。モリモリと力の湧いてくるエンジンがグイグイ引っ張っていくようだ。4発エンジンにしては多少、6発エンジン的なマイルドさを感じさせはするのだけれども。

 それにしても、むかし運転させてもらったGTVとか156あたりと比べると、随分とソフィスティケイトされている。アチラが相当に機械を感じさせたのに比べて……なんというんだろう、高所作業用のゴンドラと高層ビルの高速エレベーターくらいの違いがある感じだ。

 悪くないなぁと思いつつも、正直なところアルファはこれでいいのだろーかという風にも感じている。輸送機械としての洗練度が高まったのは良いことなのかも知れないが、なんだかそのベクトルが競合他社――ありていに言ってしまうとBMWなんかと揃ってしまっている感じなのだ。
 ひところ流行った一芸入試ではないが、アルファ・ロメオってこれまでは、機械としての出来不出来では遅れを取っていても他に美点があって、その美点を高く評価する人にとっては他にない選択肢だったように思う。

 角を矯めて牛を殺すの喩えではないけども、国際標準の「いい車」になろうとして(実際なっているんだが)一芸的才能よりも偏差値で競争するようなことになっちゃってるんじゃないだろうか。
 ブランド車がそういう競い合いをすれば、やはりドイツ勢に一日の長があるわけで、長い目で見るとあんまりシアワセな結末には行き着かないような予感がしている。



 試乗後にディーラーで雑談していて教えてもらったのだが、ブレラの内装は今のところポルトローナ・フラウ製の「すっげぇ上等な革インテリア」が事実上のスタンダードの由。インポーターの在庫も販社の在庫もそればっかりで、「ちょっとだけ安い」チベット・レザーだとか布製の標準内装を所望すると、逆に受注生産的な扱いになって納車に時間がかかるのだそうだ。なんとも金満なことであるが、その辺もスポーツ・カーと言うよりGT的なブレラの性格を現しているのかもしれない。
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Posted at 2006/04/24 11:28:45

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