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2005年05月25日

「ベンチがアホやから野球ができひん」

「ベンチがアホやから野球ができひん」 1981年8月26日、甲子園球場。阪神タイガースの指揮をとっていた中西太監督(当時)の采配に怒り狂った江本孟紀投手(当時)は、ロッカールームに引き上げる途中で、かの有名なセリフを言い放ったとされる。
 実際にはスポーツ紙の記者の前で中西ら監督・コーチ陣を指して「アホやろあいつら!」「アホちゃうか?!」「もう野球できるか、あんなんで!!」と荒れ狂っただけ、らしい。

 ふと20年以上も昔のエモやんの台詞を唐突に思い出したのは、ここ一週間ばかりのニュースを見ていてのことだ。外務省のアジア太平洋局あたりの職員はエモやんみたいに叫びたいのと違うかなあ、と。
「総理がアホやから外交ができひん!」と。

 先週の終わりだったか今週の初めだったかに、公明党の神埼武法代表が小泉総理の靖国神社参拝に関して「自己の信念だけで行動するのではなく、大局観に立つ行動をしてもらいたい」と求めたのに対し「大局的見地に立って、個人の信条で」参拝を行う旨、反論したと報じられた。
まったく、還暦過ぎた爺さんが五つ六つのガキみたいなことを…。
 個人の信条についてどうのこうの口を差し挟もうとは思わないが、自分の「立場」ってもんくらい弁えて欲しい。
 ある立場なら許される行動や発言が、別の立場では許されないことが、この世の中なんぼでもある。

 例えば日本経団連の奥田会長(トヨタ出身)が個人の信条として「もう日本には軽自動車なんて必要ない」なんて公言したらどういうことになるか。経済産業省あたりの高官が「日本にはたくさん自動車メーカーがあるのにわざわざ外国から輸入するなどナンセンス」などと発言したらどうなるか。
 たとえ内心そう思っていても立場として絶対に口にしちゃいかんこと、やっちゃあいかんことは、あるのだ。

 まして問題は外交である。互いの資源権益を巡って日中は微妙な状況にある。国連の安保理常任理事国入りを巡ってもアジアの大国、中国を納得させることが極めて重要な課題だ。
 北朝鮮を巡る問題でも中国を味方に引き入れられるか否かで、ことの成否は大きく変わる。だからアジア太平洋局の外務官僚らは日夜努力しているだろうに、総理発言一つで首脳会談すっぽかされて日ごろの努力が水泡に帰したとの思いがあるんじゃなかろうか。
 幾ら信念信条であろうと、こういう時期にわざわざ相手から非難されることが分かりきっている発言をするなど、国益に反すると言うより他ない。

 大体、こういう局面で「内政干渉」などという外交上重大な意味合いを持つ語句を政治家が軽々に口にするなどは、論の外である。
 対ネパール、対モンゴル、対台湾問題においても中国の公式のスタンスは「内政干渉などしていない」ことになっている(そしてそのスタンスを日本政府は否定していない)のに、「口で文句を言っただけ」の靖国参拝事案が内政干渉に該当するなどと公の席で発言されれば、収まりのつこうはずがない。

 総理は皇軍に従い戦没した御霊に不戦を誓うのが目的だと言う。だが、それは内向きの議論だ。外の世界に通用する理屈にはなっていない。それでもこっちの言い分を通したいなら、むしろ相手の言い分を懐に飛び込んで受け止め、ひっくり返すポイントを見つけ出すのが上策ではないのか。
 相手の無理解を責めるのも結構だが、「理解しないあいつが悪い」では3千年も前から異民族と戦い交易を行ってきた歴史を持つ中国には通用しない。サンフランシスコ講和条約締約から半世紀以上も経つのに、今もってこの問題を外交カードに使われてしまう戦後外交の体たらくをこそ悔い改めるべきである。

 およそ60年前、「時運ノ趨ク所耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス」との詔勅があった。内閣総理大臣、小泉純一郎にとって靖国神社に詣でないことは、彼の信条において耐ヘ難ク忍ヒ難キことなのかもしれない。
 だが内閣総理大臣の立場にある人物が、極東アジアの平和安定や日本国の対アジア圏外交という国としての大方針と個人的な信条を天秤にかけて、後者に重きを置くようなマネをするようじゃあ困るのだ。
相手を正面から論破ないしは説得出来ないのならば「耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍」んで戦略的撤退をすることだって必要なのだ。
 自ら米百俵の逸話を引いて将来のために今の苦難を耐え忍ぼうと国民に呼びかけたのだから、自分自身も有言実行すればいいではないか。
相手の主張に膝を屈するのではなく、逆にその撤退を交渉の材料に使えばいいではないか。「以テ万世ノ為ニ太平ヲ開」く方が、よほど後世にも国際社会にも誇れる。

 ベンチがアホで野球ができひんかった球団は、その後リーグ最下位の常連と成り果てたものだが、総理がアホで外交ができひんからと言って、国がその徹を踏むのはホント、ご容赦願いたい。
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Posted at 2005/05/25 19:27:08

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この記事へのコメント

2005年5月26日 2:40
こんばんは。子供の頃、総理の家の近くに住んでいたゆきぞうです。

外交ルール無視でドタキャンバックレの中国も中国ですが、こういう事を平気でするとわかっていながらも、わざわざ逆なでする総理も総理ですね。「オレ流」は野球だけの世界にしておいてもらいたいものです。

ある年配女性と話をしていたら、実は総理とクラスメイトだったそうで、どんな人だったのかと聞いたら「クラスのハジっこできちんと座っているような、おとなしい人。ちょっと変わってた」との答えが返ってきました。

文学少女でもあった彼女は、国語の女性教諭のもとに通っていましたが、やはりおとなしく、礼儀正しい青年がよく訪れていたそうです。
社交辞令でしょうけれど「今度、ウチのヨットに乗りませんか」などと誘われたとか。

ある日、この青年が賞を取ったと知り、先生も喜んでいるだろうと駆けつけると「そうみたいね」と笑いもせずに一言だけ。
当時としては、彼が受賞した作品は、当時は破廉恥極まりないものだったので、先生はそれを許せず、その後は姿を見せなくなったのだそうです。
この文学少年が、現在の都知事です。
そして、今や文学少女の面影のカケラもない女性は、私の母親だったりします。(笑)

何かの事件で「いやぁ、あんな事をするような感じじゃなくって、おとなしい子だったよ」と近所の住人のコメントはよくTVで目にしますが、何か、強大なモノを手にすると人間は変わってしまうのでしょうか、それとも本性の暴走でしょうか。

この二人に限ったことではないのですが、リーダーシップを取る人間達に大人が持つべき冷静さや、器の大きさが欠如し、子供じみたワガママや思いつきで、普通の人々を巻き込むような出来事が多いような気がしてなりません。

コメントへの返答
2005年5月26日 13:10
人には意外なところで色んなつながりがあるものですねぇ。

実は僕、高校時代のクラスメートに「森ビルオーナーの息子」がいたんです。え?年齢が合わない?
でも彼の父が所有していたのは都内某繁華街に立つ雑居ビル1棟でしたが、その名前が森ビルでしたから、間違いなく「森ビルオーナーの息子」です。

そう言えば、後輩には安倍仲麻呂もいました。
え?年齢が合わない?
でも、彼の親がそう命名したんだから、間違いなく彼はホンモノの「安倍仲麻呂」です。

ああ、いま思い出した。
実家の近くには松本伊予が住んでいました!
ただ、近所の松本伊予さんは明治生まれの大変気難しい方でしたけど。
まだご健勝かなあ。

こうしてみると僕の人生は、なんだか「エノケソきたる!」や「見世物小屋の大イタチ」のオンパレードみたいですねぇ…。

それはそれとしまして、やっぱり人間、力を手にするとどこかタガが外れる部分ってあるのかも知れません。
なんと言うのかなぁ、例えば体育会系のクラブなんかでありがちな「1年雑巾、2年奴隷、3年神様」みたいなもので、劣等感がそのまま裏返って優越感に転換するような感じでしょうか。

 なんだか、世の中全体に、そういう種類の優越感に浸りたがる空気、他者を見下すことによって自分の尊厳感情を満足させえようとするかのような雰囲気が、広がってきているような気がしています。
 そういう子供じみた欲求を充足させるには、大人が持つべき冷静さや、器の大きさが欠如し、子供じみたワガママや思いつきで行動するような人物こそがリーダーとして相応しいのかも知れません。
「勝ち組み・負け組」みたいな二元論(バブル期の「マル金・マルビ」とはかなり趣が違うように感じています)が流行るのも、根っ子はそのへんにあるような、ないような…。
2005年10月19日 1:01
小泉チルドレンまでこぞって参拝にいってしまいやがりました。。
ここまで来ると情けないの一言に尽きます。
しかし、民営化を問って解散するのなら、靖国参拝を問ったり、イラク派兵延長を問って解散するべきだし、。
そう考えると、ますます民営化だけを焦点にした解散の理不尽さが募ります。
コメントへの返答
2005年10月20日 12:43
ま、抱き合わせ販売ですから…。
それにしても、小泉さんはこの期に及んで(というか今のこの時期に)靖国に眠る護国の鬼にいったい何を伝えに行ったのでしょう。
 
 彼自身が自覚していたか否かにかかわらず、この時期の彼の靖国参拝は、外交上のサインとして周辺諸国に対して非常に危険なメッセージを発していると受け止められかねないものがあります。

 つまり、自身の発案に背いた者は身内議員であろうともお構いなしに「粛清」し、選挙でも大勝した。なおかつ、発議した法案は思いのままに可決成立させた。つまり、小泉が「こうだ」と決めたことは、とりもなおさず日本国の今後の進路とイコールになりうる状況下にある。
 そうした中で、内外の批判がやまぬ(それどころか今年の春先には大規模な反日デモや破壊活動まで引き起こした)靖国参拝を行うと言うことは…。党の憲法調査会でも、答申案が固まりつつあるタイミングでこれを「強行した」ことから汲み取りうる政治的メッセージは…。

 受け止める側が、この一連の動きをどう評価するのか。外交の実務当局はどうするつもりなのか。ちょっと真剣に目を凝らしてみたほうがいいかもしれないと思います。

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