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2004年09月08日

空想科学アウディ (Audi RSQ)

空想科学アウディ (Audi RSQ) アイザック・アシモフが著したSFの古典「I, Robot(邦題「我はロボット」)」を原作とした映画が9月18日から公開されるそうだが、その劇中に登場する未来車「アウディRSQ」が、日本で一般公開された。
六本木ヒルズのアートウォークで今日一日限り(朝九時から夜11時まで)の展示であるとのこと、仕事のついでに物見高く眺めてきた。

Car Design Newsなど自動車デザイン系のサイトでは、すでにプレス発表された際の写真が公表されていて、個人的にはタイヤ部分にふたをした何やらヌメっとした蛞蝓(なめくじ)のような異様なスタイルに気色悪さすら感じていた。
けれど、やはり立体モノというのは現物を見てみないと判らないものである。実際、自分の目でじかに見たRSQは、タイヤ部分の「蓋」を除けばとっても常識的なプロポーションをした、とてもアウディらしいスタイリングのカッコイイ車だった。

露天に展示されたRSQの回りには、制服の警備員のほか、恐らく映画配給会社か広告代理店あたりから派遣されてきたとらしい20代の青年たちが配置されていた。
RSQの素性について2、3尋ねてみるが余り詳しくはない模様。でも「これを(パリサロンに先駆けて)日本で特別に展示する理由って、やっぱりアウディ・ジャパンの販売梃入れの意味もあるんじゃないですかね?日本市場撤退まで検討してたくらいだから起死回生ですよねえ」などと水を向けると苦笑しながら「まあ、そう言う側面も確かにあります」。
…となるとアウディ・ジャパンの社員だったのだろうか。

展示車の周りを、他の人たちがするようにぐるぐる回りながら観察し写真を撮っていると、ドアが勝手にスルスルと開いていく。自動ドアのギミックが組み込んであるのだ。
周りの様子を見ると、ジャケットのポケットから怪しげなリモコンを取り出した欧米人の男性がいた。どうやら彼はアウディのスタッフらしい。ず~っと渋面で退屈そうにしていた彼に話し掛けるカップルがいたのでそれとなく聞いていると、英語で会話をしている。

独逸語だったらお手上げだが、英語ならまぁまぁ判らないこともないので、ちょいと合間を見て幾つか質問をさせてもらった。
するとまぁ、喋る喋る。しかめっ面した気難しそうな印象とは裏腹に実に気さくでフランクな人物だった。
察するに彼が退屈そうに渋面を作っていたのは、周りの人からコミュニケーションを求められず、ただただ突っ立っていることにウンザリしていたからなのだろう。

それはそれとして、彼に教えてもらったのはこんな感じのこと。
惰 眠:「このRSQは実際に走ることが出来るのか?」
男 性:「この状態ではドアの開閉同様に油圧で車輪を引き込んでいるが、タイヤを数インチ出すことで自走できる。ただ、劇中ではその必要がなかった」

惰 眠:「ベースになった車両は何かあるのか?例えばA3とか…」
男 性:「ノー。ベースにした車両はない。これは純粋にフィルムのためのみに開発されたもので、2035年のアウディならこういうデザインになっているだろうということを、フィルム会社からオファーを受けたドイツのスタジオスタッフらが考え抜いて作り出したものだ。だから、RSQについて『動力源は何か』などということを問うこともナンセンスだと言える。何しろこれは2035年のアウディなのだから。フューチャーカーと言うと、とかく既存の――或いは過去の自社ブランド製品の歴史的なデザインの要素を取り込んでしまいがちだ。けれども、RSQでは新規のブランドアイコンである『モノフレーム・グリル』を採用してはいるが、その他は全て、2035年のアウディならこうなるだろうと想像し、今までなかった形であるけれど間違いなくアウディであると見えるスタイルに仕上げた、新しいものだ」

惰 眠:「なるほど、これはアウディ以外のなにものでもない。しかし(過去のコンセプトカーである)ヌヴォラリに似ているように思うが?」
男 性:「それはノーだ。いや、ノーでありイエスでもある。過去にあったものに範を取っていないという点でノーであり、全く新しいものでありながらアウディのブランドを体現するスタイルを作り上げていると言う点でイエスだ。そうそう、よく『この車はいつ発売されるのか?』と聞かれるが、RSQはそう言うものではない。これは「いまの時点で想像した2035年」なのだから。」

ホントにまあ、喋ること喋ること。
取材に来ていたテレビクルーも、折角なんだから彼に話を聞けばよかったのに。
それはともかくこのアウディRSQ、行き交う人たちからの注目度は抜群だった。

※後日談
RSQのガジェットを操作していた兄さんはああ言ったものの、やっぱりこのスタイル、どこかで見た憶えがあるんだよなぁと思っていたところ、案の定ネタもとと思しきコンセプトカーに行き着いた。
昨年の東京モーターショーにも展示されていたアウディの「ル・マン」コンセプトだ。
数葉撮影した当時の写真と見比べると、特に顔の造作やシルエットなどに共通する要素が多々見受けられる。言ってみれば、RSQは映画向けがジェットを仕込んだ「ル・マン」のアドバンスト・バリエーションみたいなものなのかもしれない。
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Posted at 2004/09/09 13:18:53

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