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2006年12月14日

三宅島で公道レース、ねえ……

三宅島で公道レース、ねえ…… 来年の4月下旬に任期が切れる東京都の石原慎太郎知事が旗を振って、来年11月にも三宅島で公道レースを開催したいらしい。というか、都はその準備に向けて予算措置をする方針を決めたと報じられている。

 のりもの好きの一人として、個人的にはこういうイベントが実現するならば歓迎したい気持ちはある。三宅島にしばらく滞在して、島の外周道路を走り回った経験を思い出しても、たしかに山岳路然とした(まあ、島と言うのは海底から突き出した山の頂上部分なんだけど)コースは面白かったし。

 雄山噴火の被害が仮になかったとしても、くさやと明日葉とカメノテとダイビング以外にとりたてて産業のない三宅島の経済にとって、都が後ろ盾になって開催される大型イベントは確かに観光客誘致の目玉として大きな期待を寄せたいところだろう。

 ただ、様々な懸念材料と照らし合わせてホントに実現できるのかと言う可能性を考えると、どうもこう――3期目への出馬を表明した石原知事の、人気取りのニオイが鼻についてならないのだ。

 そもそも、今の三宅村に開催費用として見積もられているおよそ3億円を拠出できるだけの経済的な体力があるのか。仮にあったとして、島民の日々の生活に直接的に資する目的にではなく、一過性のイベントのためにそれを費やすことが果たして妥当なのかどうかと言うことも考えなくちゃあいけない。

 島に二つある港の一方は、確かまだ火山ガスの危険地帯に含まれているために(土石流による損壊は修復されたんだっけ?)運用できなかったはずだし、同様に空港もまだ使えない。自然現象に由来するこうした問題点が1年後にはクリアされてる保証はない。
 仮に空港と港湾の両方が使えるようになっていたとしても、ちょっと風の具合が悪いとすぐに降りられなくなる航空便や、竹芝桟橋から東海汽船でほぼ丸一日かかる最大定員1700人少々の船便など、交通関係の隘路はいかんともしがたい。空港ロビーなど、30人も人がいれば大入り満員になってしまうのである。

 いまだ火山ガスの噴出が続いているような状況で、島を一周するコースをちゃんと走らせられるのか。そんな状況下で出走するエントラントを、どの程度確保できるのか。上手く確保できた場合、それじゃ今度は宿泊施設はどうするのか。島外からの客人が飯にありつく食堂は足りるのか。

 公道レースだからと言う点は多少割り引かなくちゃいけないにしても、既存の三宅島外周道路の幅は、決して広くはない。事故が起こりそうなポイントで、しかしエスケープが全く取れないような条件の所も――元々ただの生活道路だから当たり前なんだが――あちこちにある。抜きつ抜かれつでエキサイトすると、大げさでなく人死にが出かねない。

 事故が起きた際の救命救急体制も、既存の医療機関では対処しきれないだろう。離島と言う条件も、緊急に高度の医療を施す必要がある受傷者にとって、ネガティブな要素だ。
 そのためにアドホックで医者を(旗振り役の都知事が『レーサーなんだから事故で死ぬのは当たり前』なんて思ってるのではない限り)招聘する筈だけれども、むしろ高齢化の進む村の、常日頃の医療体制を強化してやる方面にするのが行政の果たすべき役割なんじゃないのかなあと、どうも首を傾げたくなってしまう。

 都知事と村長はこれら問題を一つずつ解決していくと宣言しているようだけれども、残り1年に満たない期間で片付けきれるものなのだろうか。面白い企画だけれども、いま行政が三宅島でやるべきことは、公道レースじゃないと思う。
 なにも来年でなくていいじゃん。5年くらいかけて島民の生活や村の経済基盤を立て直してから、万全の準備でやれば十分じゃん。なんか金の遣い方やタイミングが間違ってる気がするんだよなあ。

 それともやっぱり、4月の選挙で若い有権者に自分への投票を訴える材料として、11月のバイク・レース開催は譲れませんかね。
ブログ一覧 | 自動車関係のイベント | 日記
Posted at 2006/12/15 11:53:57

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この記事へのコメント

2006年12月16日 19:19
三宅島で公道レース、、ということで、自分は真っ先に「マン島TTレース」を連想したんですが、マン島・・に関しては、今は亡き大藪春彦先生の確か「汚れた英雄」の中で知ったような経緯があります。

おそらく、石原都知事もマン島を意識されて、こういうイベントを思いついたのだらうなぁ。と、昔はライダーだった自分としては、流石だなぁ。。と関心いたしました。

ライダー時代には散々、大型ディーゼルに黒煙を浴びせられた自分は、その黒煙を見事に無くしてくださった石原都知事には足を向けて寝ることができない程感謝しておりますので、その都知事の肝いりで開催される三宅島版マン島TTレース??を是非実現して頂きたい!そう思って少し調べてみたのですが、、、

う~ん。。困りましたねぇ。。これは。。来年、富士SWで開催されるF1に関して、地元の小山や御殿場の皆様方はインフラが充分整備されていないことなどから、色々とご心配されてる方が少なくないようですが、三宅島の場合はそれを遥かに上回る懸念、、というより問題山積という感じですね。。

どういうカタチのレースイベントになるのか?という情報は、自分がサッと調べた限りでは分かりませんでしたが、マン島TTレースというのは非常に歴史も格式もあるレースというように聞いておりますので、それを目指すのであれば、事を急ぐべきではないと思いますね。何より三宅島の方々から喜ばれるレースでなければいけません。正月に開催される「箱根駅伝」くらいのご理解ご協力がないと「三宅島の為」にはならないと思います。

惰眠さんのご指摘のように、充分に時間をかけ基盤をしっかりさせてからやるべきだと思いますね。そうでないと「派手な一発打ち上げ花火が暴発!」なんてことになり、三宅島の方々までが火傷をする可能性も否定できませんので。。
コメントへの返答
2006年12月17日 15:59
僕も真っ先に連想したのはマン島のレースでしたが、実際石原都知事もそれを念頭において発想したことのようでした。

 地元振興の一助になると言うのであれば、特に三宅村の置かれている状況からして、否定的に見るのは憚られるのですけれども、やはりものごとには優先順位と言うものがあるだろうと。

 本文を書いたあと少し調べてみると、島の現在の状況は僕が考えていたよりも相当程度、元に戻ってはいるようでした。
 しかし、それでもやはり順序としては、レース・イベントを新たに持ち込まなくとも安定的に島民の生活が営めるような各種施策を、十全にすることが先決なのではないかと思えてなりません。

 一過性のイベントのために、村民の生活が上を下への大騒ぎになって『普段の暮らし』が大混乱するようなことになっては、やはり本末転倒でしょうし。

 なんとも拙速だなぁと感じられてなりません。

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