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2007年02月22日

「ダメ、絶対にダメ!」

「ダメ、絶対にダメ!」 今月の初頭から、このブログのPV(ページ・ビュー)数の履歴に妙な傾向が出ていた。毎日毎日、過去の特定のエントリーがほぼ一定の回数閲覧されているのだ。対象となっているエントリーは、昨年12月14日付でアップした三宅島公道レースに関する記事だ。
最近取り立ててニュースで扱われた話題でもないはずだし、なんだろうかと不思議に思っていたのだけれども、今日ようやく、どうもその原因とおぼしきことが判った。

 昨日付けのオンライン版夕刊フジ(ZAKZAK)の記事に「慎太郎にダメ出し…三宅島公道でオートバイレース構想」という見出しのものが掲載されている。それに拠ると三宅島公道レースを東京都と共同主催するMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)の依頼を受けて現地調査を行ったホンダワークスのOBライダーが『「絶対に公道レースはやってはいけない」と結論づけ、「小さくてもいいからサーキットを作るべきだ」と提案』したとされている。(二重カッコ内太字は記事引用)

 MFJに調査検討を依頼されたワークスOBは宮城光氏という人物。僕は二輪の世界にはまったく疎いのだけれども、ちょっと調べてみると「幾つ年間チャンピオンを獲得してるんだ……」と言うくらい華々しい戦績を持つ人だと判った。
 その人が今月5日に自身のHPのBBSで「三宅島公道レース開催は絶対中止すべきだと考える」と明言しているのだった。大体だけれども、過去記事の閲覧がコンスタントに発生し始めた時期と重なる。

 さて、これをどう受け止めたものか。僕は2輪車乗りではない。けれども、4輪車でなら自分の運転で三宅島外周道路を走り回った経験がある。率直に言って、この周回道路を自分の車で存分に走り回れたらどんなに素敵だろうと感じた。ここでレースができたらいいだろうなあとも思った。でも、周回道路を走りながら、それは無理だろうとも思っていた。

 例えば、相模湖東インターで中央道を降りて国道20号線を西進、相模湖駅前交差点を左折して湖畔に向かうコースを、レース・スピードで競い合いながら事故を起こさずに走り抜けることができるだろうか?
 三宅島の外周道路をコースにするというのは、道幅などの条件も含めて、それにかなり近いシチュエーションを繰り返すと言うことでもある。

 三宅島の公道(生活道路)でレースをやりたい。大いに結構。ならば、レースを実施するに十分な安全措置を講じなさい。それには、どのくらいの水準の安全措置が講じられれば十分なのだろうか?

 サーキット・レースでも死人が出ることはある。しかしそれを「仕方がなかった」といい得るのは、考えうる最善の予防措置を講じてなお、それでも回避し得なかった場合のことだ。
 仮に、公道でやるのだから安全レベルがサーキットよりずっと低くて構わないと参加希望者が言ったとしても、残念ながら社会はそれを容認しない。死亡事故が起これば、「主催者は危険性を認識しながら十分な対策を講じないままレースを強行した」となる。

 そこで改めて。では、どのくらいの水準の安全措置が講じられれば十分なのか?
人が死んだ時に「可能な限りの措置は取ったんだけれども不幸な結果を避けられず残念だ」と言えるのか。賛成、反対の分水嶺はそこにある。
 前出の宮城氏はサーキット・レースと同等の水準でなければダメだと考えているようだ。そして物理的にそれが実現不可能だから公道での開催は「ダメ、絶対にダメ!」と結論したのだろう。

 小林ゆきと言うモーターサイクル・ジャーナリストは自身のブログで、レースに危険は付き物、エントラントはそれを承知で参加する、別にレースでなくても車やバイクの事故は起こる、危険だと思うならば参加しなければいいとしている。宮城氏に比べて、安全対策の水準が低くても構わないというスタンスだ。

 僕は宮城氏の考えを支持する。リスクがあるのならば、可能な限りそれを遠ざけるべく措置する。そしてリスクが現実になったときでもダメージを最小に留められるように措置する。そして――それができないのならば、リスクを犯すのは止めなくてはいけない。
 出走者がリスクを承知だったかどうかの問題ではない。社会的な責任や公共の秩序・善良の風俗(公序良俗)とは、そういうものだ。個人が冒険に挑むのとはわけが違う。行政組織の名においてイベントを行うならば、細心にも細心を重ねるべきなのだ。
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Posted at 2007/02/22 18:20:52

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この記事へのコメント

2007年2月22日 18:54
実はこの件に関する情報は昼頃、たまたま他の方のみんカラブログで知りました。

自分はツーリングライダーでしたが、宮城光の名は彼が現役だった頃のライダーで知らぬ者はいなかったと思います。

それにしても、現場の事を誰よりも一番良く知っている彼ら(宮城光、難波恭司両氏)の提言を全く無視して事を運ぼうとしている東京都は、モータースポーツの現場を全く知らないから仕方ない??としても、MFJまでが同じスタンスなのは驚愕のあまり背筋が寒くなります。神谷忠ロードレース副委員長という方は、自分の記憶が正しければ、宮城や難波と同じライダーだったはずですので。。。
コメントへの返答
2007年2月22日 20:12
二輪の話は全く疎くて氏の名前も知らなかったのですが、戦績を見ると「彼が現役だった頃のライダーで知らぬ者はいなかった」のも頷けます。まさにヒーローですもんね。

 ZAKZAKの記事そのものに関しては、僕は話半分で読むべきだろうと思っています。
 と言うのも、あの記事を書いた記者は宮城・難波両氏には取材していても主催団体側の東京都とMFJに取材をかけた形跡が(少なくとも記事本文には)ないこと、公道レースに否定的なホンダ広報のコメントは引いているのに、スズキやヤマハ、カワサキのコメントを掲載していないところに意図的なものを――敢えて言うとアンフェアさを――感じるからです。
 宮城・難波両氏以外には取材をしなかったのか、或いは意図したのと逆の回答が寄せられたのか……。

 記事による限りでは都もMFJもなしのつぶてのようですが、好意的に解釈すれば「どのような対策を講じるか・講じうるか」を検討している最中なので返答できる段階まで至っていないからと見られないこともありません。
 両氏の報告・レポートを事実上黙殺している形になっていることは問題なのですが、その理由部分はきちんと取材してから記事にして欲しいところだな、と僕は思います。

 ただ、主催側の現状での対応がどうであれ、僕は現場のプロである宮城氏が「危険だ、やるべきでない」とした判断には(自分が走ったときの印象からしても)理があると思いますし、ならばやはり公道での二輪レース実行は取りやめるべきだと思います。

 でも今の都知事は人の諫言を聞こうとはしない人のようですから……死亡事故が起きてしまってからじゃ取り返しがつかないと思うんですがねえ。
2007年2月22日 22:19
こんばんわ(^^)

僕もどちらかといえば最初からこのレース構想には懐疑的で、二輪よりも富士やオーストラリアなどでやってるようなエコカーレースのほうが良いのでは?などと考えている者なので宮城氏支持派なのですが、そもそも石原知事は「やる」ことを前提でネガな意見もどんどん取り入れるために専門家の意見を聞くつもりなのだろうとも思っていたので、今の成り行きを「ああやっぱりな」というスタンスで見ています。

イエスマンばっかり集まったら昨今しばしば第三セクター等で表面化しているようなあまりにも楽観的で甘い計画見通しがそのまま通ってしまいそうで怖いですし、ちょっと五月蠅すぎるぞ!と、煙たがられるくらいの人が計画・運営の中核をがっちり固めてくれて、危険なところが多々あることをちゃんと認識した上で最善を尽くしてくれるくらいがちょうどいいとおもいます。 もちろん100%安全なプランは無理としても。

そんなわけで、このレースを本気で開催するつもりなら、今回強硬に反対した人たちをむしろ積極的に計画の中核として招致していただき、イエスマン達をサポートにまわすくらいにしていただきたいと思っています(^_^)

もし「反対した人、苦言を呈する人は運営から出ていけ~」などと言ってるようなら石原知事の器もしれたもの。 是非とも計画中止にしてほしいと願いますが(^^;

長文乱文失礼しました(_ _)
コメントへの返答
2007年2月23日 1:22
コメントありがとうございます。

僕の場合はどちらかというと、三宅島の復興に資するためという大義名分を掲げているのならば、お金の使い方としてこういうイベントを唐突に立ち上げるのが本当にベストなのか?という疑問が一番最初に来て、次いでやるにしても安全性やロジスティックスの点で隘路はないのか?との疑問が来る感じでした。
まあ、総じて「無理だろ、それ」というスタンスですね。

今回は主催者に依頼されて現地調査を行った、2輪レースのプロが「危ない、無理だ」と発言しているのを――そして彼に調査を依頼した主催者側がキチンと反応していないらしいことを目にしたので、こういうエントリーになったしだいです。

プロの目から見て絶対にダメだと言われるほどの危険性を、それでもクリアできるのならば是非とも開催してもらいたいものですし、もしそれができないのならば、これは断固開催するべきではない。そう思います。

仮にこのレース・イベントを主催するのが石原都政下の東京都ではなくて、太田哲也を死なせかけたテレビ東京主催だったとして、それでもみんな「是非やれ」って言うのかな、「またテレビ局がカネのために人命を弄ぼうとしてる」って言わないかな、とも感じますし。

おっしゃるとおり「危なすぎて無理だ、ダメだ」と言う人の意見をキチンと汲み上げなくちゃいけないですよね。そうして、問題点を全部クリアして、大手を振って開催すればいい。
黙殺するなんて姑息なことは、やったらアカンと思います。
2007年2月23日 0:03
小林ゆきさんは、マン島で亡くなった前田選手と親交のあった方ですので、故人の公道レースにかける想いをくめば、絶対に反対とも言い切れない立場かと思います。また、タダでさえ危ないと誤解される二輪ですし、媒体経験者としてマスコミの怖さを知っているので、何かあった時に「ほらやっぱり二輪は危ない乗り物だ!あんなもんは社会悪だ」という風評が立つことを懸念しているんじゃないかと思います。

実際、私も二輪業界にいた頃には、二輪のことなんかコレっぽっちもわかっていないような人達が重要なポジションに着いておりました。(昔、惰眠さんが話してましたドコゾのチャンネルのように、マトモな人が残れないのです)ライダーが死んでも「何だよ、アイツ死んじゃったのかよ。やばいなぁ、ウチ的に…」としか思わないのです。当然、二輪になんて30年近く乗ってないとか、そもそも乗ったこともないとか。商売的によければいい。

宮城さんも小林さんも、そういう連中とは違って「好き」で仕事をしている人であり、自分が愛する世界に確実にある「悲しみ」を知る人です。復興という大義名分の下、単なる金集めの道具に利用されるのにいい気がしないのは同じなのだろうと私は思います。

しかし、やっぱりどーーーしてもやるんでしょうかねぇ。。。東京マラソンとは訳が違いますよ。「まぁ、失敗しても離島だからいいか」そういう考えなんでしょうか。
コメントへの返答
2007年2月23日 1:39
小林氏の記事を読んでいて、そのあたりちょっと難しいな、とは僕も思いました。ただ――やっぱり、ああいう理屈立てを通用させちゃあいけないと思うんですよ。曲がりなりにも「ジャーナリスト」を掲げる人であるならば。

特に、マスコミの煽動と、それに煽られた「善良な」世論の怖さを知っているのならば、『リスクがあるからといって止まっては進歩がない、リスクに挑まなければ』なんて、絶対に口にすべきではないと思います。
下手すりゃ心臓移植を強行して殺人罪に問われた『和田移植』事件みたいに、すべてを台無しにする結果にだってなりかねないんですから。

だから小林氏には、亡くなった前田選手との親交がありその思いを汲みたいとの気持ちがあるならば、『何かあったらまたマスコミに騒がれる』みたいな視点ではなく、『よろしい、宮城さんがそう言うなら指摘された問題点を全部乗り越えて見せようじゃないか』との方向に論を向けてもらいたいのです。

まあ、主催団体の一番偉い人は「死んでもいいと思ってる奴らが参加して死ぬんだから問題ない」的な粗雑な考えをしてるっぽくて危なっかしいのですが。
仮にエントラント自身がそうでも、死亡事故が起こったら遺族は黙ってないでしょうし、警察だって動きます。
それで公判が請求されたら、本文に書いたような形で主催者責任を追及されるだろうに、石原都知事ってば会見で披露したような俺様理論が法廷で通用すると思ってるのかなあ。思っていそうだなあ。

いずれにせよ、参加者の『覚悟』に甘えて主催者が果たすべき責任のハードルを下げるような真似は、絶対にダメだと思ってます。

プロフィール

「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
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