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イイね!
2007年05月09日

バイオ酒精入りガソリンとマヨネーズ

バイオ酒精入りガソリンとマヨネーズ 先日の夜、見るともなく見ていたテレビから流れてきたニュースで、メキシコで主食のトルティーヤが庶民の食卓から遠のいているという話をやっていた。トルティーヤはトウモロコシを粉に引いて焼いた、ナンとかパンとか、そういう感じの食べ物だ。トウモロコシの値段が上がってしまって、もはや庶民が主食にするにはしんどい水準にまで来てしまっているのだとか。

 他のことをしながら音声だけ聞いていたのだけれど、これって洒落にならないんじゃねーの?と思い始めたのは話が核心に迫り始めたあたりから。
 トウモロコシの値段が上がったのは「食用として市場に出回る供給量が急速に減少しているから」だという。そしてそうなった理由は、アメリカ政府の燃料政策の転換――平たく言えば、バイオエタノール・ガソリンの振興にあるという。

 食い物として売るよりも燃料の原料として出荷した方がイイ値段で売れるし、しかも需要増を見込んだ元売各社から生産農家へのアプローチも盛んなので、実入りのいいほうを選べば食卓に回す分がなくなる、そういう循環に陥っているということだ。
 食料自給率が確か3割程度で、主食の米は兎も角としてそれ以外の穀物だの肉だのなんだのを尽く外国からの輸入に依存しているわが国にとって、他所で起きてることだと傍観してらんないだろ、と思ってたらマヨネーズが1割ほど値上げだと言う。原料の植物油が、やっぱりバイオエタノール燃料需要と食い合って価格が上昇、いまの値段じゃ商売にならなくなってしまった由。

 突然、ガソリン消費大国がエコに目覚めると色々と迷惑だなぁなどと思っていたが、どうもそれも話が違うらしい。エコに目覚めたのでバイオエタノールへの転換を進めているのではなく、中東でのアメリカの地位がヤバくなってきて将来の供給に不安が出てきたので、燃料のソースを切り替えようとしているだけだとの説が、どこかに掲載されていた。今もって京都議定書の調印を渋る合衆国のこと、さもありなんと思う。とことん手前の都合だけなわけだ。

 で、まあ、日本でも最近小売が始まって、こっちでは一応「環境に優しいエコ」であることを(割と控え目におずおずと)謳い文句にしているようなのだけれども、その理屈と言うか仕組みを考えると「エコ?」って感じになってしまう。
 詳しくは関連リンク先で説明しているけども、元売各社が自信なさげなのも頷ける。そういう理屈立てをすれば、そうと言えないこともないかもねって程度のエコなんだもの。

 と言うか、北米の大国がこういう具合に燃料政策の舵を切ったことって、逆にエコロジー(地球環境保護)の観点からは極めて致命的な事態を引き起こすトリガーになるんじゃないかって懸念が頭を去らない。
 アメリカが高値で引き取ってくれるトウモロコシを大量供給するために、いまはまだ食卓からトウモロコシや、それに関係する食料品が(主として価格の理由から)遠ざかるだけで済んでいる。けれども、次には必ずや、トウモロコシの増産、そのための農地拡大がやってくる。だって、儲かるんだから。中南米は、貧しいのだから。
 そのために、この地球と言う星の生態系に酸素を供給する一大拠点であるアマゾンの密林地帯が、今にも勝る速度で急速にトウモロコシ畑と化して消えていくことを心配するのは、果たして杞憂だろうか。僕は、少なくとも楽観できる話ではないと思っている。
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Posted at 2007/05/10 14:24:46

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この記事へのコメント

2007年5月10日 23:58
これJAF MATEでもサトウキビのバイオエタノールについて取り上げていましたが、実際はあまりエコにつながらないそうですね。
特に惰眠さんが仰るとおり、原生林を開拓していって、輸送費やら殖産やらでエネルギーがかかり、更に全体にはCO2が増える可能性があるんだそうで。
おまけに、先物やら投機にも活用されるものだから、ますます高価になってしまって、食品としては手に入りにくくなりそうですね(ーー;)
コメントへの返答
2007年5月11日 10:40
ああ、やっぱり大してエコじゃないんですか。元売各社よりも、なんだか媒体(テレビとか雑誌とか)の方が勝手にエコエコ盛り上がっちゃってる感じもありますね。黒井ミサじゃあるまいし。

 化石燃料を燃やしまくることのリスクは既に言われていることですが、僕はやっぱり、大原生林が焼き討ちに遭うリスクの方が深刻かつ重大で喫緊の危険だという風に感じます。

 食い物は、マリー・アントワネットじゃないですが、まだシフトが容易いですけど、生態系や環境なんかは替えがきかないんですから。
2007年5月11日 0:17
自分が農家なら絶対燃料用の作物を作りますね。
農薬+遺伝子組み換え作物なら手間と収量がかなり違ってくるはずです。
オマケに高値であれば言うことありません。

今のところ有機栽培作物を原料とするバイオ燃料を珍重する風習も、遺伝子組み換え作物を原料とする燃料を嫌う風習も無いようですしね。

『農薬+遺伝子組み換え作物』は米国の得意分野だ。
コメントへの返答
2007年5月11日 10:55
僕も自分が農家だったらそうするでしょう。生活かかってきますし(笑)。
それに味とか見た目とか、燃料用にするなら関係ないですもんね。

 それにしてもセブン・シスターズ+穀物メジャー、ですか……。アイルランド独立闘争で英国に処刑されたジェームズ・コノリーの演説が思い起こされます。
 いわく「あしたイギリス軍を追い払い、ダブリン城に緑(=アイルランド)の旗を掲げようとも、社会主義共和国を組織しない限り、我々の努力は無に帰する。イギリスは、その資本主義者を通して、その地主を通して、その金融家を通して、彼らがこの国に植えつけたすべての商業的で個人主義的な制度を通して、私たちを支配し続けるだろう」。
 いまの南北米大陸諸国の(米大陸に限ったことじゃないですが)関係性そのまんまって感じですね。もう100年近くも前の演説なんですが。

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
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