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2002年12月03日

アンドロイドな電気自動車の夢を見るか?

アンドロイドな電気自動車の夢を見るか? 昨日来のニュースで、政府が燃料電池車のリースを受ける話題が取り上げられ(きょうは試乗会まであったそうだ。ちょっと、乗ってみたかった)ているが、こういう技術が現実の商品になるためのハードルは高いなあと思わずにいられない。歴史的に見れば電気自動車はガソリン車よりも先に誕生しているにもかかわらず、21世紀の今日ですら未だに「将来の」と言う冠詞が必要なのだ。色んな意味で一般消費マーケットにはまだ降りてこない(来られない)技術だと言うことだ。

 なにしろ、今回官庁に納入された2車種は、リース料がトヨタで月額120万円、安いホンダでも80万円だというのだ。年額ではない、月額だ。霞ケ関官庁街でも緊縮財政が叫ばれる中、都心一等地にある広大な外国人向けマンションが借りられるほどの金を払って、できることといえば、そこいらを走っているガソリン車と同じかそれ以下…。違いといえば、水素を入れて電気で走ることだけ。そう言えば昔、木炭で走る車もあったなぁ…

皮肉を言えば、この年間4800万円の予算計上は壮大な酔狂である。

 もちろんこれは産業振興策の一つであるし、電気自動車(EV)普及に向けた啓蒙活動の一環であるとも言えるわけで、金額やスペックだけを切り取って云々するのは間違いだということは判っている。
 EVの広報啓蒙といえば、会社の近くにはJEVA(財団法人日本電動車両協会)なる団体が運営する「電気じどうしゃ館」とか言う展示施設があってEVや関連部品、周辺技術についての展示がされている(写真)。しかしこの展示施設、いつ見ても立ち寄る人はほぼ皆無だ。専従の職員もいるようなのだが、こんな勤めで給料が出るなんて羨ましくさえある、と言うのは冗談。
 この財団法人は自動車製造他のメーカーが会員に名を連ねているが、消費市場の拡大策(=啓蒙・宣伝)には、いかにも不熱心で、政府がじきじきにEVの宣伝に乗り出したくなる気持ちも判らないではない。

 しかしながら、僕は政府のEV関係政策には、相当の不信感を抱いている。自分の車に掛けられる自動車税に遠からず「懲罰的」加重税率が課せられることも腹立たしいし、何より最近新聞で「予想よりもLEV車が普及して税収不足に陥り困っている」という記事を読んだ時には、読んでいた新聞紙を床に叩き付けたい衝動にすら駆られた。
「税収不足になったので、登録の古い車の税率をさらに上げたいが、なかなか納税者の理解が得られないので難しい」。
当たり前だ。理解なんか示せるものか。旧いものを大事に使っている人間を抑圧するような施策など、支持できるわけがない。
 次の選挙には、ぜひとももう一度、日本モーター党(だったかな?)に再度立ち上がっていただきたいものだ。なんなら僕も立候補するぞ(笑)。

 なんだかP.K.ディックの小説から拝借したタイトルとは随分かけ離れた話になってきたが、僕はEVに悪感情や不信感を抱いているわけではない。寧ろ、EVに入れ揚げている自動車評論家、舘内正氏が思い描くような、ホットなEVが現れることを期待しているくらいだ。
 ただ―そう、「ただ」なのだ―電気自動車は、どうしても「アンドロイド化」していくようで、そのあたりに気色の悪さを感じてしまうのだ。ETCだとかVICSだとか、いまはデータのやり取りしかしていないが、自動車間保持システムなど運転動作そのものに、外部から「事故防止」などの名目で干渉できるようにならないとも限らない。と言うより、いまの交通行政当局の思考ロジックからすれば、必ずそれをやりたがると思う

 僕が好きなのは、開発した人や製造した人の思いや意志が感じられるようなクルマ、そういう乗り物を自分で運転すること、つまり自分の意志を投射することだ。車の形をした「アンドロイド」を愛でるようなフェティッシュな趣味は持ち合わせていない。
 まぁ、僕みたいなのも、有体に言って一種のフェティシズムの顕現なのだろうなぁと自覚はしているけれども。

なんだかNAVIの記事みたいな日記になってしまった。
ブログ一覧 | 日本の車 | 日記
Posted at 2002/12/03 18:46:08

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この記事へのコメント

2002年12月3日 22:14
>外部から「事故防止」などの名目で干渉できるようにならないとも限らない<

役所はもっと手強いことを考えているようです。
つまるところ、嗜好品たるクルマはもう使わせないよ。
コミューターと物流とに大別して、都市間交通は大量輸送システムに任せようじゃないの。
インフラ整備で内需拡大も出来るし・・・
というようなディスカッションは、省庁再編前から既に始まっているそうです。おおむね20年後を目処にしていると、識者から話を聞いたことがあります。
それが「いやこれはいくらなんでも・・・」というところへ落ちてくれたかどうかは確かめていませんが、自動車評論家の方々、官僚のやっていることをなんにも知りませんです。
コメントへの返答
2002年12月3日 23:33
白書ものや実際の新規施策(技術開発もですが)なんかを俯瞰してみると、そこに浮かび上がってくるベクトルはまさに嵐田さんが指摘してらっしゃるような方向に向いているのが分かるんですよね。

僕は、自動車評論家と称する人たちを、他の分野の評論家(文芸、経済、政治など)とは別種のものと考えています。ごく一部の片手でさえ余るほどのわずかな例外を除外して、あの方々は取材も分析も研究も何もできないんですから。
日記本文中にもチラリと触れましたが、登録年次の古い車に懲罰的税率を課す自動車税の法律改変の時だって、何の声も上げていない。
一般マスコミは鈍感でも、自動車専門のマスコミでメシを食っているなら(そして消費者サイドにいるポーズを取ったり、自動車趣味を持っているのなら)先頭に立って反対の論陣を張るくらいすべきだったのだと、僕は思っています。
新車や新技術を宣伝広報するだけしか能のない殆んどすべての自動車「評論家」など、僕としては信用するに値しません。

その一方で僕は、役人サマの夢は実現できないだろうな、と思ってもいます。だって、自動車関連の業界団体が黙っていませんよ。日本だけでなく海外メーカーも。
…と、専ら功利主義的な民間のパワー(経済原則ともいえるかな?)が高級官僚の愚かな空理空論を粉砕してくれると信じております。

プロフィール

「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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