• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2007年09月01日

一年ほったらかしにしてたコスモスの続き~『旅人の物語』と『天のかがり火』~

一年ほったらかしにしてたコスモスの続き~『旅人の物語』と『天のかがり火』~ こういう予感はよく当たるもので、去年の秋にカール・セーガン博士の『コスモス』のDVDを買った時「いつでも観られると思うと却っていつまでも観ない」恐れを抱いていたのが現実となり、とうとう殆んど丸一年ディスク4以降の続きを観ずに来てしまった。
 こりゃあいかんと一念発起して「積ん読」状態になっていたDVDを引っ張り出してきた。どこまで見たのかも忘れていたが、ディスクに指紋が残ってない4枚目から先が、まだ観ていない分だろう。今回は『旅人の物語』と『天のかがり火』だ。

 『旅人の物語』の原題はTraveller's Taleだが、当時木星に最接近していた旅人(航海者、と言うべきか)ヴォイジャーともかけた話になっている……のだが、さすがはカール・セーガン博士。最新の知見を披瀝することで満足なんかしやしない。否、そうした科学の成果は幾世紀にもわたる人類の「知りたい」という願望の積み重ねの果てに為しえたものなのだということをこそ訴えかけてくる。

 今回で言えば、17世紀のオランダ人ホイヘンスの物語だ。土星の輪を(輪であることを)発見し、土星最大の衛星タイタンを発見し、土星の輪が無数の礫からなることを発見した観測者である。彼は論文の中で、異世界の知的生命体について論考しているという。例えば、火星の生物を。
 環境の違いにより、それらは我々とは全く異なる姿をしているかもしれない。だがその場合、その思考形態等もまた我々とは全く異なることになるだろう、だが知的生命体であるならば、そのように異なった存在とはなりえないのではないかと。
 探査船ヴォイジャーには、レコードが搭載されているのだけれども、これもホイヘンスの思索の後裔と言えるかもしれない。

 しかしなにより胸打たれたのは、セーガン博士がヴァイキング計画における火星の地表探査で生命の痕跡を追い求めたことを「17世紀のオランダ人の考えを確かめに行った」と表現したことだった。

 続く『天のかがり火』は、原題がThe Backbone of Night。何となく予想がつく通り、天の川のことだ。自分の少年時代を振り返り「あの『星』というのはなんなんだろう」という素朴な疑問の答えをある日訪れた図書館で得たときの驚き、その答えが既にプラトンの時代に一度は出されていたことの驚き。
 しかし、ここでまたセーガン博士は憤慨する。観測や実験を軽視し神秘主義に傾倒した(!)プラトン系の理論学者に対する、ほとんど憎しみといっていいほどの敵意を――ちょうど占星術に対して向けたのと同じように――見せる。
 この辺の事柄に関わるとセーガン博士は些か大人げをなくすような感触があるが、まあ、でも憤りは判る。一度は得られた知識が当時の主流によって消し去られ、再びそれを取り戻すにはヨハネス・ケプラーの登場を待つより他なかったのだから。その膨大な損失に思いすると、そりゃまぁ腹も立つだろう。

 それにしても毎度毎度見るたびに思うのは、もっと広く多くの人に見てもらいたいということ。僕のようにノスタルジーから再体験を求めて観ても、中学生のときには見えなかったものが判ってきて面白いのだけれども、やはり一番は感受性の高い年代に観ることだ。
 権利処理の問題とか色々面倒はあるんだろうけれども、ホント、3年に一度くらいの周期で再放送を繰り返してくれるといいんだよなぁ、こういう番組。
ブログ一覧 | 芸能・文化 | 日記
Posted at 2007/09/04 14:35:49

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

今日のドライブ♪(房総25)
カシュウさん

本日のプチキリ番&ミラー番etc♬
ブクチャンさん

YouTube動画up 真夏でも ...
しんちゃんねる【コンパクト車中泊の旅】さん

消えた迷宮 秋葉原駅 秋月電商
別手蘭太郎さん

キリ番を逃しました。
つよ太郎さん

ナンカン リベンジ
一生バイエルンさん

この記事へのコメント

2007年9月4日 16:51
感受性の高い年代に見てもらいたいのは同感です。
こういう特集をぜんぜんやってくれませんね。どっかの相撲取りとか、やんちゃ姫とか、不正で辞職とか、ロマンのないネタばっかりで。(笑)

リサ・ランドールの本を買うのを思い出しました。
コメントへの返答
2007年9月4日 18:26
最近、深夜枠でネプチューンかなんかがMCのサイエンス系バラエティー番組やってますけど、結局「見世物小屋」なんですよねぇ、ああいうのって。

リサ・ランドールって誰だっけ?と思って検索してみたら、ああ、スーパー・ストリングス理論の人でしたか。
もう提唱されてから15年くらいになりますかねえ……。

プロフィール

「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

Automotive Design 
カテゴリ:新しい車関連
2003/08/09 00:21:12
 
All The Web 
カテゴリ:便利
2002/12/27 14:03:26
 
Hubble Space Telescope Public Pictures 
カテゴリ:科学・文化・芸術
2002/11/08 15:59:43
 

愛車一覧

マツダ ロードスター マツダ ロードスター
2005年10月、発作的に衝動買いしてしまいました。 いい車だなぁと思ってはいたものの所 ...
マツダ ユーノス500 マツダ ユーノス500
気が付けばデビューはもう19年前。 最新の車とは比べるべくもありません。 ガタガタゴトゴ ...
マツダ アテンザセダン マツダ アテンザセダン
例によって例のごとく、借り物の車での「パートタイム・オーナー」です。レンタルしたのは10 ...
マツダ ランティス マツダ ランティス
俄かオーナー経験は僅か3週間で終わりましたが、とてもいい車です。 代車だったので、コンデ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation