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2008年02月09日

アテンザは大人になった

アテンザは大人になった 先週、結局眺めるだけに終わってしまった2代目アテンザの試乗をしに、いつもお世話になっているディーラーに再訪した。先週に続き、またしても雪の予報が出ている。うかうかしていると乗りそびれるかもしれないような予感もあった。

 代替わりしたアテンザは、それなりに興味を持っている人が多いのか、店の中は割と混み合っている。順番待ちに小一時間かかったなんて、NC型ロードスターが出たとき以来なんじゃなかろうか。
 待っている間、店内に置いてあるセダンを、改めてじっくり観察する。メーター・ナセル右側に、トラクション・コントロールのキャンセル・スイッチと一緒に「AFS OFF」と書かれたボタンがあるのに気づいた。前回来た時にも目にしたはずなんだけど、今回は暇だったせいか妙に気になる。グローブ・ボックスから取扱説明書を引っ張り出して読んでみたが、なぜだかAFSにかかわる記述が見当たらなかった。うーん、これはなんだろう。試乗のときに聞いてみよう。

 試乗車としてスタンバイしていたのは真っ赤な5ドア・ハッチバック。ハンドルの両側にフラップ状のレバーが付いていて、手動でギアを選べる仕様のモデルだ。椅子の位置あわせも電気仕掛けになっている。おいおい、なんだか随分ゴージャスだぞ。インテリアのプラスチック部分の「質感」や意匠も、普及モデルというより「ちょっと豪勢」な感じにしつらえられている。その辺、往年のユーノス800みたいだ。

 実際に走り出してみても、前のアテンザ(僕が乗った事があるのは、もっぱら前期型でもさらに初期のモデルだが)と比べて随分と立派で「高級」な方面にシフトしていることを感じる。静かだし、路面の不整にも悠然と構えているし、ロールも穏やかだし、ブレーキも前のように「いかにもブレーキが仕事してます」ってアピールするような感じはなくて、なんだか『大人の風格』を感じさせる。
 ただし、セレクター・レバーを手動変速モードにして1速からいささかラフにアクセルを開けると、やっぱり元気でやんちゃなアテンザだ(笑)。さっきまでの大人っぽさをかなぐり捨てたような動き方をして、これはこれで微笑ましい。

 少し大きく、重くなったのは、何となく車の身のこなしにも現れている感じがする。雰囲気で言うと、前にCX-7に試乗したときの感じに近い。決して非力ではないし俊敏さが失われているわけでもないのだけれども、それは例えばマラドーナがちょこまか走り回る類の俊敏さではなくて、どちらかというと体重100キロの舞の海の俊敏さと評したほうが、感覚的に近い。

 ああ、これはいい車だなぁと素直に感心した。ただ……いい車なんだけども、道楽の対象として車を見る傾向が強い僕としては「ああ、君も分別ある大人になっちゃったのね」と寂しさを覚えたのも確かだ。
 ひところ『ハイソカー』なんて呼ばれ方をしたEセグメントのアッパー・ミドル・サルーンをラインナップに持たない今のマツダが、そのセグメントの商品を求める顧客をもDセグメントのアテンザに取り込もうとして、車の性格付けをしているような感じが、そこはかとなく漂っている気がする。ああ、この感じも往年のユーノス800みたいだ。

 ところでAFSってなんだろうと思って試乗車に一緒に乗ってくれたディーラーのお兄さんに聞くと『アダプティブ・フロントライティング・システム』のことだという。名前だけ聞いてもちんぷんかんぷんだけれど、要するにハンドルの切れ角にあわせて進行方向に向かって前照灯が首を振る仕掛けのことだそうだ。「暗い曲がりくねった道を走るときに有効」なんだそうで、セフィーロなんかが搭載していたコーナリング・ランプと違い明らかに「走る」ための装置だ。ああ、マツダだなあ。アテンザだなあ。お役所がうるさそうだなあ。

 こういう仕組み、古くはシトロエンのDSだとかSMもやっていたし、日本車でもバブル期あたりに挑戦するメーカーがなかったじゃない。けれど、道路運送車両法の規定だかで、ヘッドライトが首を振るのは認められず、トヨタなんかは確かやむなく配光幅の広い補助灯(フォグランプ)をハンドル操作にあわせて左右別々に点灯させる、なんちゅームチャな手を使ってたりもした。
 でも今度のアテンザについてるのは、通常の前照灯用の光源とは別に専用の光源を設けた、いわば「可動式ドライビング・ランプ」のようなものだそうで、きっと通産省だか国交省だかの役人は渋ぅ~~い顔をしながらイヤイヤ認可したんだろう。

 そんなことをつらつらと考えながら店を辞し家路についたら、途中の道で早速2代目アテンザとすれ違った。おいおい、もう納車されてるのかい!と一瞬驚いたが、それはついさっき僕が試乗した赤い5ドアの「スポーツ」だった。どうやら試乗コースで曲がるべき交差点を行過ぎてしまい、たいそう大回りして店舗に戻る道すがら、という按配だった。
ブログ一覧 | 日本の車 | 日記
Posted at 2008/02/11 18:38:42

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この記事へのコメント

2008年2月11日 21:02
私も試乗してきました。雰囲気はMAZDA版マークXといった感じでしょうか。

ただ、先代がクラスレスで戦えたのに対して、このクラスになると直接対決するライバルが多く、案外苦戦するのではないかと心配です。4気筒の限界を感じました。
コメントへの返答
2008年2月12日 12:36
マークXは乗ってないので僕には論評できませんが(笑)、クラスというか、ターゲット・ユーザーは重なってくる部分があるんでしょうね。
 ですので和尚さんのおっしゃるとおり、意図してか図らずもかは別にして正面対決を余儀なくされる「ライバル」がひしめき合うなかに身を投ずることにもなるんでしょう。

 でも6気筒版、あとから追っかけ出すんじゃないでしょうか。
2008年2月12日 0:03
これに備わってるAFSは固定式だそうです。
確かに一時期コーナリングランプが流行った事がありましたが、あれはお役所からクレームがついてたんですか。。
僕みたいな前期型の最初期オーナーからすると、不満だった点を丹念に潰してくれてるな、って印象を持ってます。
コメントへの返答
2008年2月12日 12:41
あ、固定式なんですか。ディーラーのお兄さんの台詞を真に受けて、てっきり首振りをするもんだと思い込んでました。
でも、そうですよね。以前却下した、光軸が左右に動く仕組みを、ここに来て役所が認める論拠が見当たりませんもんね。

そういえば、僕がディーラーでお世話になっているセールスさんも前期型の初期モデルに乗っているのですが、貫太郎。さんと同じく「初期モデルのネガを逐一丹念に潰していると感じた」と話していました。

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
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