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2008年02月23日

DVD・COSMOS最終巻~「宇宙人からの電報」と「地球の運命」~

DVD・COSMOS最終巻~「宇宙人からの電報」と「地球の運命」~ 英語音声+余り翻訳の良くない日本語字幕で見ているからなのか、それなりに覚悟を決めないと鑑賞に踏み切れないDVD版のコスモスだったが、ようやく腹をくくって最終巻を再生した。原題は「Encyclopedia Galactica(銀河大百科事典)」と「Who Speaks for Earth?(地球のために誰が語る?)」だ。

 まず第12夜の「宇宙人からの電報」。のっけから『未知との遭遇』である。宇宙人に遭遇しUFOに連れ込まれたとの経験を語る米国の夫婦の話をマクラに話が始まるのだが……。科学者であるセーガン博士は、頭ごなしにこれを否定しないのだ。
否定しない。日本の「火の玉」物理学者だったらのっけから全否定しそうなものだけれども――セーガン博士もこの遭遇譚を肯定しているわけではないのだけれども――ちょっとばかり「おや?」と思わせる態度だ。

 とは言え、考えてみればセーガンは、後年『コンタクト』なんて映画の指揮も執っているし、パイオニアやヴォイジャーに「他の知的生命体に当てたメッセージ」を載せた張本人である。ロマンチストなのだなぁと微笑ましい気持ちにさせられる。
 尤も彼は科学者であるからして「広大な宇宙のどこかに、我々以外の知的生命体が存在して欲しい、その確たる証拠を得たい」とのユメにバイアスを受けて『未知との遭遇』体験談を語ったりはしない。「これでは『宇宙人』の証明にならない」「もっと確実で、あらゆる反論を退けられる、間違いのない証拠が欲しい」と述べるのだ。

 シリーズの最終盤に来て、こういうロマンティックな方向の話題を持ち出す構成には、ところがちゃんと意味がある。それは第13夜『地球の運命』で打ち出す、いささかストレートに過ぎる愚直なメッセージとも関係がある。大人の目で見るいまなら、はっきり分かる。COSMOS全13夜の構成はすべて、この最後に述べるセーガンのメッセージ「Speak For The Earth, Now!(今こそ地球のために語ろうではないか!)」に結実するのだ。地球のために、というあたりがロマンティックな科学者らしい。人類のために、とは言わないのだ。

 彼が、COSMOSの制作された東西冷戦下の1980年当時に懸念したこと、つまりイデオロギー対立を引き金にした、科学文明の果実を用いた科学文明自身の『自殺行為』や、地球環境の破壊――これらは、巻末に付録されたアップデートにおいて「ある程度乗り越えられた」と語られている。ある程度……そう、ある程度。
 アル・ゴアの『不都合な真実』をひくまでもなく、地球環境そのものに対する視線は、四半世紀前とは明らかに一変している。それでもセーガンは言う。「現状の動き方は遅いし、その効果も充分ではない」と。

 全てを見終えて、改めてCOSMOSで語られたことが、四半世紀の時を超えて優れて今日的課題であることに、科学者の先見性を覗う思いがして驚くとともに、彼が四半世紀も前に提起した問題が今もって『今日的課題』であり続けていることに、哀しさを感じないわけにはいかない。

 ああ、いい物を見たなぁと感慨にふけった土曜の晩だけども、商品については一言言っておきたいぞ。日本語訳が粗雑過ぎ。とっても大事なニュアンスがすっ飛ばされたような翻訳は、ちょっと如何なものかと思う。権利関係をクリアするのが困難を極めるのは想像できるんだけれども、横内正による吹き替え版が(出来ればもっと手ごろな価格で)発売されればいいのに。
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Posted at 2008/02/25 12:43:15

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この記事へのコメント

2008年2月25日 22:08
あぁ、吹き替え版だったら貸して~とすがりついてたかも(笑)

オンエア当時、かなりハマッテ見ていたんですが、ご多分に漏れず?何話か見逃してるんですよ。改めてじっくり見てみたいなーと思った次第でした。
コメントへの返答
2008年2月26日 10:34
本当は「横内版」が出てると一番いいんですけどねー。
ギャラの再配分とか本編製作者の了解とか、色々面倒くさいことがきっと山のようにあるんでしょう。

初回放送の当時だと……高校生になるかならないかくらい?後年、一度だけ再放送があったらしいんですけどね。

改めてじっくり見ると、映像特殊効果ではかなりガッカリします(笑)。
背骨と主張はしっかりしているので、その点は色あせてませんけど。

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