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惰眠のブログ一覧

2008年02月25日 イイね!

日本の司法、ナメられておらん?

日本の司法、ナメられておらん?日曜日、あまりの強風に恐れをなして免許更新に出かけるのを諦めて家でニュースを見ていると、僕がまだ中高生だった時分にマスコミで大騒ぎされた「ロス疑惑」の元会社社長が逮捕されたと言う話が出てきた。おいおい、万引きとかじゃなくて妻に対する保険金殺人の容疑?それって無罪決着済みじゃん。一事不再理の原則(一度判決の確定した犯罪に関して、二度三度と裁かれることはない)に思いっきり反してるんじゃないか?

 報道に拠ると逮捕権を行使したのはロサンゼルス市警で、カリフォルニア州法の定めでは(他の州がどうなってるかはともかくとして)第一級殺人、第二級殺人に関して公訴時効がないので、要件さえ整っているなら時間の経過に関わらず未来永劫、刑事訴追が可能である由。
 でもって、一事不再理とは言っても、その判決を確定させたのが外国の司法権によるものだった場合には、日本で改めて裁判を起こして処罰することができる(できるけれども必ずしも「やる」とは限らない)ので、まあ理屈の上で言えば、こういうこともありうるのだそうだ。ああ、大学のときに講義でチラッと、刑法第5条の「外国判決の効力」の話、聞いたことがあったなあ。

 そんなわけで筋はそれなりに通っているんだけれども、僕はちょっと釈然としないと言うか、ロサンゼルス市警とあちらの検察当局の対応に、微妙な不快感を抱いている。
 今回逮捕された被疑者が、逮捕容疑の通りのことをやったかやってないかではなくて、日本の刑事司法において既に最高裁判所の判断として「やったとまでは証明できない」と判断されていることがらを「いや。それは違う」と平然とやってのけたあたり、こう――日本の司法をナメてると言うか侮辱していると言うか、そんな感じを受けてしまうのだ。

 今更になってこういう仕儀になるならば、最初から合衆国内の事件として捜査から起訴に至るまで完遂すべきだったんじゃないのか。最初っから日本に任せなきゃ良かったじゃん。第一、日本の司法当局に対して事前の打診もなかった(らしい)ことも失敬な話だ。官房長官は、協力要請があったら応じるのが当然とか言っているが、ちょっと軽率過ぎる発言だぞ。きちんと事情説明を受けたなら首肯しうる理由があるのかもしれないが、日本の司法権――つまりは主権――に、抵触しかねない出来事だって言うのに。まずは「説明を求め、その上で……」と言うべきでしょうに。

 僕としては、協力するはするとしても、既に日本の国法に基づいて決着のついた事件の当事者をあらためて同じ事件で逮捕することに関して、最低限まず事情説明を求めるべきじゃないかと思う。外交チャンネルを通じて公式に苦情を伝えてもいいくらいだ。
 マスコミはこの事件についてはトラウマ――と言うよりゃ怨恨に近いか――があるせいか、何となく「米司法当局がカタキを討ってくれないか」と思ってるんじゃないかと邪推してしまうのだが……。

 ところで、日本国内で行われた刑事裁判で被疑者の元社長を弁護した弁護士がインタビューに答えたのをテレビで見て、僕はちょっとした「陰謀論」を思いついた。日本の弁護士である彼は、アメリカの刑事司法プロセスに弁護人として関与することができない。向こうの弁護士を探さなくちゃ、と言うことなのだが……アメリカが年次改革要望書で日本に突きつけてくる「規制緩和」の要求項目の中には、弁護士の自由化が含まれている。合衆国では外国人弁護士には認めていない水準の「自由化」をしろ、と言う要求だ。当然、日本は抵抗している。

 ここで、日本では既に「クロではない」と判決確定した人物をもう一度向こうの国内法(州法)に基づいて裁きなおそうと言う動きが出てきた。これは、見ようによっては、深刻な主権侵害や人権蹂躙と言えないこともない。
 「米国の弁護士会と密接な業務提携ができていれば、こういう緊急対応を要するケースでも迅速に『個人の権利保護』に動けるのに……」というマインドを醸成するには、なかなか格好の素材ではないか。そういう深謀遠慮が、もしかしたらあってもおかしくないなー、などと思ったり思わなかったりだ。

Posted at 2008/02/26 12:45:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2008年02月19日 イイね!

海上自衛隊、ブッたるんでるんじゃねーの?!

海上自衛隊、ブッたるんでるんじゃねーの?!20年前、当時学生だった僕は夏休みでフラリ訪れた埼玉県某所で、黒い喪服のようなスーツを着た数人の壮年の男性の一群が、一軒の民家の玄関先で妙に神妙にしている姿を見かけた。100メーターほど離れた位置から見ただけだったが、その雰囲気が余りにも異様だったのでものすごく気になった。その正体は、夜に見たニュースで判明した。
 釣り船と衝突し、その乗客30名が水死する事故を起こした潜水艦『なだしお』の山下艦長(当時……はもう解任されてたのかな?)と海上自衛隊幹部が、遺族宅にお詫びの弔問に訪れたものの門前で追い返された場面だった。

 あの事故では、海難審判で釣り船側の操船にも問題があったことが明らかになったのだが、この19日未明に千葉の勝浦沖でイージス艦『あたご』が漁船と衝突した事故に関しては、どうやら『あたご』側の一方的な過失である可能性が(今のところ)濃厚だ。

 航海当直(Watch:ワッチ)は、いったい何をやっていたのか。日の出前とは言え、灯火をたいて洋上にいた漁船を、衝突4分前まで視認できなかったなどとは、ブッたるんでるとしか言いようがない。航法レーダーでは確認できなかったかもしれない?そんなの理由になるか。そのためにワッチを立たせているんじゃないか。
 10年ほど前、深夜に緊急の出動待機命令が出て基地港への参集を命じられた護衛艦乗員が、終電が終わっていることを理由に翌朝まで出頭せず上官から「電車がないならタクシーででも来い!」と怒鳴りつけられている場面を目にしたことがあるが、このタガの緩みようはどういうことか。

 船の世界では、その国籍や船種、船舶の大小にかかわらず、衝突事故を回避するために絶対のルールがある。
 自分の右舷側から接近する船舶に対しては、速度を落とした上で自船が右に舵を切って(相手の後を通り抜ける形で)回避行動を取らなくてはいけない。この回避義務を負う側を避航船と呼ぶ。また一方、相手が回避する立場の船(保持船と呼ぶ)は、速度を変えることも進路を変えることもしてはいけない。

 ただし、回避義務がある船が回避行動を取らず、このままでは衝突が避けられない局面に限って、保持船は右に舵を切って逃げることが認められる。ニュースに拠ると、衝突直前漁船は急激に右に進路変更を行ったとされている。漁船の乗組員は二人とも行方不明だから、これは『あたご』の乗員からの証言だろう。
 このことからイージス艦『あたご』は、避航船の立場にありながら衝突回避行動を一切取らず、その「異常な」進行に衝突不可避を悟った漁船が、保持船の立場をかなぐり捨てて転針を急いだものの及ばなかったという状況が推認される。

 ――まったく『あたご』の右舷担当ワッチは、居眠りでもしてたのか。こんなの、赤信号を見落として交差点に進入し、信号に従って横断歩道を渡っていた歩行者をはねるような事故と、同じレベルだ。およそ、その道の専門プロフェッショナルが引き起こす事故じゃない。
 僕は、空は知らないが陸と海の自衛隊については、そのプロフェッショナリズムの一端に接する機会が過去にあった。技能と職責と規律と合理性がよく行き届いたその職務遂行には感動に近い思いを抱いたし、そこにある危険をよく認識してピンと緊張感に背筋を伸ばして働くその姿には敬意を持っている。
 それだけに一層、今回のブッたるんでいたとしか思えない、およそ「プロフェッショナルな海の男」にあるまじき事故は、殊更に許しがたく感じるのだ。

 それとは別に、マスコミの報道もちょっとがっかりだ。対空監視レーダーがどんなに優秀でも、それは海面近辺の状況を確認するものじゃないし、そもそも作戦行動を取っていないときに稼働させる装備でもない。だから「すごいレーダーを備えたイージス艦なのにこんな事故を!?」じゃない。そうじゃなくて「あんだけ訓練を積んだ高度な専門家集団が運用している艦なのに、こんな事故を!?」だ。

 あと、役所への(迅速な)連絡体制が取れてなかったことは、所管大臣も総理大臣も認めている通りで放っては置けない問題なんだけれども、取材の意識をそっち方面に向けすぎるのはちょっと違うと思う。
 事故原因を最終認定するのはまだこれから先のこと(多分、海難審判で結論が出るまで優に1年はかかるだろう)だとしても、一義的に問題視すべきなのは事務方のルーチンの話ではなくて、こんな次元の低い事故を、あれほどの専門家集団が引き起こしてしまったことの「ヤバさ」に、もう少し敏感であって欲しい。事故時にワッチについていた一自衛官の、個別の資質の問題では済まないことかもしれないのだから。

 追記。夜、某局のニュース解説を聞いていたら、事故を起こしたイージス艦『あたご』のイントネーションが「疑惑」などと同じなのが滅茶苦茶気持ち悪かった。「被害」と同じイントネーションじゃないの?

 追記の追記。気になったんで、知り合いのアナウンサー氏に聞いてみたところ「放送で言ってる平板アクセントで正しい」とのこと。うへぇ、何でも確かめてみるものだ。
Posted at 2008/02/20 13:25:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2008年02月13日 イイね!

効くわけないじゃございませんこと?

効くわけないじゃございませんこと?つい先日、公取委が自動車用品マーケット向けの、所謂「省燃費」グッズ十数品目について景表法に抵触する宣伝文句を使っているとして排除命令を発出した。それら商品が謳っている燃費低減効果の数字が、無根拠だというわけだ。どんな仕組みで効果があると主張しようと勝手だが、言うほど効果が出てねーじゃん、それは許さないよ、やめなさいと言うこと。

 ま、なんと言うか。アヤシゲで胡散臭げなこういう商品が、根こそぎ締め出されちゃうような「清潔で美しい」市場環境ってのも息苦しい気がして嫌なんだけども、僕に言わせりゃ「効くわけなくて当たり前」だ。メーカーが自社製品の効能について、どんなリクツやコンキョを持ち出してきても、僕はごくシンプルな商売の原理原則から考えて「そんなのありえねー」と一蹴する。

 よく「本当にそんな効果があるならとっくにメーカーが純正採用している筈だ」とのコメントを目にする。うん、それはそうだけど、製造業はコスト・パフォーマンスにとっても厳しいので、必ずしもそうとは限らない。
 僕の考え方は逆で「本当にそんな効果があるなら、メーカー相手に商売を持ちかけないはずがない」だ。昨年一年間、トヨタグループだけで乗用車900万台を製造しているのである。カー用品店やスタンド、ディーラーなんかで細々と売るのと、メーカーの正式採用を取り付けて納入する(あるいは技術を売る)のとでは、ビジネスの規模がまるで違う。商品に自信があって、その販売で収益を上げようと考える事業者が、用品店でのセールスとメーカー向けの販売とをはかりにかけて、後者に力を入れないはずがないじゃないか。しかもメーカーが純正で採用すれば、その事実は用品マーケットで販売をする上でも強力なセールス・ポイントになる。

 ところが現実にはどうかっていうと、全然そんなことになってない。ほどほどに儲かればいいという奥ゆかしさなのか、愚直で商売を知らないのか……(笑)。ま、どっちでもないわな。商売を知ってるから、メーカー相手に売り込んだりしないでアフター・マーケットの自動車ユーザーに狙いを定めたんだろう。

 最初のほうでも書いたけど、僕は個人的に、こういうアヤシイ商売ってのも幾らかあるくらいがいいと思ってる。だからまあ、ちょっと景表法に基づいて排除命令まで出したのはキツいなぁという気がしているんだけども、これは公取の親切心だと取ることもできなくない。
 原油の高騰で、自動車用燃料も腹立たしいくらい値上がりしてる。だから「省燃費グッズ」商売には美味い書入れ時ってことになるわけだが、ここら辺で先手を打って「あんまり調子に乗るなよ?」とやっておかないと、次は――効果のない商品をウソの宣伝文句で売りつけられたっていう消費者から、詐欺容疑で(刑事犯罪人として)告発されちゃうかも知れないのだから。

 今はただ「宣伝文句を変更しなさい」と命じられてるだけ。それで済むんなら、「省燃費グッズ」のメーカーにとっても安いもんじゃないのかな。
Posted at 2008/02/14 20:37:06 | コメント(3) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2008年01月31日 イイね!

きょうの朝飯は冷凍餃子

きょうの朝飯は冷凍餃子昨日の夕方から、中国の工場で製造された冷凍餃子に有機リン系農薬成分が「混入」していて(昨日時点で)10人が中毒症状を起こしていたことが明らかになったもんで大騒ぎになっているが、僕のけさの食事は冷凍餃子。

 実はこれ、元々冷凍じゃない宇都宮の業者(多分……)の商品なんだけれど、保存の必要に迫られて冷凍庫に放り込んだために、一夜明けた今日は「冷凍餃子」になってたわけだ。一々焼く手間が面倒だったので、冷凍チャーハンの上にトッピングして一緒に蒸し器で加熱して食べた。うーん、焼き餃子用に作られたものはやっぱり焼いて食べるべきなんだろうなあ。

 と言う、個人的な話はともかくとしてJTの子会社が輸入販売していた(もう過去形で書いていいんだろう)、中国の工場で製造された「農薬入り」餃子の件だけども、実はちょっと不思議に感じることがある。被害者に、深刻な急性症状が現れたことだ。子供一人が一時重態になった千葉の事例では、強い薬品臭までしたと言う。そんなもん食うなよと言う話は話として、通常「残留農薬」程度じゃ、ここまで凄いことにはならない筈だ。

 新聞でも「包装の内側から検出」なんて記事が一部にある。意図してやったのか事故でそうなっちゃったのか現時点じゃ分からないけども、どうもこう餃子そのものに農薬が混入してたんじゃなくて、まるで古典的な推理小説の毒殺トリック宜しく、パッケージ側に(高濃度の)農薬が付着してたんじゃないかって感じがする。
 で「意図してやったのか事故でそうなっちゃったのか」というのは、まず前者に関して言えば製造ラインの従業員が、職場に対する不満とかから信用毀損を企図してだとか、無差別大量殺人をやってみたくなっちゃったとかの悪意ある理由で包装パッケージの内のりに農薬を塗りつけたようなケースを考えている。
 後者に関して言えば、ラインに害虫がわいたりして不衛生なんで、これを退治しようとして殺虫剤を使い、そのまま洗浄もせずに運転を続けた結果、農薬を使った直後にラインを流れた製品パッケージに薬剤が付着しちゃってたケースなんかだ。

 どっちにしろどの段階でどんな風にして「農薬入り」の状態になったか確認できないことにゃなんとも言いようがないんだけども、関係各所も混乱してるな、と感じる。例えば千葉県警はこの事件を「殺人未遂容疑事件」として捜査に着手した(食品に人の生命に関わる分量の毒物を混入したような過去の国内同種事案に鑑みればごく自然な対応)というが、最初は業務上過失致傷容疑で……という報道もあった。
 報道も(知り合いにちょっと聞いたのだけど)最初は「千葉で一家五人が……」という孤発の「ちょっと珍し目の事件」だと思ってたら「実は兵庫でも」と分かって「全国で発生かよ!」と泡食った社があるようだ。

 しかしまぁナンですな。企業の生き残りとか国際競争力とかで「より安く合理的に」一辺倒でグローバリゼーションしてきた結果が、こういう局面でとってもネガティブに浮き彫りになりますな。
 これで「もう中国製は一切信用ならん」とバッサリ取引停止にしたところで、国内で製造しようと思えば「国際競争力」やらとは遠くかけ離れた高コスト(=売価の高騰)が必然だし――というより、もはや国内にはそんな生産インフラが残ってないかも――原材料を国内産限定で調達しようにも、食料自給率の数字が冷酷に示すように、供給は需要にはるか及ばない。

 マスコミさんあたりにも、ふた昔以上前の言葉「ルッソフォビア(ロシア恐怖症)」ならぬチノフォビアに罹ってるヒマがあるんなら、今の「繁栄」した日本の構造が、いつの間にやら足元を掘り崩された砂上の楼閣になってることを再認識して、その上で今後どうして行くのか「未来志向の」報道を心がけて欲しいな~なんて思ったりするのだった。もちろん、「いま・そこにある・危険」を迅速正確に報道してもらうのは当然だけど。さて、きょうは帰宅したら残りの冷凍餃子を食べちゃわないとな。




なかのひと

Posted at 2008/01/31 15:37:06 | コメント(2) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2008年01月16日 イイね!

怒り、と言うよりも呆れ

怒り、と言うよりも呆れ天下の財閥系自動車メーカー三菱自動車が、自社の製品の欠陥を隠し続けた結果、ユーザーに死亡事故を起こさせたことの刑事責任を問う裁判の判決が、16日横浜地裁で下された。この裁判では被告人4人全員が無罪を主張していたが、裁判所は「無責任」と断罪、全員に有罪を言い渡した。

 被告人側は即日控訴したのだが(全面無罪を主張していたのだから当然といえば当然)、その際の弁護人の会見には、怒りを通り越して呆れ果ててしまった。そりゃ彼らは企業お抱えの顧問弁護士であるし、そういう背景は抜きにしても被告人を弁護する職責を担っている以上、その依頼者の言い分を最大限訴えかけることが彼らの職責でもあるのだが……被告人の利益を考えるならば、コメントを発表させないというのも、仕事のうちなんじゃないのかねえ。

 一番呆れたのが、元社長の川添克彦被告の「企業責任者に実行不可能な義務を課す判決で、とうてい承服できない」とのコメントである。
 法律には不遡及の原則があるので、新規立法の規定をそれ以前に行われた事柄に適用することはできないのだが、例えば新しい会社法だとか、この4月から段階的に導入されるJ-SOX法などの精神は「会社のガバナンスをしっかりせよ、会社トップには必ずしも報告が上がらない種類の一従業員の法令違反であっても、会社トップはその責任を負わなければならないぞ」とでも言うべきもので、川添被告人が言うところの「企業責任者に実行不可能な義務を課す」ようなルールが、いまや法律の定めと言う強力な後ろ盾を得て、まさに実行されようとしているところなのだ。

 僕の勤め先でも、そういう環境の変化に伴って「もはや『倫理』の問題ではなくなる」との危機感を持って各種社内体制の再確認や見直しが図られている。そんなご時勢に合って、もはや現職ではなく当該の法律の適用される以前の事例であるとしても、こういう発言をヌケヌケとするのは――「法律のロジック」と言う側面では必ずしも間違いではないのだが――アンタ一体どういう神経してんのよ、正気は大丈夫?と言いたくもなってしまう。

 刑事責任の側面を離れて見たときでも、この会社に対しては、自動車なんていう人様の身体生命に関わる製品を製造販売する資格がそもそもないんじゃねーの?という感想が当時と変わらず今も抜きがたくある。
 『酔うぞの遠めがね』という、恐らく機械工学系の仕事をしているらしい方のブログが大変参考になるのだが(『ものづくり』と言うカテゴリー)、横浜で母子を死傷させたホイール・ハブの欠陥放置にしても、山口でトラックのユーザーを事故死させたクラッチ・カバーの強度不足放置にしても、どうも「ちゃんとした設計をする能力を持ち合わせていない」ことを強くうかがわせるのだ。

 無論、欠陥があることを認識していながらそれを隠蔽したり、ヤミ改修に着手したものの途中でおっぽり出したりと言うようなことが許されるわけもないのだが、そういうことを云々する以前のレベルじゃんねー、と言うのが正直な感想だ。

 一応ね、悔い改めました的なキャンペーンはやってはりましたがね。最初に『リコール隠し』が指摘された時の「悔い改め」期間中にやっておった隠蔽が、横浜と山口の死亡事故を招いておることを考えると、外部からはなんとも検証のしようがないことだけに、どうもいま一つも二つも信じられないんだなあ。僕に関する限り、この期に及んでの(ああいう言い分での)無罪主張も、悪い心象を強める材料になっている。

 三菱を好きとか嫌いとか言うこととは無関係に、ちゃんと作られていない、そもそも自動車の寿命を通じて交換が不要なレベルの部品が破損するような壊れ方をする車が、一緒に道路を走っとるかも知れんようでは困るのだ。応力がかからない筈の部品(クラッチカバー)が壊れてシャフトが脱落したときに、内部部品の問題解決に先立ってカバーそのものの強度に着目しちゃうような技術者がそのまま居残ってるようじゃ、恐くてしょうがない。
 会社トップは会社トップとして責任を取らねばならないが、現場には現場の(刑事責任の有無とは別の)果たすべき責任っつーもんがある筈なのだが……三菱自動車は、本ッ当~~に、今はもう大丈夫なんだろうね!?
Posted at 2008/01/21 18:14:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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