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惰眠のブログ一覧

2006年06月21日 イイね!

硬い屋根のついたロードスター

硬い屋根のついたロードスターマツダのプレスリリースに「3代目ロードスターの電動ハードトップ版を英国モーターショーに出品する」と出ている。広島本社のリリースでは小さな側面写真しか出ていないが、スイス・マツダのリリースにはハードトップを折りたたみかけた状態の車体を斜め広報から撮影した、ちょっと小洒落た巨大写真も掲載されている(関連URL参照)。
 僕は、こういう仕様があってもいいなと結構肯定的にとらえている。もちろん、自分がそれを欲しいと思うかどうかは別として。

 思うに、マツダの「ロードスター」は、実のところ初代ユーノスのときからロードスターではなかった。英国語で言うところのドロップ・ヘッド・クーペであった。
 本来的に言うとロードスターと言う車体形状は、出先で不意の雨に遭った時にどうにかこうにかしのげる程度の『簡便な幌式屋根を備えたオープン・カー』のことだ。マツダのそれは、ロードスターと称するには立派過ぎるのである。

 であるならば、英語圏(ほか横文字世界)で商売するときにこの車が、日本国内でのように『ロードスター』とは名乗らずマツダ・ミアータMX-5だったのも必然だ。
 ロードスターではなくドロップ・ヘッド・クーペならば、何も屋根の材質を幌に限定する必要はない。ドロップさえするなら金属製だろうが樹脂製だろうが、構わない(現時点では公式に確認できていないが、NCのそれは樹脂製だという説も仄聞する)わけだ。

 いま欧州車の世界では、クーペ/カブリオレのコンバーチブルが大流行だ。布製の屋根にくらべれば重量(と、多分重心も)の上では好ましくはないけれども、商品性を考えるならばお洒落で快適な電動ハード・トップは、いいこと尽くめだ。

 ユーノス・ロードスターがデビューしたとき、僕はまだ大学生だった。当初、納車待ち半年なんてくらいの人気を博したけれども、その初代のときからロードスターは決して、ストイックなスポーツ・カーとしてだけ受け容れられていたわけではない。
 どこぞの会社の偉いさんを父親に持つ友人が当時最新型だったソアラを手放して、発売2か月ほどで『ユーノス』を手に入れていたが、その彼にしても回りで羨ましがっていた僕らにしても、『ユーノス』はソアラとかプレリュードとかシルビアと並列で選択をするような対象だった。
 まあ、ユーノスだけは他のデート・カーとは違って異常にドライバーをハッピーにさせる痛快性(下野康史風に言うと「ひたすらドライバーが一人でイク」)を備えていたのだけれども。

 ユーノス・ロードスターは「2座オープン・カー」と言うファッションが大いに受け容れられたからこそ幅広く人気を集めたのだ。だからマツダは、当初全く想定していなかった自動変速仕様を後付で投入したし、そのドタバタ振りを物語るようにそのオートマは、当時でさえ時代遅れの4段油圧制御だった。いや、商用グレードのファミリアに与えられた3段油圧制御オートマだったかもしれない。

 そういう来歴を思い返すと、殊更にユーザーのファッション嗜好に応えた今度のハード・トップは、ロードスターの「正常進化」の一つの側面でもあるのかも知れない。
Posted at 2006/06/21 13:29:15 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2006年06月15日 イイね!

異母姉妹

異母姉妹1970年5月に発売された初代カペラのデザインには、ベルトーネの血が入っている……長くマツダでクレイ・モデラーをしていた石井誠と言う人が著した『人の想いをかたちに』と言う本に、そう書かれているらしい。「らしい」と言うのは、たまたま見つけたブック・レビューで知っただけで、僕はまだその本を未読だからだ。うむ、近々読まなければ。

 ところで、産みの母は別々だが男親が同じ姉妹を異母姉妹と言う。初代マツダ・カペラには、どうやらその異母姉妹が存在するらしいのだ。男親はイタリア人。名前はジョルジェット・ジゥジァーロ。そして異母姉の名は1969年末に発売された三菱コルト・ギャラン(初代)だ。

 三菱自動車とマツダを渡り歩いた自動車デザイナー、まぁここでは仮にAさんとしておくが、そのAさんに聞いた話である。
 彼がまだ三菱の禄を食んでいた頃、デザイン部門の倉庫にジゥジァーロの手がけたクレイ・モデルが転がっていたそうだ。実寸大のものなのか、縮小モデルなのかまでは聞かなかったけれど、コルト・ギャランのスタイリングは、そのクレイ・モデルを三菱内でアレンジしたものだと言う。

 後年マツダに移籍したAさんは、その倉庫で「コルト・ギャランの原型となったクレイ・モデル」を見つけて驚くことになる。それは初代カペラの原型なのだが、三菱にあったものと全く同一だったからだ。

 Aさんは述懐する。「ジゥジァーロの業績はとても評価しているけれども、同時に、こういう商売の仕方をしてたんだと判って、ものすごく幻滅した」と。「VWのように歴史と実績のある欧州のメーカーに対しては、初代ゴルフのように素晴らしくエポックな提案をするのに、相手が極東の新興の自動車会社だと、同一のデザイン案を複数の会社に黙って売ってたわけですから」。

 ただ続けて、こうも言った。
「一方的にジゥジァーロ氏を責めるのもフェアじゃないのかもしれない。と言うのも、発注したメーカー側の要求要件が、必ずしも明確でも具体的でもなかった可能性があるから」。
 ごく大雑把に、このくらいの寸法の4ドア・セダンをデザインして頂戴よと言われても、歴史も伝統もない新興メーカーの製品では、踏まえるべき過去からの企業カラーもないわけで、デザインの方向性も定めようがなかったのかもしれない。さらに、メーカーがどういう顧客を想定してどういう商品を提示したいのかも分からないでは、通り一遍の仕事しか出来なかろうと言うわけだ。

 ジゥジァーロ氏個人を弁護するもう一つのファクターがある。コルト・ギャランとカペラは、1969年の下半期から70年の上半期にかけて登場した車だ。当時開発のリードタイムがどの程度必要だったかはわからないが、デザインが確定してから1年半くらいで発売を開始するのは、流石に無理だったはずだ。
 両車が発売される約1年半前、ジゥジアーロ氏はベルトーネを去ってギアに移籍し、程なく経営不振のギアに見切りをつけて、自分の会社イタルデザインを立ち上げている。
 つまり極東の自動車メーカー2社に対して「あくどい商売」をしたのはジゥジァーロ当人ではなく、彼が当時在籍していたベルトーネ社だと見なしたほうが、妥当性が高いかもしれないのだ。

 世の中には、最近スキャンダルで話題になった和田義彦画伯のように、あからさまに他所様の作品を頂戴してきてしまった姿かたちのクルマも少なくないが、中にはコルト・ギャランとカペラのような例も、実は結構あるのかもしれない。
Posted at 2006/06/15 16:14:48 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2006年06月08日 イイね!

「貴方にとって車のキーとは」

「貴方にとって車のキーとは」「貴方にとって車のキーとはどういうものですか?」
5年ほど前、マツダの商品企画担当部署がいくつかのオーナーズ・クラブに一種のグループ・インタビューをしたと、当時Cプランナーが話してくれた。

 Cさんによると、あるクラブで議論百出の末に取りまとめた(取りまとめる必要があったのか疑問だが)回答は「小さいけれども、大切なもの」だそうだ。

 それは確かにその通りなんだけど、僕は内心『そっから先には広がりも膨らみもない答えだなぁ』と思った。もうちょっと、答えに色をつけてもいいんじゃないの、と。
 商品企画担当が、わざわざユーザーに意見を求めるのは、今後開発する製品のイメージとかキー・タームの種を探しているからなんだろうし、ならばそれに相応しい答えをひねり出すのが、ユーザー…というかファンの心意気なんじゃないのかな、と言うわけだ。

 で、ちょっと頭を捻って僕も考えてみた。

 一台のクルマを、ものすごく気に入って購入したオーナーがいる。四六時中そのクルマを運転していたい。一日中でもその車を感じていたい。そのくらい熱烈に気に入っている。けれども自動車相手にそれを実現するのは……人間相手でも難しいが……車じゃ尚のこと無理だ。何しろクルマはデカくて重い。
 けれども、クルマのキーだけは唯一、オーナーが肌身離さず持っていることができる。車そのものは自宅車庫に仕舞ってあっても、ポケットにキーを忍ばせて置くことはできる。だからクルマのキーと言うのは「そのクルマ全体、そのクルマのすべてを象徴するモノ」である。

 ……という、スカイラインにおける『戦場ヶ原の稲妻』みたいなことを(人前で言うのはさすがに恥ずかしいので)こっそりCさんに話した。
 まあ、正直に言うと期待もあったのだ。こういうユーザーの声を拾い集めて作られるマツダの新しい車のキーは、ちょっとばかりオーナー心を擽るようなものになるんじゃないのかな、と。

 それから約5年、クルマの運転がきっと大好きなオーナーたちに向けて作られた3代目ロードスターのキーは、添付した写真(向かって左)のようなものになった。
 若干の装飾性もなくはないが実用性が強く前面に出たこの形、なんだかライターっぽいなあと言う感じもするが、それより何よりガッカリなのは、リモコン式ドア・ロックを備える現行マツダ車にはみな、この形のキーが採用されていることだ。走り回るしか能のないようなクルマなんだから、そういうクルマとそれが大好きなオーナーの琴線に触れるような『特別』があってもいいんじゃないのか、と。
 コストの制約はよくわかるけども、もうちょっとこう…色をつけて欲しかったなあというのが偽らざる感想だ。
Posted at 2006/06/08 21:20:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2006年05月16日 イイね!

オトコのユメ

オトコのユメ職場への道すがら、トヨタ・モデリスタVM180ザガートに出会った。
トヨタのMR-Sに、イタリアの名門カロッツェリア「ザガート」の仕立てたエクステリアを与えたかなり特別なクルマだ。

 まあその、ごく正直に言ってしまうと、VM180は全然タイプじゃない。物珍しさはあるのだけれども、むかし懐かしい巨大ロボットものアニメにでも出てきそうな方向性が、どうにも肌に合わないのだ。ここ最近10年ばかりの間のザガートのデザインには、そっち方面を向いているものが多いのだが……。

 で、そのザガートがついこの間、ワン・オフのフェラーリを作った。
575GTZ(末尾のZはザガートのZ)と名づけられたこの車、日本人のフェラーリ・コレクターである「ヨシ・ハヤシ」と言う人物のリクエストに応えたものだと言う。(関連URL参照

 往年の250GTZやTdFのモチーフを巧く生かしていて、ややでっぷりした感じはあるが、昨今のピニンファリナ式懐古デザインと見比べると、こちらの方がずっと粋である。赤くないところも「判っている」感じがする。
 まあ、ただ一人の特別な客のためにオーダー・メイドであつらえたクルマと、カタログ・モデルたる量産車とを比較するのも酷な話ではあるが。

 この575GTZ、今年のヴィラ・デステ・コンクール・デレガンスにも出品された由。既製品の高額ブランド車をアクセサリーとする諸兄を、巷間「勝組」などと言ったりするようだが、このハヤシ氏と比べたら……と言うか、比較するのも可哀相だ。
 成功者と言うのか、男児一生の夢をかなえると言うのか、やはり「自分だけの一台」をこうしてリクエストしちゃうなんて、素晴らしすぎる。なんと言うか、カネの使い方を知ってる、って感じがする。

 とまれ、ハヤシ氏に限らず世界中にコレクターのいるフェラーリである。いまより先50年も60年も後にも、この車のサイド・ストーリーという形ではあろうが、文字通りハヤシ氏は歴史に名を残したわけだ。

 これもまたオトコのユメの一つの実現だろう。


追記:後日判明したことだが、これを発注したヨシ・ハヤシ氏とはガレーヂ伊太利屋創業社長の林良至である由。林氏はフェラーリのみならず旧いアルファ・ロメオのコレクターとしても著名(但し媒体露出は殆んどしない)だとのこと。
Posted at 2006/05/16 23:05:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2006年04月20日 イイね!

アテンザ、第2世代へ

アテンザ、第2世代へ仕事に一区切りがつくと、家に帰ってのんびりネット巡覧などするだけの精神的なゆとりも生まれてくる。久しぶりにオランダの自動車雑誌系サイト「AutoWeek.nl」を覗いてみた。

 今、トップ記事はBMWの新型3シリーズ・クーペの記事である。生憎とオランダ語は理解できないので、雰囲気以上の内容は分からないがメーカー公式写真くらいは堪能できる。

 ひとしきり眺めたあとスクープ写真のフォーラムを開くと、今月18日付の記事に「Mazda6」とあった。日本名アテンザ。一連のマツダ再生プランの第1号だ。あれが出たのが2002年頃だったから、確かに第2世代の話がボチボチ聞こえて来てもおかしくない。
 どれどれ画像はあるのかなとツリーを開いてみる。たまに「スクープ!次期○○○!!」なんて大文字が踊る日本の丸閉じ雑誌の表紙スキャンが丸ごと出ているだけなんてこともあるので油断はならないが、今回は確かに、見たところ現行アテンザのセダン(黒)を基に偽装を施した実験車両だった。

 フロント周りのパネルは前照灯もろともゴッソリ外されている様子で、そこにオーバー・サイズの偽装パネルが取り付けられている。代わりのライトは、どうやらRX-8のユニットをテキトーにステーか何かで無理矢理に固定しているだけの模様。
 つまり、ごく初期の実装試験車だ。とてもじゃないけれども、第2世代のエクステリアを占う手がかりになりそうな部分はない。いやまあ、本職の人にかかれば、それでも色々読み取っちゃうのかもしれないけど。

 
関連情報URL : http://autoweek.nl/
Posted at 2006/04/20 14:19:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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