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惰眠のブログ一覧

2006年12月19日 イイね!

アメリカに倣え

アメリカに倣え主としてアメリカが年次要求で突きつけてくる「改革」を断行し、「既得権益」をなくすことが今の政府の主要課題であるらしい。『既得権益』とレッテル貼りできるようなものならば、なんでもかんでも『改革』と称して亡き者にする、ということだ。要するに、なんでもあり。

 昨夜付けの毎日新聞オンライン版に、近く政府肝煎りで設置された経済財政諮問会議の労働市場改革の専門調査会会長に就任する予定であるICUのセンセイ、八代尚宏の記事が出ていた。
 彼の認識に拠ると、正規雇用と非正規雇用の労働者の間に存在する賃金格差を是正し、よく労働団体が持ち出す「同一労働・同一賃金」を達成するために正規雇用者の待遇条件を、より非正規雇用レベル近くまで引き下げる必要があるのだそうだ。なんでも、非正規雇用の側から見ると正規雇用の労働条件は「既得権益」に当たるので、引っ剥がさなくちゃいけないものであるらしい。

 普通の発想からすれば、より劣悪な労働条件を改善して労働状況全体の底上げを図るものなのだが、それをやると低成長のうえ(いざなぎ景気を上回る好景気だという話なのに)国際競争にさらされた企業が、人件費負担で困ってしまうから、と言うわけだ。こういう学者先生が政府の諮問機関の幹部になって、政策提言を行うわけである。

 さらに役所のレベルでも、厚生労働省が「ホワイトカラ・エグゼンプション」などという普通聞いても理解できないようなカタカナ言葉を持ち出して『時間外労賃の不払い合法化』を実現しようとしている。アメリカさんから何年も前に要求されていて、日本経団連がつい先日、政府に要望書を提出したアレだ。
 こうなってくると、住みにくいとか暮らしにくいどころの話ではない。現状で既に貧困率が15%を超えているというのに、これでは「暮らしていけない」国になってしまう。

 で、こういう要求を日本に突きつけて「わが国に倣え」とやってるアメリカさんの内情はと言うと、ニューヨーク在住者の6人に1人がその日の食事を手に入れるにも困る生活をしており、しかもその割合は増加を続けているとAP通信が伝えている。米農務省の公開資料などを基にした記事でだ。
 さらに記事に拠ると、こうした生活困窮者はホームレスばかりではなく、ニューヨーク市職員の中からも、そういう層が出ていると言うのだから穏やかではない。わが国政府はあまりそういう種類の生活困窮者の存在や増加を認めたがらないが、いわゆる「ワーキング・プア」と言う奴である。

 今回の話題は『暗いニュースリンク』というネタ元(関連URL)に準拠しているのだが、国内資産の70%を上位10%の富裕層が所有し「富裕層の子女は引き続き富裕層に属し、貧困層の子女が社会階層を上昇することは困難」の図は、いっそ中世を見ているようでさえある。
いま安倍内閣がやろうとしていることが逐一実現した後に訪れるであろう未来絵図を見せ付けられているようで、大変気持ちが暗くなる。

 そういえば与党税調の示した税制大綱では、低成長と国際競争にさらされた企業のために減価償却の見直し等々金額が出てるだけで6千数百億円規模の減税を講じる一方で、家計に対しては住宅取得関連の特例延長や、所得税の寄付金控除で90億にも満たない減税措置を講じるだけとなっている。

 Economyの訳語である「経済」は経世済民に拠る。世を経(おさ)め、民を済(すく)うの意味だそうだ。民が潤わずして国が栄えるものか。「美しい国」などと嘯いて、昔の日本人には貧しい同士互いに支えあう『清貧』の心があったなんてのは、全く本末転倒である。

 こうも立て続けに困ったことばかり起こると性格的に黙ってられないのだが、いい加減、楽しい車のネタばっかり書きたいよ……。
Posted at 2006/12/19 14:48:11 | コメント(1) | トラックバック(1) | ふと思ったこと | 日記
2006年12月13日 イイね!

銀杏

銀杏駒沢通りの都心側終点あたりの銀杏並木の下に、現行型のフィアット・パンダが停車していた。以前ちょっと書いたけれど、この車はもともと「Gingo」という名前でデビューするはずだった。Gingoの意味は、銀杏である。

 何で自動車に樹木の名前をつけるのだろうと、ちょっとばかり不思議に思って調べたところ、当時の確かGingoの命名を巡るルノーとフィアットの紛争を報じた記事の中に「欧州で銀杏の樹は長寿と健康をイメージさせるシンボル」みたいなことを書いてあったのを見つけたような覚えがある。縁起をかついだのかもしれない。ユーザーにとっての縁起か、当時青息吐息だったフィアットにとっての縁起かは判然としないけど。

 ところで「銀杏」は(普通はギンナンだが)ギンキョウとも読む。ギンキョウとギンゴ、なんだか似た音だなあと思ったら何のことはない、元は日本語のギンキョウであるらしいのだ。ゲーテが銀杏の葉をモチーフに書き上げた詩を紹介しているサイトの説明が丁度コンパクトにまとまっていると思うが、経緯は梗概、次の通りのようだ。

 将軍綱吉の時代に日本にやってきたドイツ人の医師にして植物学者のエンゲルベルト・ケンプファーは、欧州には自生していない(というか、自生地は中国の一部だけらしい)銀杏を見ていたく驚き、これを欧州に持ち帰りオランダはユトレヒトにある植物園に播種(だろうなあ……船旅だし)したのだそうだ。
 で、色んなサイトに書いてあるところに拠るとドクトール・ケムプファーがこの植物の名前を「Ginkyo」とすべきところを「Ginkgo」と聞き違えた(書き違えた説もあり)とし、それを植物学者カール・フォン・リンネが受け容れたためにギンゴになってしまったとある。中には『ドイツ人はキョウの発音が苦手なので敢えて綴りを変えた』みたいな説もある。

 でもちょっと、僕は個人的にこの「聞き違い」「書き違い」説には与しない。でもっと単純に、ケンプファーのメモを受け取ったリンネの『読み間違い』に原因があると思う。
 活字体だと別の文字だと一目瞭然だけれども、手書き筆記体の場合、小文字アルファベットのgとyは、見間違える可能性があるからだ。特に書きなぐりだと、一層見分けがつきにくくなることがある。
 もちろん、ケンプファーが書き違えた可能性がゼロだとは言わないが、実際に日本に来た彼は自分の耳でこの植物が『ギンキョー』と呼ばれるのを聞いているはずである。なら、彼はメモに(多分筆記体で)Ginkyoと記したと考えるほうが自然だろう。ま、想像だけど。
 大英博物館にいけばケンプファーの直筆メモがあるらしいので、自分の目で確認してみるのも一興かもしれない。

 イチョウには「銀杏」のほかにも「公孫樹」なんて字が当てられる。調べてみると、『イチョウ』というのは葉っぱの形に由来した中国名『鴨脚(イーチャオ)』の転訛で、『公孫樹』は爺さんの代に植えた樹が実をつけるのが孫の代になることに由来した二つ名であるらしい。
 日本では「桃栗三年柿八年」で、いずれも自分の代で収穫にまでこぎつけるものだが、孫の代の実りを期待して栽培植物を植えた中国は、流石四千年の歴史(by日清中華三昧)の国である。
 なんにせよ、カタカナで『イチョウ』と書くよりも『公孫樹』とか『銀杏』と書くほうが、僕は好きだ。
Posted at 2006/12/13 12:30:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記
2006年12月12日 イイね!

家賃月額6万円チョイ

家賃月額6万円チョイご近所にはニューオータニや赤坂プリンスと言う都心の超一等地。このライト・カーキの建物(添付画像奥側)は、入居条件はとってもシビアだけれども、それさえクリアできれば6年間は月々のお家賃6万円少々で住むことができる。
と言うのもこれ、参議院の議員宿舎なのだ。

 でもまあ、目くじら立てるようなことじゃあないと僕は思う。
地方選出の国会議員が、東京に出てきたら高い家賃も払えずに3畳一間の小さな下宿、キャベツばかりを齧ってたら、そんな暮らしは哀しい。贅沢させてやれとは言わないけど、数十万人の期待と支持を得て中央政界に出て来るんだから、それなりの待遇ってものはあってもいい。どうせ、目白とか松涛とか麻布とかに(地元の自宅と別の)私邸を構えられるような裕福な国会議員は入居しないわけだし。

 赤坂の衆院議員宿舎落成を機にワイドショーとかがしきりに取り上げているんだけれども、問題視して騒ぎ立てなくちゃいけないことは他に幾らでもあるはずなのになー。なんか目先にぶら下がった食いつきやすいネタに飛びついてるだけに見えるんだよなあ……。
Posted at 2006/12/12 12:27:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記
2006年12月06日 イイね!

しんぞう の なかまは 「カイカク」 の じゅもんをとなえた!

しんぞう の なかまは 「カイカク」 の じゅもんをとなえた!よとうせんもんぶかいは「カイカク」をはねかえした!!

 か、どうか知らないが、今日の夕方のニュースを見ていて嗤ってしまった。
『しんぞうのなかま』は塩崎恭久官房長官のことであるが、彼に言わせると受益者負担と言うギリギリの合理的説明に基づいて道路整備財源として特別に割高な暫定税率に設定されている揮発油税を『なんにでも使える便利なお財布』こと一般財源に切り替えることは、「改革の試金石だと国民が見守っている」そうである。
 こういう噴飯もののことを口にするから、すかさず出席した自民党議員から「ウソをつけ!」などと野次られるのだ。安いウソはみっともない。

 カイカクのためにバッサリ斬り捨てたはずの所謂「郵政造反組」復党問題も含めて、「カイカク」は賞味期限切れのフレーズになりつつある。もはや、錦の御旗にはならない。その辺の空気を、どうも安倍総理とその取り巻きは読めていない。

 そういうゴシップ的な興味は兎も角として、揮発油税の一般財源化は、とんでもない話である。法定額よりも割り増しの暫定税率が容認されうるのは、「貴方ガソリンを入れて車を走らせますよね、車は道路を走りますよね、だったら道路整備のために多目の税金を払ってくださいね」という受益者負担の論拠があるからだ。特定財源だからこそ許される。

 これを一般財源化してOKと言うことになってしまったら、徴税根拠や立法根拠は最早「そんなモノはどうでも構わない」と立法の府が宣言するに等しい。法治国家として守るべきルールの放棄である。

 現内閣がどうしてもこれを一般財源化したいのであれば「最近チョット財政が苦しくってさ~、悪いんだけど頼むわ」みたいなオツムの足りない主張ではなくって、キッチリと「暫定税率を維持する合理的理由」だとか「目的税として創設されたものを一般財源化することの正当な論理的根拠」みたいなものを提示して、広く主権者国民の理解と納得を得る努力をするのが筋だ。

 あー。でも今の総理とかは、国民主権とか民主主義みたいなのが大きらいなんだっけ。だけど今の日本国の主権者は国民で、政治体制は議会制民主主義なんだから、その基本ルールを無視するような美しくないことは、してもらっちゃあ困るなー。
 したら次は、前任の総理みたいに逆ギレして「それじゃあなた方は日本中が夕張市みたいになっても、いいって言うんですか!」とか声裏返らせながら叫ぶのかなー。
Posted at 2006/12/06 21:44:10 | コメント(2) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記
2006年11月22日 イイね!

やべぇ国になってきたな、と。

やべぇ国になってきたな、と。先日の衆院での与党単独採決の結果、「教育基本法改正案」こと愛国教育基本法案は、本国会の会期残り日数から勘定して参院で審議未了でも法律が自然成立するところまで来てしまった。なんともヤベェ国になってきたなと薄ら寒さを覚える。

 僕は安倍総理の唱える『美しい国』のフレーズが気色悪くてたまらない。彼が口にするこの言葉を聞いて真っ先に思い及んだのが『退廃芸術』のことである。公権力が、個々人の美意識だとか芸術的感性にまで踏み込んできて、これは社会を堕落させる間違った意識であるというようなことを統制したことを思い起こさせたのだ。何を美しいと感じるか、そういう人間の内面にまでも「くに」が口をさしはさみアレコレ指図する――おぞましい限りである。

 ほぼそれと同じ感覚で、今般の教育基本法改正案も気色が悪くて仕方がない。
一体なんだって「くにをおもうこころ」みたいなもんを、将来の有権者にインプリンティングせにゃならんのだ。大体、この「くに」ってなんなんだ。豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)か。それとも「大君の辺にこそ死なめ」の君が代なる国体か。冗談ではない。

 昔の偉い人はこう言った。「まず隗より始めよ」と。
「くに」なんていう漠然として抽象的で遠い雲の上の、如何様にでも解釈できるような存在を大切に思ったり愛したりすることなんかよりも、まず真っ先に自分の身近の人間を大切に思い慈しむ人間を育てること、そういう教育を行うことが大事なんじゃないのか。
凄く昔の凄く偉い人も言っている。「汝の隣人を愛せよ」と。
このことを敷衍していくと結局、自分の身近な人を大事に思い、そういう大事な人々が暮らす「場所」としての国を愛するようになるってもんじゃないのか。「人」を大事にすることよりも先に「くに」を思えだなんて、メチャクチャな話である。そういうことは『偉大なる将軍様』の国ででもやっててくれれば十分である。
Posted at 2006/11/22 17:10:29 | コメント(3) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記

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何シテル?   07/24 21:51
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