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2007年01月11日 イイね!

まずは隗より初めてみてはどうだろうか

まずは隗より初めてみてはどうだろうか政府はホワイトカラー・エグゼンプションをどーしても導入したいらしい。塩崎官房長官は、次の通常国会に上程し成立を期したい旨、強調したのだそうだ。
まーしかし、例によって例の如き幼稚な小細工が嗤える。年収900万円を分水嶺にすることによって「被害」を蒙る給与所得者は20万人、しかも労使で合意できなきゃその企業では実施できないんだから実際にはもっと少ないだろみたいなことを言い出す。

 給与所得生活者で年収900万以上の、非管理職とのくくりであるならば、日本のサラリーマンの平均年収からすればかなり限られたグループだと言うことは、多分可能だ。いわゆるワーキング・プアだとか、そこまで極端でなくともこの制度の「被害」を受けない大多数の給与所得者から「そんなに稼いでる奴らが多少痛い目にあってもザマアミロだぜ」的な賛同を得られる可能性は、確かにある。これまでのコイズミ改革とやらの帰趨を見る限り。

 しかし、これは有り体に言って詭弁であり小細工であり詐欺的手法である。
管理職ではない一般サラリーマンが年収900万円に達するとき、その年間総労働時間――いや、時間外労働時間はどれほどのものになるのかちょっと想像してみるといい。

 僕の友人に1人、大学を出て社会人になった最初の年に、年収900万円近くを稼ぎ出したサラリーマンがいる。給与水準が割と高い会社に就職したことは事実だが、しかし額面で基本給が20万そこそこの若造がそこまでの収入を得られた理由は、ひとえに忙しすぎて全く休みが取れなかったことによる。入社後半年で満足に丸1日休日となったのが、5日に満たなかったのだ。彼の口癖は「1日10万円でもいいから休日を買いたい」だった。

 時間外労働が多ければ、そして代休消化ができなければ、好むと好まざるとに関わらず給与所得の額は大きくなるのである。たとえ、得た収入を使う時間すらなかったとしても。
 そうして「高額所得者」となった挙句に時間外の労賃は払いませんなんてことになって……一体誰が仕事を続けると言うのだろう。そうでなくてもいまどこの企業も、人件費圧縮のために正規雇用の従業員数を減らす傾向にある。
 人が減ったからと言って仕事まで減るわけではないのだから、畢竟一人当たりの業務量は増加する。当然、就業時間中に仕事を片付けきれない状況が常態化することになる。そして、やらなきゃいけない仕事が残っているのに、定刻になったからお家に帰りますなんて輩は、どこの職場でもお呼びじゃない。

 厚生労働省と財界と、元をただせばアメリカが要求しているこの制度は、経営効率と収益率がよければ満足な投資家だとか経営者には嬉しい限りの話に違いないが、働く人間に取っちゃ実情無視も甚だしい事柄である。

 そしていまひとつ、ひとたびこの制度が成立してしまえば、簡単な法改正手続き――もしくは政令や省令、もしくは立法措置すら伴わない行政手続きによって、900万円と仮に定められたボーダー・ラインを、ズルズル引き下げることもできるのである。俺の年収なら関係ねーや、とか思ってたら大間違いなのだ。

 表題で僕は、まずは隗より始めてみてはどうだろうか、と書いた。
民間企業にこの残業代不払い制度を許す前に、霞ヶ関の中央官庁でやってみればいいと言う意味だ。

 主にワイドショーや週刊誌あたりが中心になってイメージを形成させているほど、公務員はヒマなわけではない(無論、異常な例外者は存在するが)。特に、予算の分捕り合戦が行われる時期の中央官僚の勤務状況は、話を聞いているだけでも落涙モノだ。時々庁舎の屋上からヒモなしバンジージャンプに挑む疲れきった官僚が現れるのも無理ないなーとさえ思う。
 しかも(民間の給与水準が抑えられがちな昨今は兎も角)公務員一般の給与水準は、決して高くない。僕の知る限り、一部の高給(誤字にあらず)官僚を別にすれば、中央官庁公務員の生活レベルは寧ろつましいと言っても過言ではない。

 その彼らから、時間外手当を一切取り上げてみるがいい。その他諸手当もバッサリやめてみるがいい。9時5時で仕事を終えられないのは無能の証だとして査定を下げてみるがいい。強制的な定時退庁を義務付けてみるがいい。それで行政が滞らず成果がグングン良くなり、かつ行政サービスの質が些かも低下せず、職員の士気も健康も高いレベルで保たれたならば、その時こそ胸を張って民間でも導入すべきだと主張するがいい。

 ――いや、お国のためにわが身を犠牲にして努めるのが美しい国のありようだと考える連中にとっては、そういう屈辱的労働環境でも「お国のためなら」と美しい自己犠牲精神を発揮する労働者を育成すべく、教育制度の根本から改めたのだったっけ。まったく。やれやれだ。
Posted at 2007/01/11 22:25:54 | コメント(4) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記

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