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惰眠のブログ一覧

2005年03月22日 イイね!

華麗なBMWのロードスター

華麗なBMWのロードスターアルブレヒト・グラーフ・フォン・ゲルツと言うデザイナーがいた。
はっきり公表されたわけではないようだけれど、ダットサン・フェアレディーのシャシーに折れ線も鮮やかなクーペボディーを載せた初代シルビアのデザイナーと伝えられる人物だ。(訂正追記。初代シルビアのデザインにゲルツ氏は直接関与していない。日本人デザイナーの作であり、ゲルツ氏は助言をしていたに留まる)
余談ながら「ゲルツ」の綴りにはオーウムラウトを使うので非ドイツ語圏ではGoertzと表記することになる。大文豪ギョエテのひそみに習えばギョエルツか。その彼が手がけたのが1956年のBMW507(写真)だ。

 物の本によると、敗戦後ボロボロの財務状態に陥ったBMW ―連合国から中型以上の車の製造は禁じられるは、最大の生産拠点は分割された東側に存在するは― が、ガル=ウイングで有名なメルセデス・ベンツ300SLの北米市場での成功を見て一発逆転を賭けて世に送り出した車だという。で、セールスの結果は惨敗。傾いていた会社が沈没寸前にまでなったとか。
 値段が高すぎたことと、性能面 ―とりわけブレーキの能力― が不十分で顧客にそっぽを向かれたのが原因であったらしい。総生産台数は二百数十台とか。

 この時代の各国の車のデザインを並べてみていると、今に比べてお国柄とか民族性が随分と色濃く出ているようで興味深い。
 真面目に合理的にと工夫すればするほど突拍子もなくなっていくフランス車、熱情と直感に基づいて情感たっぷりの造型をするイタリア車。これらと比べるとドイツ車は、感動とか情緒とかカッコよさなど人間のエモーションに関わる表現をも論理と計算で導き出しているような一種独特の堅苦しさが垣間見えるように思う。

 袁參は虎と化した隴西の李徴の詩作を「作者の素質が第一流に属するものであることは疑いない。しかし、このままでは、第一流の作品となるのには、どこか(非常に微妙な点において)欠けるところがあるのではないか」と評した(中島敦「山月記」)。
 それと同じように僕はドイツ車のデザインを、綺麗でカッコよくて破綻もない一級品なのだけれども、なんかちょっと物足りなく感じることが少なくない。
Posted at 2005/03/22 16:35:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2005年03月22日 イイね!

BMWの確かなデザイン力

BMWの確かなデザイン力まあちょっとイマサラ感のあるネタだけれども、ジュネーヴ・ショーの記事を見ていると、BMW3シリーズの次世代モデルが公表されている。
 好きか苦手かの感想を別にすると、写真で見ただけではあるけれども本当に惚れ惚れするくらい見事なデザインに仕上がっていることに心底感心する。automotive designに寄稿しているインディペンデントの自動車デザイナー荒川健氏は現行の3シリーズをして「完璧なデザイン」と絶賛しているのだけれども、なるほどと頷ける。

 巧いなぁと思うのは、ヘッドライト・クラスターや車体側面のパネルの意匠に1シリーズ(写真)のイメージを上手に織り込んでいること。
 見慣れないうちは一寸ギョッとさせられるような多少エグ味のある(よく言えば「個性的」ではあるが)造型を主力量販車種に持ち込む前にマーケットの目を慣らせることに成功しているように思う。
 何より感心させられるのは、ちゃんとセダンの形になっていること。アルファ156も同じように感心したのだけれども、スタイルを重視の方針を、居住空間が圧迫されることの言い訳にしていない。まず、きちんと人を乗せる。その上で、スタイリッシュなスタイルを追求する。その優先順位に誤りがない感じ。

 その昔、E36系のBMW3シリーズ(ということは先々代かな?)クーペを見に行ったとき、面白がって後部座席に乗ってみたら、何ら窮屈なところもなく体が納まったのでとても驚いた。そう言えばVWコラードも、ちゃんと後ろに大人が座れた。スタイリング上の個人的な好き嫌いは別にして、だから僕はドイツの車作りを尊敬している。
Posted at 2005/03/22 13:31:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2005年03月21日 イイね!

マセラティとシトロエン

マセラティとシトロエン昔々、潰れかけていたマセラティをシトロエンが支援したことがあった。そのとき生まれたのがシトロエンSMや、SMと同じエンジンを積むマセラティのメラク。クアトロポルテⅡの名で、SMのハイドロニューマチックを丸ごと持ち込んだサルーンも開発されたそうだけれど、こちらはシトロエンとの縁が切れて日の目を見なかった。
僕がオギャアと生まれてから、幼稚園に入るくらいの頃の話だ。

 子供の頃の僕にとってガイシャといえばシトロエン、シトロエンと言えばSMだった。当時持っていた図鑑にSMの絵が出ていたのが、こういう連想ゲームを生んだ原因だろうと想像するのだけれども、要するにリアタイヤをスパッツで覆った特徴的な2ドアクーペのキャラクターが、幼児の目には判別しやすかっただけのことかもしれない。

 いま大人になって改めて感じるのは、SMのように伝説や神話とは縁遠いクルマって静かでいいな、と言うこと。僕はイタリアのエキゾチック・カーも大好きだけれども、あちらはどうも様々の物語たちが人に語られることを今か今かと手薬煉引いて待ち構えているようなところがあって、時々ちょっと疲れる。
Posted at 2005/03/21 21:07:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2005年03月21日 イイね!

また随分と太ったねぇ…

また随分と太ったねぇ…代替わりしたメルセデスのAクラスがショールームに展示されているのを見て、つい口を付いて出た台詞。
前はあんなにスマートだったのにねぇ…随分と丸っこくて大きくなっちゃったのねぇ。

 そういえばトヨタのヴィッツも世代が代わってコロコロとしたボリューム感のある形になったから、もしかしたら今こういうのが自動車デザインのトレンドなのかもしれない。
 これは市場を研究した成果なのか、それとも市場に迎合した結果なのか。ま、どっちでもいいんだけど大人4人が結構ちゃんと乗れる初代Aクラスの室内空間はわりと好きだったので、こう野放図に大きくなられちゃうと何だかちょっと哀しい。

 しかし初代A160は、実際に走らせるとちょっと凄かったからなぁ…。自動車評論家の絶賛が全くあてにならないことを骨身に染みさせてくれた車と言う意味では、非常に得がたい経験ではあったけれども。
Posted at 2005/03/21 20:03:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2005年03月19日 イイね!

宇宙船と呼ばれた車

宇宙船と呼ばれた車元ピニンファリナのデザイナー、エンリコ・フミア氏は「日本から、シトロエンDSのような革新的なデザインの車が登場することを願っている」と言った。去年の今ごろとしまえんで開催されたCGスプリングミートの公演でのことだ。
 自動車の動力源が、従来の内燃機関一本槍から、電気モーターとのハイブリッドなどなどへと移行しているのだから、その技術的革新をスタイルの上でも表現すべきだとフミア氏は主張する。

 シトロエンDSは1955年にデビューし、1975年まで20年にわたって生産された長寿モデルだ。普通、車のサスペンションは緩衝装置に金属ばねを用いるものだけれども、DSは窒素ガス(と油圧)を使ったところが新しかった。この系を緩衝装置だけではなくブレーキのサーボ系統の油圧まで一緒くたにするあたりがフランス的合理主義というものなのだろうか。
 「下血」などと喩えられるこのガス-油圧系(ハイドロ=ニューマチック)からのオイル漏れが持病のように言われるけれども、ギャビン・ライアルのハードボイルド小説「深夜プラス1」では逆に、ちょっとやそっとのダメージを受けても難なく目的地まで走り切れるタフな車として主人公達が絶大な信頼を寄せている。

 この車、デビューして当初は宇宙船みたいな格好だと言われていたらしい。そう言いたくなる気持ちもよく分かるくらい、普通の自動車のスタイルからは随分かけ離れている。前出のフミア氏は、こういうのがデザインのブレークスルーだと言うのだけれども、僕はちょっと同意しかねる。
 だって、これは一発芸だ。過去のシトロエンのデザインとも、この後のシトロエンのデザインともほとんど何の関連性もないし、シトロエンに限らず他のメーカーの自動車デザインに何か影響を及ぼしたとも言えない。そりゃまあ、その時代の「車のデザインとはかくあるべきもの」と言うような暗黙の了解を突き崩したのだからブレイクスルーだと言えばそうなのかもしれないが…。

 ところでこのDSには「宇宙船」のほかにも「女神」なんて綽名もあるのだそうだ。随分ナメクジっぽい姿の女神さまだなぁなんて思ってたら、そうではなくてDS(デーエス)がフランス語で女神を意味する「Deesse(デェス)」とよく似た発音だからだそうだ。語呂合わせは日本語の専売特許ではないらしい。
Posted at 2005/03/20 00:05:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
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