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惰眠のブログ一覧

2009年07月10日 イイね!

レンズが明るいと言うことは

レンズが明るいと言うことは意識の上ではあったんだけれども、実際の出来上がりを見てちょっとびっくりした。と言うのが、添付写真の話。開放f=1.4の、屋内ノー・ストロボ撮影での実力をちょっと試してみようと思い、来年には閉鎖される筈のお台場メガウェブに出かけて撮ってきたものだ。
 メガウェブには、薄暗い屋内に1950~60年代風の街角セットを組み、そこに当時の車を並べたヒストリック・ガレージと言う展示があって、その暗さがレンズのテストにもってこいだと考えたのだ。

 で、レンズが明るいとヒストリック・ガレージ内の薄ぼんやりした照明のみでも添付写真くらい問題なく撮れて、その点は万々歳だったのだけれども、なんだかミニチュアの情景模型を撮影したような感じになっている。理由のひとつは現場のライティングにあるのだけれど、それ以上に大きいのがレンズの問題だ。

 この写真がなんでミニチュア模型を撮ったみたいに見えるかと言うと、焦点の合っている奥行き(被写界深度)が浅いからだ。赤いディノの腰周りはしっかり合焦しているけれど、車体の真ん中より向こうは既にオフ・フォーカスになっている。絞りを開けば被写界深度が浅くなって、こういう写り方になるのは当然だ。
 でも広角30ミリのレンズでピンの許容範囲が1メーター内外になるってのは、少しばかり予想を超えていた。侮りがたしf=1.4。なかなか綺麗なぼけ味なんだけど、暗い室内で補助光源なしの絞り全開撮影するときなんかは、けっこう焦点合わせがシビアかもしれない。まぁそのためのオート・フォーカスではあるのだが。
Posted at 2009/07/10 16:43:25 | コメント(3) | トラックバック(0) | 身の回りの出来事 | 日記
2009年07月06日 イイね!

流出した147後継車写真

流出した147後継車写真僕が添付しているのは既に市販されているMiTo(ミト)の写真だけれど、italiaspeed.comには巷間“ミラノ”と言う名になると囁かれているアルファ・ロメオ147の後継モデルの記事写真(フォトギャラリーあり)が掲載されている。

 写真の状況から察するに、これらを撮影して外部に売ったのは(無償提供とはちょっと思えない)この“ミラノ”の製造ラインで働く従業員だろう。なんというモラルのない。 別の従業員が背中を向けて写り込んでいるショットもあるが、建物内の照明だけでストロボも焚かず、どうやら大半は腰のあたりに構えたカメラで撮影したらしいことから想像すると、撮影者も「ヤバいことに手を染めている」という自覚は持ち合わせているようだ。まったく……。

 いち自動車ファンとしては、粗い写真ながらもいち早くその姿を目にすることが出来る「スクープ写真」はもちろん好きなんだけれど、僕はこーゆー風に内部の人間が下手人になるのは感心しない。感心しないというよりも“会社勤めをしている人間”として、かなり不愉快だ。こんなのは「スクープ」じゃなくて「こそ泥」じゃねーかと思う。

 と言うような憤慨はともかくとして、流出した写真で見た限りの印象を言うと……いや、あまり言いたくない。わざわざボキャブラリーの引き出しを攫い直すのも億劫になる。大体、歴史と伝統の“楯”グリルを、これほどまでにニュアンスのない、ただの逆二等辺三角形にしちまう神経がわからん。
 時代によりモデルにより縦長だったり幅広だったり縁取りだけだったりと変遷はあるが、こんっっなにも「自分とこのエンブレムに対する矜持」を感じさせない造形はかつて無かったんじゃないかとさえ思う。。少なくとも僕の思い当たる限りでは、一部のデザイン・ハウスが、アルファの看板だけ借りて仕立てた(あんまり優れているとは思えない)独自のスタイリング・プロポーザルに、幾つかあったかなかったかという程度だ。無論、最終的には実物を見てみないことにはなんともだが……あんまり期待できないような気がしている。

 それより何より、今のアルファの意思決定機関って、もしかして“アルファ・ロメオ”に対する思いいれが殆んどないのかなぁと邪推したくなってくるが、それは別に“ミラノ”の姿かたちだけが原因で感じたことではない。どちらかと言えば、同じitaliaspeed.comが数日前に報じた、アルファ・ロメオの上部企業であるフィアットの最高経営責任者がした発言によるところが大きい。

 記事によれば、破綻したクライスラーとの提携を決めたフィアットのマルキオンネCEOは「アルファ・ロメオのモデルを北米ではダッジ(クライスラーの1ブランド)の名前で売ることも一つのアイディアだ」みたいなことを言っている。そしてその根拠が「ダッジがアメリカの“マッスル・カー”であるように、アルファ・ロメオもヨーロッパの“マッスル・カー”だからだ」というのだ。アルファが“マッスル・カー”って……もう溜息しか出ない。

 まぁ、オリジナルより重たくなった「GTA」とか(アルファのGTAの“A”は、元々「軽量化済み」を意味していた。単なる高性能版なんかじゃあ、なかったのである)平気で出すくらいだから、さもありなんとは思うんだけども……やっぱりガッカリだ。
Posted at 2009/07/06 15:53:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2009年07月02日 イイね!

開放f1.4

開放f1.4 衝動的にレンズを買った。開放f――レンズそのものの明るさ――は1.4。かなり明るい部類に入る。いま使っているニコンのD80にキットで付属していたレンズの何が不満って、暗いのである。f値が最も広角よりで3.5もありやがる。望遠側だと5.6。一昔前のズーム・レンズに比べれば、これでもすごく明るくなっているんだけれど、普段使いのレンズならf値はせめて2.8を下回らなくちゃダメだ。

 ……というのが、38ミリ単焦点レンズ(fは2.8)のコンパクト・カメラが出発点の僕の持論なのだが、持論はともかくとして1:3.5というレンズの「暗さ」は、そろそろ我慢の限界に達しつつあった。

 先に薄暗い屋内展示の自動車イベントで、「写真撮影OK」を謳いながら外付けストロボはNG、三脚はもちろんNGという、嫌がらせめいた条件に泣かされたのも小さくない理由のひとつではある。
 ともあれ、新規に投入したレンズの明るいこと明るいこと。面白がって信号待ちの折にノー・ストロボ&手持ちで前に停まっていた初代インサイトを撮影したのが添付の写真。レタッチ・ソフトなんか出る幕が無い。うむ、やはりカメラにとって明るいレンズとは「正義」なのである。

 ところで、昨今のカメラ(デジタル)の宣伝文句を見ていると、画素数がン百万だってことばっかりしか言わないが、僕はそれが好かん。カメラの命は画素数ではない。レンズである。
 そりゃ確かに一昔前のデジタル・カメラは、表示サイズが640×480の画面でさえ荒れがあからさまに分ったくらいで、もしかしたらその時代のトラウマがメーカーをして画素数連呼に走らせているのかと思わないことも無い。実際、その当時のデジタル写真はありとあらゆる意味で辛かったから。

 それにレンズの件を生真面目に突き詰めちゃうと、恐らくいま各メーカーが主力商品にしているポケット・サイズ薄型カメラを自己否定しちゃうことにもなりかねないって事情もあるのかも知れない。

 「昔はコンパクト・カメラでもちゃんとレンズの大切さを訴えてたぜ?」なんてことを思っちゃう僕としては、レンズを差し置いて画素数の宣伝ばっかりする広告手法は、ちょっとユーザーに対して不誠実なように感じられて好かんのだが、一方で昔っからワンテン(110)カメラのような需要、もっと言えば“レンズつきフィルム”にも多大な需要があった。
普及型のポケット・サイズ機が、例えばそれこそ「写るンです」の代替として市場に受け容れられてるんだとするならば、これはこれでアリなのかなーと寛容な気持ちになってくるから不思議だ。ある面、自動車の世界の「エントリー・カー」に対するメーカーの姿勢にも通底するようにも思うんだけど、カメラは多少性能が不十分でも車と違って人命に関わることにはならないし。
Posted at 2009/07/06 17:42:35 | コメント(3) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記
2009年06月20日 イイね!

ハイブリッド車をハシゴ試乗:そのついでに「アルファのMiTo」

ハイブリッド車をハシゴ試乗:そのついでに「アルファのMiTo」2代目ホンダ・インサイトと3代目トヨタ・プリウスに試乗したついでに、アルファ・ロメオのMiTo(ミト)にも試乗してきた。まさに暇人である。
 ハイブリッド車2台に乗ると、ターボ・チャージャーつき1400ccのコンベンショナルな内燃機関車は、なんだか旅先のホテル暮らしから住み慣れたわが家に帰ってきたようで、凄くホッとする。そうそう、自動車ってのはこれだよ、これ……。

 日本に正規輸入で入ってくるMiToは単一グレードの6段手動変速つき右ハンドル車だ。正直言って、僕はこれまでアルファ・ロメオの右ハンドル仕様にはあまりいい印象がなかった。日本で販売が始まった直後の156に試乗したとき「EU内の英国には右ハンドル仕様を出してる筈なのに、なんでこんな……」とネガティブな感触があったからだ。

 しかし「神話」などという大仰な意味も併せ持つ命名のMiToは違う。普段使いの車から乗り換えても、少しも違和感なく……それがいいことなのかは多少検討の余地があるが、気持ちよく走らせることが出来た。先日展示車両に乗り込んだときにひどく気になったペダルとハンドルの「イタリアの手長猿」配置も、ハンドルの位置調整に結構自由度があったので、違和感がないポジションを選ぶことが出来た。最初の悪印象は撤回する。むしろ気になったのはクラッチ・ペダルのストロークの長さと、ペダルが上がりきった状態のときのシートへの近さだ。ペダルはもっと重くていいから、ストロークをせめて4分の3くらいに短縮して欲しい。
 Aピラーの位置形状も、実際に走らせているときには(少なくとも街中では)ほとんど気にならなかった。曲率の大きい道、例えば狭隘な山坂道なんかを走るときには別かもしれないが、少なくともごく短時間の市街地試乗では気にするほどのものではなかった。やっぱり、車ってのは実際に動かしてみないと分んないんだよね……。

 で、その実際に動かしてみての話だが、二玄社あたりの雑誌なんかがしきりに謳い上げる「ラテンの」とか「ホット・ハッチ」のような形容詞を真に受けていると、きっと肩透かしを食う。けれど、マツダ製の幌式2座の車から乗り換えて運転しても、シートの座面が高くて実際の速度より体感速度が低く感じられちゃうことを別にすれば、同じ“自動車らしい自動車”の延長線上の感覚でいられる。
 最近何台か試乗したクルマ――ほとんど全部国産だけど――が、どんどん「自動車らしさ」を消して新幹線っぽい方向(もっと言ってしまえばドライブ・シミュレーターやゲーム機のように自動車の「物理的な挙動」から運転手を遠ざけ、切り離す方向)に向かった「洗練」を志向しているように感じられるのと比べると、これはちゃんと「クルマ」として作られてる。そんな感じがする。車を運転しているんだ、という実感がちゃんとある。

 ところでMiToは速いか?と言うと、これがターボつきとは言え1400ccのクルマだってことを思い返したほうがいい。GSDとか言うロボット変速機を備えた1400ccのゴルフ(あれも過給機がついてたなぁ)と、試乗した感覚で言えば同等だと思う……ってことは、結構速いと言うことではあるんだけど、度外れて速いクルマではない。

 そのうち壊れてしまいそうな雰囲気満点の新機構、D.N.A.システムのモードをN(ノーマル)のままにして走っていると、ちょっとペダルの踏み込みに対するクルマの反応が物足りないところがあったので、イタリア的極端さが出てると怖いなぁとおっかなびっくりでD(ダイナミック)モードを試してみると、これは僕の運転のリズムにピタリとはまった。余計な電気仕掛けなんか付けないで最初からDモード固定の設定でいいと思うんだけど、なんでこういう新機構を盛り込んだかなぁ。
 助手席に座る販社の人に「なんか、そのうち壊れちゃいそうで怖いですよねェ」と水を向けると、導入に当たってはアルファも流石にテストはしている筈ですから耐久性がまるでないってことはない筈なんですけど……とは言いつつ、やっぱり僕と同じように不安には思っているようであった。
 なおA(オールウェザー)は、悪天候なんかで路面の状況が悪いときに使うモードで、エンジン出力を始めから絞り気味にしたり急激なスロットル(アクセル)操作には追随しなくしたりするかなんか(詳しくはよくわかんない)で、まぁ要するにスピンしたりするのをできるだけ防止しよう、というものらしい。

 ごく短時間、短距離の試乗を3台立て続けにしてみて改めて実感したのは、プリウスはすごく異質で面白かったけれど、守旧派の内燃機関好きとしては3台の中ではどうしてもMiToがベストになるということ。でも、弁解っぽいけどMiToは結構運転してて気持ちいいんだよな……買わないけど。
Posted at 2009/06/21 08:02:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外の車 | 日記
2009年06月20日 イイね!

ハイブリッド車をハシゴ試乗:その2「トヨタのプリウス3」

ハイブリッド車をハシゴ試乗:その2「トヨタのプリウス3」2代目ホンダ・インサイトに試乗したついでに、3代目トヨタ・プリウスにも試乗してきた。
そもそも僕には、プリウスに対する先入観がある。以前Yukizoさんに聞かされた「2代目プリウスに乗る友人の話」で生じた先入観だ。「生意気なぐらい速い」「スポーツ・カーみたい」「とんでもない加速をする」などなど。正直、最初のプリウスにロクな印象がなかったため、2代目プリウスは一度も運転したことがないままにモデル・ライフが終わってしまっていた。「2代目がそんなにスゴかったんなら3代目はどーなのよ?」という思いもあって、今度は出遅れないようにさっさと試乗してしまおうという思惑もチラッとあったりした。

 前置きはともかくとして3代目を襲名したトヨタのハイブリッド専用車、プリウスである。確か昨日の新聞記事では、発売開始からの1ヶ月間での受注が、想定販売台数の1年半分に相当する18万台になったと報じられていた気がする。割高だとか生産から廃棄までトータルで見れば必ずしもエコじゃないだとか色々ネガティブな話も聞こえてはくるが、車としてはドーなのよ、と試しに乗ってみることにしたわけだ。

 どうしても直前に乗ったインサイト2と比較してしまうのだけれど、プリウス3はあちらと違って「安いんだし、まぁこんなもんか」ということがない。フル・スペック・ハイブリッド、なんでも取り揃えてございます、満艦飾デコレーション。さすが大店(おおだな)の商売だけあって、実に可愛げがない。

 エクステリアの雰囲気は、基本的に先代のプリウス2を踏襲しているので割愛するとして、展示車両を眺めていて「ありゃりゃ」と思ったのが添付写真のインテリア。僕は2代目は、タクシーの客として1度乗ったきりなのだけれども、2代目の近未来SFっぽい(いささか子供じみた)運転席周りが、3代目では随分と常識的な方向に回帰してきている。僕はあのSFの宇宙船っぽい雰囲気が嫌いじゃなかったので、少しばかり期待を裏切られた感じがした。まぁでも、あれは遍く普及させる車でやる演出じゃあないよな……。
 それはともかく、内装のプラスチックの部材には金属表面を切削加工したときにできるヘア・ラインのような紋様がモールドされていたりと、ゼニをつぎ込んだ「立派に見せる演出」がそこかしこに施されている。これが大店の余裕というものか。

 さて実際に走らせて見てどうだったか、なのだが。
まず、始動の段階からして「車って言うより家電製品?パソコン?」という感じ。リモコン式のキーは、車内に置いておくだけでOKで、そこでインパネ上のスタート・ボタンを押すとプリウス3は『作動状態』に移行する。普通、自動車というもんはスタート・スイッチをONにするとエンジンがかかるのだけれども、こいつは違う。停止からのゼロ発進のように効率最悪の帯域ではガソリン・エンジンを使わせない制御をしているので、電源が入っても車内はシーンと静まり返ったままだ。ちょっと怖い。

 メーター・パネルだけが「いつでも走り出せます、ご主人様」と言った風情で点灯しているプリウスの、なんとも奇妙なレバーを運転席側に倒して手前「D」に引くと、車は「前に進め」の状態になる。逆に奥の「R」に押すと「後退せよ」になるようだ。ちなみに運転席側に倒さず真直ぐ後ろにレバーを引く「B」は、ブレーキ・モードとのこと。エンジン・ブレーキと回生ブレーキをより積極的に活用して速度を落とす仕掛けなのだとか。

 で、まぁ「D」を車に命じて(という気分になってくる)敷地から車道に出るのだが、基本的に内燃機関の車にしか乗ってない僕には、静かな電気モーターだけで車が動く状況というのが、かなりおっかない。と言うのも、エンストしてハンドルやブレーキのサーボがなくなった車が、それなりのスピードで動いている状況に感じられてしまうからだ。ブレーキとハンドルがどちらも効かないのは、それはそれは恐ろしいのである。
 運転している「ご主人様」はこんな具合で恐る恐るだと言うのに、この“クルマの形をしたロボット”3代目プリウスは実に静々粛々と、淡々と走る。プリウスは初代しか知らない僕にとっては「げ。プリウスのクセに普通の車になってやがる」という感じだ。初代で逐一イヤだった「普通の自動車と違う」クセの部分が、まるっきり姿を消している。本当に可愛げがない。

 それでも、少し乗っただけでクルマの雰囲気に大概慣れてしまったのは、これがトヨタの製品だからだろうか。「人に優しい」というか「万人受けする」というか、ともかく実に敷居が低い。これが「売れる商品作り」と言うものなんだなぁと密かに感心してしまったが、そんなことはともかく。程よく慣れてきたところで、助手席の販売員氏のセールス・トークに乗せられて、完全な電気自動車モードになる「EV」ボタンを始め、色々な機能を試してみた。
 内燃機関に染まりきった僕にEVモードは単なる違和感を超えて不気味ですらあったが、それにしてもこの車、実にそつがない。同じように空気抵抗を意識して車体が後方に向けてやや絞り込まれた形状を持つインサイト2が、そのため後部座席の頭上空間に顕著な不足があるのに対し、プリウス3にはそういう不手際がない。まぁ、2代目はタクシーにも採用されていたくらいだから当然と言えばその通りなんだけど、やっぱりトヨタ車ってスゲェなぁ。
 というか、インサイトとプリウスを続けて乗り比べちゃったら、全っっ然勝負になんない。「格が違う」としか言いようがない。敢えて例えれば、カローラ・バン(商用)とコロナくらいの違いがある感じだ。正札を見ると価格差はあるが、装備の内容まで含めて対比したら、それだって限りなくゼロに近い。

 それはともかく、僕が密かに期待していたプリウスの「速さ」なんだけど、これは残念ながら「常識的」な範囲のものだった。いや、初代とは違って確かにストレスなく加速して、そのうえ静かなもんで全然実感の伴わないまま制限速度をアッサリ超えちゃったかどうかは明言しないけど、まぁそんな按配なんだけど、少なくともYukizoさんに聞かされたような「生意気なくらい速い」と言うことはなかった。
 あとで販売員の青年にそのあたりの話を聞くと、先代プリウスは最大トルクが49kgf・cm以上あったのだと言う。なんだその大排気量車並みの数値は。そりゃとんでもない加速もするわ。でもって3代目ではその半分くらい、代わりに出力特性をより馬力側に振って、加速よりも最高速度を重視するセッティングに変更した由。
 なんでも輸出先の欧米で、先代は設計最高時速が170Km/hのためやや市場から不満の声が上がり、今回は180まで出るようにしたのだと言う。うーん、意外に最高速が伸びない車だったんだな。

 試乗のあと、ディーラーの店内で営業の青年からプリウス3についてあれこれ話を聞いた。最初のほうにも書いたとおり、もの凄く受注好調なのはいいのだけれど、喜んでばかりもいられないのだそうだ。それというのも、まずは生産が全然追いついていないこと。
 プリウスを製造できる拠点は、日本国内の2ヵ所だけで海外生産は皆無。そこで確か月産6千台だかを作っているのだけれども、うち3分の2は輸出仕様。まもなく北米での販売が始まるので、今は工場をフル稼働させて、北米販売のための在庫をせっせと蓄えているのではないか、との話だった。
 北米で期待ほど売れなければ、国内に振り向けられる台数が増えるかもしれないけれども、現状では今すぐ注文してもらっても納車は来年2月になる……従って利益計上も今上期ではなく下期になってしまう、のだそうだ。しかも台数ベースで見た場合、プリウスは彼の販売会社が売る車の実に65%を占めていて、残り20車種あわせても全体の35%にしかならない(!)という、なんともいびつな構成比になってしまっているのだそうだ。

 そしてなお悪いことに、以前マツダの偉い人が「プリウスやインサイトのような戦略的価格設定をしたら、マツダの経営体力ではもちません」と話していたのを裏付けるのだが、やはりプリウスは大変に利幅の薄い商品なのだそうだ。定価で販売しても、他のモデルで30~40万値引きしたのと同じくらいの利益しか出ないと言うのである。フツーだったら、扱いたくない商品ナンバー・ワンにランク付けられそうだが、その“厄介者”が販売台数全体の65%を占めるとなれば「わずか1ヶ月で18万台受注!」などという華々しい新聞見出しとは裏腹に、ハイブリッド車ビジネスが既にチキン・レースの様相を呈していることを窺わせる。マツダは本気でそんな市場に参入する気かね……。

 内燃機関を積んだ車とはかなり異質な、なんだかロボットっぽい車も面白かったが、それ以上に興味深い話を聞かせてもらって販社を後にした。慣れ親しんだ自分の車が発する、かなり自己主張の強い排気音を聞きながら、つい「やっぱりコレが自動車だよなぁ、クルマはこうでなくっちゃなぁ」と呟いてしまった。
Posted at 2009/06/21 06:41:29 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記

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何シテル?   07/24 21:51
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