2016年12月09日
ママはカウンターの中に引っ込んで料理を準備し始めた。僕はビールを一口飲んでグラスを置いたら何だかため息が出てしまった。
「どうしたの、ため息なんて珍しいわね。そんなに悩んでいるの。」
クレヨンが突然人間に戻ったように気の利いたことを言った。
「あんなに胸を触らせて大丈夫なの。気持ち悪くないの。やっぱりその気があるのかな。」
僕の顔色を窺うようにまた変なことを言い出したクレヨンの腕を取って引っ張り込むと「あんたのも作り物じゃないかどうか調べてあげるわ。」と言ってからかってやった。クレヨンは必死に僕の腕から逃れると胸を押さえて「止めてよ、変態。」と言ったが、他のお客が皆クレヨンに注目しているのでここがどういうところか思い出したらしく下を向いて黙り込んでしまった。
結局ここのママも対女土方戦には特に名案はないようだった。もっとも普通の男女でも事情は人それぞれ様々でこれと言った名案があるわけでもないのでその辺はビアンでも同じなんだろう。
それにしてもやはり僕が極めて男風だと言うことは皆それなりに分かるようだ。すらり氏から始まって北の政所軍団にも社長にもクレヨンにもテキストエディターのお姉さんにもそして女土方にもそれは言われたことだった。
姿かたちは女でも立ち居振舞いや考え方はほとんどそのまま男でやらせてもらっているので極めて男風と言われるのも仕方がないかもしれない。何より一番男が外に出てしまうのは愛を交わす時でその作法それ自体もそうなのだがいきなり女土方をラブホテルに引張り込んだりして、女土方が呆気に取られることが何度もあったらしい。
そういうことを捕らえてビアンらしくないからだめだと言われるならそれは確かにそうかも知れない。体が女と言うだけで精神構造や行動様式は全くの男そのものなのだから。
でも女土方はこれまで一言もそんなことは言わなかった。彼女は僕のそばで幸せそうだったし僕も彼女と一緒で穏やかな生活を送ることが出来た。男女にしてもビアンにしてもペアリングは一緒にいて心地良いというのが基本中の基本なので僕達は理想に適っていたわけだ。
だからそれでいいのじゃないか。離れてお互いどうなるかなんて何も先の見えないことをあれこれ考える必要なんか全くないんだ。それを女土方にどう納得させるかが問題だが。その辺は僕も良くは分からなかったが、どの道当たって砕けろと言うことになりそうだった。
一通り僕達は晩飯に匹敵するくらいの量を食べ終わると引き上げることにした。ママは席を立とうとした僕達のところに来て「今日は来てくれて本当にありがとう。それからあなたには失礼なことをして本当にごめんなさい。私が出来ることがあれば何でも手助けするから咲ちゃんのこときっとお願いしますね。」と言うと僕を抱き締めた。ここのママは男だった時の僕よりも年上だろうと思うが、なかなか品のあるきれいな人だった。
「ありがとう、何かあったらきっと相談しますから助けてくださいね。でも私は咲子のことは絶対に諦めないしまた元に戻して見せるわ。」
手を離したママを今度は僕の方から軽く抱いてそう答えた。ママは僕の腕の中で「お願いね、お願いね。」と小さな声で何度も繰り返した。
Posted at 2016/12/09 17:58:41 | |
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小説 | 日記
2016年12月09日
先日、浜名湖に行った際に、「猪鼻湖に沈んでいる四式戦車を引き上げる」と言う話を思い出してどうなったのかと思ったら、超音波ソナー探査でいくつかの小ぶりの鉄の破片らしきものは見つかったらしいが、戦車のような大きなものはなかったそうだ。終戦時に97式戦車や鹵獲した英国の装甲車などと一緒に四式戦車も猪鼻湖に沈められたと言うが、調査結果から見ればそこには戦車はなかったようだ。
四式戦車と言うとこの戦車が戦線に投入されていれば戦局が変わったようなことを言う向きもあるが、事実は米軍のM4と1000~1500メーターの距離で正面から撃ち合うことができる戦車と言う程度のようだ。
それでもM4と正面から撃ち合えると言うことは画期的なことでそれまではM4の正面装甲を撃ち抜ける戦車砲・対戦車砲がなく、ハッチの蝶番を狙って射撃するとか視察用のスコープを狙って射撃するとか名人芸のようなことを繰り返して戦っていたのだから当時の戦車戦の射撃可能距離である1000メーターでM4の正面装甲を貫通できるのであれば閻魔大王も泣いて喜んだだろう。
当時の日本の戦車兵の練度は非常に高かったそうで、仮に敵の戦車の装甲を貫通できるだけの威力を持った砲を装備した戦車を与えてやれば戦車戦で米軍に負けることはなかったと言う。もちろん、戦闘の一局面での話ではあるが、・・。事実、フィリピンではノモンハンの生き残りの戦車兵がたった4両の一式自走砲で距離500メーターで米軍のM4の正面装甲を撃ち破って米軍を手玉に取っている。
で、その四式戦車と言うのは砲力ではM4とほぼ互角、戦車と言う戦闘システムではM4にやや劣ると言う程度の戦車ではなかっただろうか。しかし、米国はM4を5万両量産して戦線に送り出したが、日本は四式戦車を2両、一説には6両しか作れなかった。これが勝敗の決定的な理由だろう。
まあ、そんなことはどうでもいいが、湖底に沈んだはずの四式戦車はどこに行ってしまったのか。場所が違っていると言うこともあるかもしれないがさほど広くない湖のこと、あれば見つかるだろう。この間、太平洋戦争初期にジャワ沖で沈んだオランダの軽巡デロイテルが消えてなくなったと言う記事が出ていた。他にも消えた船や消えかかっている船があると言う。どうしてかと言うとどうも金属を売却するために何者かが爆破して引き揚げてしまったらしい。
そうすると四式戦車も戦後の金属不足の折に何者かが解体して引き揚げて売り払ってしまったんじゃないだろうか。終戦後、管理が甘くなった軍の兵器や物資を盗んで売り払うことが盛んにおこなわれたと言うので湖に沈めた戦車を売り払ってもおかしくはないだろう。残っていれば戦争の記念碑とともに日本の技術を示す資料にもなっただろうけど残念なことではある。まあ、今後、見つかるかもしれないが、・・。
Posted at 2016/12/09 16:17:36 | |
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軍事 | 日記
2016年12月09日
7日に行われた今国会初の党首討論で、民進党の蓮舫代表が安倍晋三首相に対し「息をするようにウソをつく」などと発言したことについて、前大阪市長の橋下徹氏は自身の短文投稿サイト「ツイッター」を更新した。
同日付の投稿で、「これが事実なら民進党蓮舫さん、人格攻撃はよくないよ。人を嘘つき呼ばわりしたら、蓮舫さんなんか二重国籍問題ではバリバリの嘘つきだ。国民はしっかり見ている。詐欺罪で有罪判決を受けながら僕を詐欺師呼ばわりした辻本清美とやはり同類か!政策論争に徹すべき」などと批判した。
政策に関しては一言もないのに嘘つきだのなんだのと品がないよなあ。これも自分良ければすべて良しの血筋がなせる業なのかねえ。そう言えば辻元清美センセーも自分のことは棚に上げて他人のことは、「ああだ、こうだ」と言いまくるなあ。あれも向こうの血筋かな。どうでもいいけどもう少し品よく知的レベルの高い議論をしてほしいねえ。無理か、・・。
Posted at 2016/12/09 16:16:25 | |
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政治 | 日記
2016年12月09日
うちの教習所の普通二輪ATの教習車、ヤマハのマジェスティなんだけど、もう10根に情が経過してボロボロで更新しようとしたらホンダもヤマハもスズキも400のスクーターを作っていないそうで当然教習車も生産終了となって在庫もないとの返答だった。
マジェスティはもうエンジンもトランスミッションもだめでエンジンが止まってしまうとか、・・。「なんでATでエンストするんだよ」と言ったら「クラッチがどうのこうので、うんだらかんだら、・・・」と要領を得ないが、要は経年劣化でもうだめと言うことらしい。指導員が追走で乗っていたらエンストしてこけたとか、・・。笑ってしまったら、「笑い事じゃありません」と怒られてしまった。
それで2台あるマジェスティの1台は廃車にして部品取り、それから程度の良い中古車を探してきて教習車仕様の部品を移設して「ニコイチ」にして急場をしのごうかと言う話になったら、お上から待ったがかかってしまった。
使える車両はシルバーウィングが3台しかないが、1台はかなり古い車両で後の2台もあと5年もすればダメになってしまう。そうすると普通二輪のAT教習が出来なくなってしまうが、これはうちだけの問題ではなく日本全国の教習所も同じ悩みを抱えている。ビッグスクーターに乗りたければ普通二輪のMT免許を取れと言うことにもなりかねない。
うちは取り敢えず中古のシルバーウィング1台が手に入ったので、シルバーウィング3台、旧車のシルバーウィング1台、追尾用のマジェスティ1台の5台を確保したが、それでも5,6年もすればゼロになってしまう。10年もすれば日本の教習所から教習用ビッグスクーターが消えてしまう。
CB125のように外国で生産したバイクを持ってきて架装すればいいんだろうけど教習用スクーターは低速で効果的に動くようにエンジンやミッションを設定しているようだ。「高速走行禁止」というステッカーがインパネに貼ってある。二輪の教習車と言うのは低速でトルクが出るようにエンジン特性やギア比を変えているようなので厄介ではある。全国指定教習所協会連合会からメーカーに要望すると言うがどうなるんだろうねえ。何しろ二輪そのものが斜陽産業だからなあ。普通2輪のATを取りたい方は急いだ方が良いかも、・・。
Posted at 2016/12/09 16:12:32 | |
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バイク | 日記