抗生物質が登場する以前の19世紀、口内洗浄液(マウスウォッシュ)の「リステリン(Listerine)」は、淋菌(りんきん)感染症(淋病)治療薬として販売されていた。それから100年以上を経て、その宣伝文句が本当である可能性があるとの研究結果が20日、発表された。
オーストラリアの研究チームが英医学誌「性感染症(Sexually Transmitted Infections)」に発表した研究論文によると、リステリンは、実験室のペトリ皿内の淋菌(学名:Neisseria gonorrhoeae)と、感染者の喉に存在する淋菌をどちらも殺したという。
この結果が意味するのは、この人気のマウスウォッシュで毎日、口をすすぎ、うがいをすることが、性感染症の淋病を予防、抑制するための「安価で簡単な方法である可能性がある」ことだと、研究チームは述べている。
1879年当時、リステリンは淋病を治すとメーカーがうたっていたにもかかわらず、その主張を検証した科学的研究はこれまで発表されていなかったと、研究チームは論文に記している。
そこで研究チームは、多くの国々、特に同性愛者や両性愛者の男性の間で淋病の感染水準が上昇傾向にあることへの懸念にも後押しされ、今回この検証を行うことにした。
英語の俗語で「ザ・クラップ(the clap)」とも呼ばれる淋病は、無防備な口腔性交、膣性交、肛門性交などで伝染する性感染症。
■実験の内容
研究チームは、淋菌を実験室内で培養し、アルコール含有のリステリン2種のさまざまな濃度の希釈液を塗布した。
実験の結果、リステリンは培養皿上の菌量を「著しく減少させた」一方、食塩水を塗布した場合は変化がみられなかった。
研究チームは次に、淋病に感染した男性を対象とする試験を実施し、リステリンでうがいをする前後で、喉の細菌濃度を調べた。
その結果、リステリンを使用した被験者は、食塩水でうがいをした被験者に比べて、うがいから5分後の時点でのどに存在する淋菌の量が少なかったという。「マウスウォッシュのリステリンは、淋菌の増殖を抑制する安価で簡単に使える有効な薬剤であり、今後さらに慎重な検討と研究が必要だ」と、研究チームは記している。
2005年に出版された「ヤバい経済学」(原題「フリークエコノミクス(Freakonomics)」)によると、外科手術の消毒薬として開発されたリステリンはその後、床の洗浄液や淋病の治療薬として販売されたという。1920年代には口臭対策商品として商業的な成功を収めた。
ふうん、そうなんだ。それでその手のホテルにはマウスウォッシュを置いているところが多いのかねえ。違うか、・・。リステリンは商品名で元々は手術用の消毒薬として開発され、1,8シネオール、チモール、サリチル酸メチル、l-メントールの4つの有効成分による殺菌作用を特徴としているそうだ。アルコールも入っているようでかなり刺激がある。あれ、中にいれたら女は平気だろうけど男は飛び上がってひっくり返るだろうなあ、・・・閑話休題。何事も衛生に注意してください。
Posted at 2016/12/21 13:51:58 | |
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