12月17日(木)に「Taycan原宿」を訪問して「タイカン4S」を見聞しましたが、改めて確認したいことがあり、再訪しました。
確認したかった1つ目はタイヤです。
グッドイヤー イーグルの21インチで、扁平率30でした。
ホイールは「タイカン エクスクルーシブデザイン ホイール(カーボンエアロブレード付)」です。
エアロブレードは、先日試乗した「ホンダ クラリティ」のホイールにも装着されていましたが、EVにとって空力向上は大命題のようです。
フロントのタイヤハウス後方には空気の整流効果を狙ったと思われるエアアウトレットが設けられています。
2つ目は、後席の開放感です。
ルーフラインがリヤに向かって下がっており、着座位置が低めなのにもかかわらず、穴蔵に潜ったような感覚は感じなかったのですが、着座状態で真横を見た時の車外の見え方がどんななのか改めて確認しました。
前を向いて座っていれば、ピラーに視界が遮られてストレスを感じることはなさそうですが、真横を見ると下がっているルーフラインとCピラーに遮られて、車外の風景が切り取られてしまうことが確認できました。
3つ目は、ステアリングのオフセットの確認とABペダルのオフセットの再確認です。
ステアリングの中心は身体の中心線から4cmほど左側にオフセットされていました。
ABペダルは、タイヤハウスに押されて大きく左にオフセットされており、ブレーキペダルは左に4cmオフセットされたステアリングよりも更に左側に位置していました。
左ハンドルの仕様を選んだ方が良いと思われますが、日本に輸入されるのは右ハンドルのみとのことなので、左足ブレーキを前提に購入するしかなさそうです。
17日(木)に来場した際に19日(土)の試乗予約ができるか確認したところ、「空き無し」とのことでしたが、本日、来場した際に試乗予約のキャンセルが出てないか念のため確認してみたところ、最終回の17時スタートなら1件空きができたとの回答があり、試乗することにしました。
2時間半も待ち時間がありましたが、この日の表参道は物凄い人出だったので、コロナ感染リスクを避けるために場内で待つことにしました。
試乗前にアンケートと誓約書の記入を依頼されたので、出していただいたドリンクをいただきながら記入しました。
16:40頃に裏の駐車場を覗いてみると、試乗車がスタンバイしていました。
17時になり、いよいよ試乗です。
私に割り当てられたのは、最強バージョンの「ターボS」でした。
「PORSHE」ロゴLEDドアカーテシーライトが装備されていました。
裏の道は道幅が狭いので、広い道に出るまでは若い女性スタッフが運転してくれました。
駐車場から道路に出る段差を降りた時の車体の揺れ方がゆったり、ふんわりしていて、車重の重さを感じましたが、走り出すと脚がしっかり踏ん張るしっかり感があって、先日試乗した「ホンダ クラリティPHEV」に似ているように感じましたが、タイカンはエアサスなので、経験したことがないような独特のゆったり感としっかり感があって何とも表現のしようがない不思議な感じがしました。
広い道路でスタッフの女性と運転を代わり、いよいよ試乗開始です。
走り出しはクラリティPHEVと同様に静かで滑らかです。
40km/hぐらいで走っているところから、深めにアクセルを踏み込むと、エンジン車のような溜めみたいなものがなく、いきなり突き飛ばされるような急加速が始まります。
同乗者がいる場合は、事前に「踏み込むよ」と声をかけてから踏み込まないと、びっくりしてしまうと思いました。
軽くアクセルを踏み込んだだけでも、際限なく加速していくような感覚があるので、慣れるまではちょっと怖いかもしれません。
ブレーキは、ペダルを踏み込むと回生ブレーキが作動して減速が始まり、実ブレーキは加勢が必要な時だけ作動する構造とのことですが、ストッピングパワーは強力で、これも強めにブレーキをかける時は同乗者に事前に断らないと、急減速でびっくりさせてしまうと思いました。
外苑の周回路をそれなりのスピードで走ってみましたが、旋回中も足回りはしっかり感があって不安は感じませんでした。
といって、硬い足につきものの突き上げ感はなく、乗り心地の良さと両立しているのは凄いと思いました。
車幅が1966mmもありますが、フロントフードの両端が膨らんでいるので車幅感覚が捉えやすく、大通りを走っている限りでは乗りにくさは感じませんでした。
タイカンは加速性能も減速性能も並外れており、不安なく高速走行できるクルマだと思いますが、やはり車重の重さは感じざる得ず、クルマとコミュニケーションしながら自在に走らせるのを愉しむスポーツカーではなく、高性能を楽しむGTではないかと改めて思いました。
ちなみに「Taycan」とは「生気あふれる若馬」という意味だそうで、ポルシェクレストの中心に描かれている跳ね馬のイメージに基づいたネーミングとのことですが、乗った印象からすると何となくしっくりこない気がしました。
タイカンには、駆動用モーターの駆動音をマイクで拾って増幅して乗員に聞かせる機能がついています。
直感的にはエンジン車と似通った感覚を味わうギミックなのだろうと思ったのですが、実際にこの機能をオンにしてみると、自分の操作に対するクルマ(モーター)の反応が、しっかりフィードバックされることでクルマの状況が把握しやすくなり、運転しやすさに大きく貢献するものだということがわかりました。
エンジンでもモーターでも、アクセル操作によぅて、回転数が上がったり下がったりするのがドライバーにわかることは大事なのだなと再認識した次第です。
タイカンはポルシェクオリティで作られ、素晴らしい走行性能を持ったクルマでしたが、運転席周りのスイッチ類がタッチパネル方式になっているのは、いかがなものかと思いました。
クルマのスイッチ類は、運転しながら操作することも多く、視野の隅でスイッチの位置を確認しながら指の触覚で操作できることが大切ですが、タッチパネルにしてしまうと、手触りだけでスイッチを識別することはできず、スイッチの位置をしっかり目視しなければなりません。
当然、前方不注意の時間が長くならざるを得ないことになり、極めて危険です。
その辺りのことをどのように考えて商品開発したのか、ポルシェの設計者に尋ねてみたいところです。
無事に試乗が終わり、会場に戻ってドリンクをご馳走になり、帰宅の途につきました。
試乗の記念に、タイカンのペーパーウエイトとカタログをいただきました。
「Taycan原宿」のスタッフの皆様、楽しい時間をありがとうございました。