7月24日 待ち合わせ場所の某所へ向かいました。
箕面の実家からは20分ほど。
高校の校区内です。 当時は自転車で走り回ったエリア。
そこへ現れたのは「エロチック街道」さん。
実はお会いするのははじめて。
あらかじめLINEでやり取りしてあったので、あいさつ後すぐこちらの車へ乗り込んで頂き、更に某所へ。
そこには屋根下車庫の下にさらにカバーをまとった車の姿が。
メルセデス 450SLC です。
カバーを取るとまさに息を飲むような美しさ。
「なんなんだこれは・・・・」
だってこの車は46年前の1974年製なのです。
塗装はツヤツヤ、メッキはピカピカ。
色っぽい。 年齢は重ねても美しい淑女とはこのことか・・・・
まるでタイムマシンで当時のディーラーのショールームに来たようです。
AMGのホイールには前215/55-16 後ろ225/50-16のミシュランタイヤが。
AMGのホイール良く似合っています。
この車にはあまり突飛な社外品は似合わないような気がする。
3代目のR107 SLのホイールベースを若干(10インチ)伸ばして4座とし、クーペボディをまとっている。 当時はセミワークスチームでラリー参戦(450SLC5.0)しており、その車両はATだったと。
V型8気筒SOHC 4,520cc 225馬力 もちろんキャブ
走行35000km
当時はヤナセはまだヤナセではなく、その前身のウェスタン自動車が輸入販売。
当時日本車輸入車共に厳しい排ガス規制の波にさらされ、年々とその対応に追われます。この車両はその規制のギリギリ手前で、エキパイ、ストレートパイプ、タイコのみの排気系。 始動直後はかぐわしい香りが(笑)
車内は当時のレースのシートカバーが掛かってたり、
ラジオのみの音関係(これは周波数の関係もあり日本で用意されたものだろう。松下製)
メーターはもちろん VDO レブは5800rpmだ
クーラーは46年そのままで冷媒の補充のみとのこと、ちゃんと効く。
74年製でドアミラー
BOSCHのロゴ
2人で乗り込んで試乗に出発します。 素通しの検査受けして、それから少し走り込んで改善ポイントを拾い出してから再度入庫、お金をある程度かけてリフレッシュ予定とのこと。
旧車乗りの理想形です。
ショック、ブッシュ、マウントなどは全交換するそうです。
これはまさに正解。 あっちこっち悪いところから順番に・・・というのは実は
効果も体感しにくいし、都度手間も金も時間もかかるので・・・(体験的に)
ドアを閉めると「ドシッ」とした重みのある音が。
これはある程度大きさと重さのあるドアでないとこんな音は出ません。
アルファの147でも3ドア(ツインスパークとGTA)のドアはなかなかいい音がします。
当時の450SLCは1000万。初任給が7万~8万の時代ですから、今は約3倍の貨幣価値と仮定すると、ざっくり3000万の車になります。
147TSは2000年当時300万の車ですから、その10倍です。
当時普通の会社員が買える車ではなく、そのオーナーは経営者や芸能界、〇〇〇業界というのは想像の付くところ。
この車も書けませんがあっと驚く有名な方がファーストオーナーです。
現オーナーは5代目とのこと。
歴代オーナーのおかげでこの車は2020年の今、ここにあります。
車は機械とパーツの集合体ですから、一つ一つをコストを掛けた良いものを積み上げれば当然高価になります。 当時はそれが許され、それを認める顧客層があった。
しかし、今はどうでしょう。車のパーツとそのコストはどうなっているでしょうか?
その値打ちは走り出しすぐから助手席からでもわかりました。
どっしりとした乗り味、中立、どの速度域でも振動無し。
でも、アクセルを入れればすぐ反応し、あっという間の1××kmレンジへ
アクセルが入るとわずかにリアを沈み込ませて加速体勢に入る。
この車、このエンジンを積んでいるという醍醐味はやっぱりここかも。
グランツーリズモ、大排気量快速ツアラー。
トランクもしっかり積めるし、2人乗りならリアシートが身の回り品置き場になる。長距離の旅行にもバッチリだろう。そんなクーペボディの利点も感じます。
であって、乗り込めば大柄には感じないボディサイズ。特に幅方向。
豊中付近~吹田IC~高槻~止々呂美~池田~豊中付近
あっという間のくるっと一周でした。
素晴らしい体験でした。 エロチック街道さんに感謝です。
また仕上がったら乗せて下さい。 リフレッシュ前の状態は体が覚えてますんで。
そう、そしてエロチック街道さんについて
人へ対してのイメージ(先入観?)って面白いものです。
みんカラ上のイメージは脂ぎった中年男性でエロトークダジャレの連発。みたいな(笑)
(冗談とはいえ失礼をお許しください)
お会いしたら押しの強い「オレがワシがmeがわたくしが」みたいな
グイグイゴリゴリ来る方でコワモテでマッチョな方だったらどうしよう、みたいな風に「構えて」たんです。
喜平ネックレスにタトゥとか(笑)
(こりゃまた失礼・・・・)
現れたエロチック大王もといエロチック街道さんはそのイメージの正反対の方でした。(いやホンマ)
それは手に持つトートバッグにも表れています。
決してリザードやクロコのミニバッグでもなく(まだ言うか・・・・)、
京都の老舗帆布屋のものです。
それは1980年。京都伏見の大学に通い出した僕は京都在住の友人に連れられ知恩院近辺へ。
その友人の勧めるのは「これは京都や。っていうのを持っとけ」というもので
そのとき買ったのが「一澤帆布製」の大型トートと「バスケットボールチーム」の
トレーナーでした。
結局在学中の通学から社会人になってからの釣行まで、今も持ってます。
「一澤帆布」は先代の時の名でその後のれん分け時にいろいろあって今は2つに分かれてます。
80年当時は先代(お父さん)が店の中におられて、いろいろ説明していただいて直接買った記憶があります。
華美でなく堅実で長持ちなものを選ぶ。それが車選びにもあらわれています。
この車を手に入れる為、そして初期化する為に
コルベットとW124の300TE(26万キロオーバー)の2台、手放してます。
足車には国産の小さいのを追加するらしい。
やっぱりね、手放さないと手に入らない。(順番はどっちでもよいのです)
あれもこれもと取り込んで「持ってることに満足する」のは(僕の事)
結局はこれ!っていうのを手に入れる決断を鈍らせると思います。
よし! と思えば飛べるようにするためには鳥のように軽く、しかも鍛えてないと。
身の回りを軽くして、しかも自分の感性は磨いてより良い生活を目指す。
納得いく出費で「多分これは世界で最高だろう」というものだけを所有していく。
そういう気持ちでいる人には自然と情報や出会いが「やってくる」んだと思います。
帰りの一般国道で二人の会話。
「この45年間、車って本当に進化したんでしょうか?」
安く、極限までコストを掛けずに、軽く、薄く。
運転は楽に。人間が操作しなくても走る車。なんでも制御が入る。
コンピューターが壊れたら廃車。
電池が消耗したら廃車。
エンジンの鼓動も咆哮も無い車。
10年しないうちに家電製品のように捨てられる車。
そういう車が溢れる今だからこそ、こういう46年前の車がまさに
「引出しの中から宝石が出てきた」ように感じられるのです。
車を走らせる根源的な喜びって一体何なんだろう。
それを感じる事が出来た同乗試乗でした。
オーナーさんのブログ上がりました。
ほら、これだとどういう方かわかんなくてちょっと怖いでしょ?(笑)
大丈夫です。保証します。