洗練された横浜の街で夜を過ごし(詳しくはこの一個前のブログをみてね)閑静な都心の住宅街の一遇に戻ったときに、私には獣性、すなわち、生のままの剥き出しの本能が抑圧されてしまっているのではないかという疑問が湧き起こった。
平成最後の年となり、我が国の世相も大いに変貌した。一例をあげれば、竹槍出っ歯という戦前の臣民に強いられた訓練と同様の名称を付けられたマフラー(?)を装着した暴走族もほぼ消滅した。大晦日に中央道方面に行くことを避けることも無くなった。
万物は移ろいゆくものとはいいつつ、一抹の悲しさがあり、そんな日本の平穏さを愛しつつも、同時に日本に物足りなさを感じてしまう背反した気持ち。そんな気持ちを忘れるために傷心したゲーテがイタリアに赴き、心持ちを取り戻したように、夜の歓楽も兼ねて東南アジアにでも行こうかなと思ったものの、パスポートは交付手続き待ちで、まさか難民申請をするわけにもいかず、悶々としていたところ、そういえば、パスポート申請のいらない地域があることを思い出した。
日本の表玄関である成田の先に平成以前の世界が依然として息づいている場所があったことを。
チバラギだ!
平成以前の昭和が息づいている地域。
道中のドライブインのような建物で、オフ会らしき軍団を見掛けたので、立ち寄ってみた。いささか異質なオーラを放っていたので、同じ東京ナンバーのビーエムの隣に駐車。
すると、わなわなと人が建物から出てきた。
お聴きすれば、建物内で30年落ちくらいのエロ本を読んだりしていたそうで、これは相当に性的抑圧から開放された人たちだなと思い、大いに感心した。
よく見れば、バイエルンのバッジも像の置物みたいなものに変わっているし、なかなか面妖ぶりである。ワシントン条約に抵触しないのだろうか。
それはともかく、このビーエムに色々と小細工を施して遊んでいる人たちの余裕ぶりには私も脱帽せざるを得なかった。
一方では独り戦隊ショーも開催されており、ここにはおよそ秩序というものが無いのであろう。きままでまことによろしい。東京では見掛けない風景だ。
白いミニカは営業での移動用のクルマなのだろう。隣に停まっていた紫色のカングーもおよそ世間一般的なフランスに対するイメージを見事に破壊して、そこに独自の世界を構築されており、これもまた素晴らしい。抑圧などなにもない。奔放な世界が繰り広げられている。
ちなみに、握手会のあとに、タッチの一巻から9巻まで頂きました。さすがは正義の変態ヒーロー。ありがとう。
利根川を渡って、茨城県に行くというので、私も同行。集団の規律という概念がなく、皆、てんでばらばらであり、ここの人たちはラテン気質なのだなということが了解できた。
私は千葉県側の利根川の細い道を通りながら、北関東に足を運んだ。
茨城県まで移動して何を読んでいらっしゃるのでしょうか。
ああ、昔のアイドルの一日署長の写真ですね。
エロ本ではなく、加えて、皆で愉しく雑誌を眺めている様子を表現したいため、規約や諸法令に反することもなく、判例百選にも開放された人たちの寄り合いを撮影することに対する刑事的および民事的な判決も掲載されていないので、ここに載せておきます。
未曾有ですな。エランと一日署長アイドルとのコラボ写真。英国車の渋みや円熟性が見事に破壊されています。まあ、冊子を置いたのは私ですが、我ながら素晴らしい才を持っているなと思っています。
マツダランティス、別名アスティナ323(東南アジアでの呼称)。初代ウィンダムのキャッチコピーみたい。
その後、利根川沿いの快走路を走り、メシを食べに港区港青山みたいに洒落たメニューのあるお店へ。検索してもヒットしないのがまた良い(日頃からSEO対策をしている企業よ、この余裕を見習いたまえ)。情報化の波に揉まれてたまるかという静かなる気概を感じる。
ここで解散。私が最初に立ち寄ったドライブインのような建物でまたまた何やらやらかすとのことなので、有志でバラバラに出発。
私は適当に近辺の駅前で休憩してから向かった。
にも関わらず、一番乗り。
加えて、行くと述べていたスカイライン乗りの人が店員さんが可愛いという理由で、携帯のショップに行ってしまったという。なんという奔放さ。素晴らしい。
建物の中に足を踏み入れると、古色蒼然とした雑誌を手渡された。これはやばい!
写真どころか文章でお伝えできないのが残念である。建物が改装中だったのは、五輪開催を前にして、日本の暗部を隠蔽しようという政府の陰謀だったのか。
リビドーを全開放している素晴らしき方々と別れたのち、夜の成田山新勝寺の辺りを徘徊。
佐倉の駅前でナンパしたのち、子供のときから気になっていた環状一方通行路線のユーカリが丘線をクルマで巡ってみた。
不動産屋が開発したニュータウンだけに住宅街の裏を抜けてようやく駅に辿り着くなんてこともあり、これは後日、昼間に街探訪の一環で再訪することに決めた。まあ、夜中に一人でようやったわ。
車輌はエアコンレスらしい。どおりで速いわけだ。軽量化の重要さを再認識させられた。
ふと思い出した。昨年、九州・山陰をドライブするために新門司港行きのフェリー乗り場にに向かう途中にたまたま再会した人の知人の自称スリナム出身の女性がこの辺りらしい。来訪時には車庫を借りよう。パークアンドライドが容易になるぞ。
やはり、異界であった。網野善彦や宮本常一、レヴィ=ストロースが生きていたら、どのように感想したのだろうか。
チバラギは井上ひさしの小説吉里吉里人を髣髴させる(読了する前に売っちゃったけど)。
およそ同じジャパニーズとは思えない思考・行動様式は、アカデミックの観点からも興味深く、先ほどもケンブリッジの知人にそのことを話していた次第である。まずは彼に自販機で唐揚げ弁当を食べさせることからサポートしてあげたい。
当方が持参したパスポートの代用となる品々(中2さん撮影)
さて、日常に戻ろう。
チバラギ独立国住民中2さんの貴重な記録
チバラギ独立国住民ロータスの羊さんの貴重な記録
変わった人達のことを綴った変わった人、大根おろしさんの貴重な記録
Posted at 2019/02/25 13:22:51 | |
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