今回はE36型のBMW 3シリーズとM3です。
まず、おいらにとってこのクルマが何を意味するか。
それは、BMWというメーカーのイメージを決定的に印象づけられた、ということでしょうか。
おいらが若造で社会人になって間もない、18歳の頃の話がきっかけです。
当時は勤務先のテニスサークルに所属していたのですが、ある日(地元では高級に属する)リゾートホテルの道路挟んだ向かいのテニスコートで活動していた時に、ホテルのエントランスから出てきたのがこのM3。そして道路に出るやいなや、豪快なストレート6サウンドを轟かせて彼方へ駆け抜けていきました。
ほんの一瞬の出来事だったわけですがそれでも、あのストレート6の豪快なサウンドはトヨタの1GやJZ、日産のRBのそれとは一線を画すと思ったぐらい。とにかく腹の底から絞り出すような太いサウンドが低回転域から高回転域までブレることなく轟かせ駆け抜けていったというのが、自分の視聴覚に強烈に残りましたね。
↓は後継にあたるE46のM3ですが、当時聴いた時のサウンドはこちらのほうが限りなく近いですね。
この時をきっかけにBMWというメーカーに何気に興味を持つようになり、それまで見向きもしなかったTVCMにも反応するようになったのを覚えています。スローガンである「駆け抜ける歓び」というのもCMを通じて覚えました。
ご存知の通り、BMWの正式な社名は和訳すると「バイエルン発動機製造株式会社」のこと。航空機をルーツに持つという点はスバルと共通していますが、航空機を通じて培っていたのは社名の一部に「発動機」がある通りで、いわばエンジンの製造ですね。振動特性やフィーリングの良さからシルキー6と言われる直6エンジンだけに、エンジンの製造技術に関することは世界的に見てもトップレベルと言われます(もちろん直3、直4、V8、そしてV12などといった他のエンジンもそうですが)。
そのエンジンを活かして、前後重量配分を五分五分にしたFRレイアウトにこだわり、気持ちの良いドライブフィールを体験できることが「駆け抜ける歓び」に繋がっている、ということですかね。MINIを傘下に入れたことでFFレイアウトも学ばれたのか、最近はFFレイアウトによる「駆け抜ける歓び」も実現できるようになりました。
どっしりとしたボディ剛性も手伝って、時速200km 以上の走行(アウトバーン)にも応えられるほどの操従安定性を実現した、気持ちの良いドライバーズカーというのに惹かれる部分があります。
話は戻りますが、このM3のベースとなったE36の3シリーズに興味が湧くことになります。若造当時は3シリーズが次世代のE46に移行した頃だったのですが、このE36は先代E30からボディサイズが拡大した上に直6エンジン搭載が拡大されたことから上級志向が一層強くなった感じであり、丸みが強めなE46よりも適度でクリーンなデザインが好印象だった。E30でよく言われた(皮肉られた?)「六本木のカローラ」感が良い感じで無くなっていましたね。
そして前述のM3の存在。おいらにとって3シリーズは今でも、現行モデルのG20の前にこのE36をイメージしちゃいます。
当時のおいらはE46でも、お金をきっちり貯めて買って乗ってみたいと思ったりしました。
M3なんて値段的に到底買えるクルマではないから、せめて2L直6の320iでもと思ったものの、当時の新車価格が400万円台だったことだけでなく、若造がBMに乗ること自体に対してどこか「生意気扱い」されるのが常だった時代。そこに両親による「黙って国産にしろ!」的な並々ならぬ圧力が追い討ち…。
これが災いして結局BMに乗らずして諦めてしまって、代わりの選択肢になったクルマというのが320iと同じ、直6FRのアルテッツァだったというわけです。
アルテッツァもまた(2台続けて)10年近く乗ったほど結果的に楽しいクルマだったとはいえ、なんだか甘く切ない思い出ですね。
Posted at 2022/06/26 11:25:40 | |
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