
新型 TWINGO のイメージ・カラー “Bleu Dragée” に触発されて “淡い淡いブルー” をテーマにした記事がとうとう9本目になってしまいました。
ルノー好きの私ですので、最終回はルノーのヘリテージ・カーから3つのモデルを取り上げることにします。いずれも50年代後半から60年代初頭にかけてデビューしたクルマたちです。
【 Renault Dauphine 】
“Dauphine”(ドーフィン) とはフランス語で『皇太子妃』という意味です。シトロエンは後に世に出る “Ami6”(1961年デビュー)にこの名を使いたかったようですが、ルノーが先にこの名を商標登録したという逸話があります。
▼ ボンネットバッジの造形デザイン。“RENAULT REGIE NATIONALE” の文字、王冠を模したレリーフ、ちりばめられた赤いダイヤ柄が洒落ています。
Source:
https://www.flickr.com/photos/passion4/page4
ルノーのスポーツモデル好きにはゴルディーニ・バージョンの存在は有名ですネ。ゴルディーニ社がルノーと提携し、初のモデルが 1956年にデビューした “Dauphine GORDINI” です。
▼ Renault Dauphine GORDINI – R8 GORDINI – Alpine A110
Source:
https://cochesclasicosdehoy.com/2013/07/21/embrujo-gordini/
▼ Renault Dauphine GORDINI
Source:
https://www.flickr.com/photos/robsw18/page4
Source:
https://www.flickr.com/photos/robsw18/page4
話の順序が逆になりましたが、ドーフィンは1956年から1968年まで製造・販売され、ライセンス生産も活発に行われました。当時は国営企業(ルノー公団)であるがゆえの国策からでしょうか。スペイン、イタリア、ブラジル、アルゼンチン等々で生産されました。日野の “コンテッサ900” はドーフィンのプラットフォームと共通でした。
▼ Alfa Romeo の文字以外はそっくりなボンネットのバッジ
Source:
http://dauphinomaniac.org/Speciales/ALFA/Alfa.htm
ドーフィンに使われた淡い淡いブルーには、“488 Bleu diane”、“412 Bleu ile de france” という塗色がありますが、画像の個体がこれらの色かどうかはわかりません。
▼ Renault Dauphine
Source:
https://www.flickr.com/photos/91728279@N06/albums/72157632486133005/page5
Source:
https://www.flickr.com/photos/91728279@N06/albums/72157632486133005/page5
▼ ユニークなスペアタイヤの収納場所。画像はNOREV製のミニチュアカーです。とてもユーモラスで萌えますネ。
【 Renault Floride / Caravelle 】
“Dauphine GORDINI” をベースとして開発されたカブリオレ及びハードトップモデルが “Floride” 及び “Caravelle” です。エンブレム以外に違いがあるのかどうかはわかりません(生産年度によって名前が変わったものかもしれません)。1958年から1967年まで製造・販売されました。
▼ 2009年に50周年を記念したパリでの展示(場所はアトリエ・ルノーでしょうか)。後方パネルの左側には淡い淡いブルーの当時の写真。右側の写真に写るのは国民的女優のブリジット・バルドー。クルマも女優に負けないくらい美しいデザインです。
▼ Renault Floride
Source:
http://picssr.com/photos/123281362@N02/page13?nsid=123281362@N02
Source:
http://picssr.com/photos/123281362@N02/page13?nsid=123281362@N02
▼ Grand Prix de Tours 2016 - Renault Floride
Source:
https://www.flickr.com/photos/lhermet_laurent/albums/72157667965045593/page5
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https://www.flickr.com/photos/lhermet_laurent/albums/72157667965045593/page5
【 Renault 4 】
ルノー車を代表する最も偉大なアイコン、それは4(キャトル)です。シトロエン2CVを仮想敵として「ブルージーンズのような車」をコンセプトに開発されました。ルノー初の前輪駆動(ただしMFレイアウト)を採用したベーシック・カーです。
1961年から1992年まで製造・販売されました。ドーフィン同様各国でライセンス生産され、“
Alfa Romeo R4S”、“
Alfa Romeo R4L”というモデルも存在しました。
スロベニアではさらに1994年まで製造されました。累計生産台数
813万台 835万台という数字は “Citroën 2CV” が387万台ですから倍以上です。
▼ Nuancier de peinture des Renault 4
Source:
http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
Source:
http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
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http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
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http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
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http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
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http://www.la4ldesylvie.fr/index.php?option=com_content&view=article&id=343
おすすめサイトをリンクします。
■ 50TH ANNIVERSARY OF THE RENAULT 4 COMMUNICATION KIT
http://www.renaultownersclub.com/downloads/r4/Kit%20Communication%20R4-En-V1.pdf
■ Renault 4 GTL
http://www.reno-auto.net/wp/archives/5282
【 最後にちょっと ー 連載記事の総括 】
“Dragée” というのは糖衣菓子のことでフランスでは出産祝いとして贈る習慣があるくらい馴染み深い名前でした。
“Bleu Dragée” はお菓子の色を見ても本当に淡い淡いブルーです。クルマのボディカラーとしてはレトロな雰囲気を持つように感じます。
2010年以降のクルマでは、シトロエンがC3/DS3/C1で、フィアットが500で、VWがBeetleで、BMWがMINIで使ってきました。色の正式名称はもちろん様々で少しずつニュアンスの異なる色でしたが、どれも魅力的に映ります。各ブランドとも現行モデルでは選べないのが残念です。一方、ビスポークが中心のロールス・ロイスでは今もオーダー可能な色のようです。
過去のクルマでは世界中のブランドで1950年代から1960年代までにデビューしたモデルにこの色がよく使われていました。今回取り上げた “Renault Floride” をはじめ “2代目DATSUN Fairlady ー S310型系”、“初代Ford Mustang”、“MGB Roadster” などのコンバーチブルには特にお似合いの色だと感じています。一方、1970年代後半にデビューした “Mercedes-Benz 280E W123” にもこの色を見つけたのは新鮮な驚きでした。
新車でこの色を望むのは新型TWINGOとビスポークが中心のブランド(ロールス・ロイス等)以外では困難な状況です。新型TWINGOの “Bleu Dragée” を一例として、気に入った色を見つけたら色優先でクルマ選びをするのも有りかなと感じています。ただし、「ファーストカーではなくセカンドカーとしてのクルマ選びで」という条件付きです。
※ Renault 4 の項目中、2つめのパラグラフに追加・訂正をしました(2016/10/05 5:35)。