• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

龍聖のブログ一覧

2009年11月02日 イイね!

神殺の聖槍  50

 
    第6章   魔銃光殺砲    10
 
 
 
 
 今泉一騎がウィルベリーニの政府関係者との繋がりを危惧するレオーネ達であったが、
 もう一度話を整理してみた。
 
 「しかし、他の可能性もある。」
 「…というと?」
 「このウィルベリーニ横断鉄道はこのように山間を走る路線ゆえ街の人間でも知らない人も
  多いと聞く。よってこの線路を内緒で使う者もいるとの噂も聞く。それが今泉であったとしたら
  政府とは関係がないという事になる。だが…」
 「実際は本人に会わないとわからない、という事か。」
 「そう。」
 
 最初に危惧した通り、今泉が政府関係者と通じていてこの鉄道を使って『魔銃光殺砲』を
 運搬したとなれば、敵は単純に今泉1人の問題ではなくなり大きな問題となるが、もし
 今泉が勝手にこの鉄道を使ったとしたら政府を敵に回す可能性がなくなるので、
 出来ればそうであって欲しいのだが、現時点ではまだどちらとも言えない。

 「とにかく情報が必要ですわ。」
 
 そうは思うが、どこから情報を探るか?と考えようとした時、10人ほどの人たちがレオーネ達の
 いるこの場所にやってきた。
 
 「そこにいるのは、誰だ?」
 
 やってきた一団の長らしき男がレオーネ達に声を掛けてくる。
 
 「何だ、あの集団は?」
 「まさか、今泉の仲間?」
 「何だって!?」
 
 レオーネ達に緊張が走る。
 
 「ん、そこにいるのはシルビアか?」
 
 その男はレオーネ達の1人・シルビアを知っているようだ。
 
 「私の名を知ってるって、一体誰?」
 「あ、やっぱりシルビアか。オレだよオレ。」
 「何言ってるのよ。オレオレ詐欺みたいな口調…って、誰かと思えばラグナじゃない!?」
 
 この場所にやってきた一団はラグナとウィルベリーニ教会組合の人たちであった。
 
 「何でラグナがここに来てるのよ?」 シルビアがラグナに尋ねる。
 
 「そりゃ、シルビアに用があるから追ってきたんだ。」
 「…うそ、おっしゃい。」
 「ちぇ、お見通しか。本当は先のエネルギー砲の出力源がここだとわかったので調査に来た。」
 「そんなスケコマシなセリフはいらないの、最初からそう言いなさい。」
 「はぁ…つれないなぁシルビア。」
 
 ラグナは少なからずシルビアに好意を持っていたが、シルビアには全く興味を持たれてなかった。
 
 「それはいいとして、今回のラグナの見解は?」
 「あくまでそっけない返事なんだな。せっかく許嫁同士なんだからちょっとは考えてくれて…」
 
  ぐにゃっ!?
 
 ラグナの右足をシルビアは思いっきり踏んづける。
 
 「誰が許嫁ですって!?」
 「軽いジョークのつもりだったのに。」
 「あんた以前フィギアートの港でも同じ事言ってたわね。私はこの手の冗談が大嫌いなの!」
 「痛たたたたたたたたたたた。わ、わかりましたよ~。もう言いませんッてヴァ。」
 「それでいいの。ところでラグナ何しに来たの?」
 「あ、あやうく忘れるトコだった。組合長から帰還命令が出てますよ。」
 「え、そうなの?」
 
 ラグナの本当の目的はズーチクーモスにシルビアがいるとの情報を得たウィルベリーニ
 教会組合長よりシルビアの帰還命令の指示をラグナに指示しただけなのだ。
 
 「やっぱ帰らないとダメかなぁ?」
 「可愛く言ってもダメですよ。文句なら組合長に言ってください。」
 「え~組合長のいけず~。」
 「いつの時代の駄々っこですか。w さあ、行きますよ。」
 「ちょちょっと待って。」
 「待てません!」
 
 そういうとラグナはシルビアの手を取りそのまま彼女を連れて行こうとする。
 
 その間レオーネ・麗華・カルディナは唖然としたまま言葉が出なかった。
 まさにアッという間だといえよう。w
 
 「さ、さよなら~。」
 「ま、またね~。」
 「…。」
 
 3人はポカ~ンとしながら去りゆこうとするシルビアに手を振る。
 
 「あ、そうだ。もう1つ言い忘れてた。」
 
 ラグナだけレオーネの所に戻ってきて一言。
 
 「さっき可奈さんと可奈さんのマネージャーそして美緒さんの3人に会いました。レオーネさんの
  知り合いでしたよね。3人とも無事で、ちょうど港に来てたジェバン行きの船に乗って帰って
  行きました。宜しくお伝えくださいと申されてました。」
 「美緒りん達、無事だったんだ。」
 「それはよかったアル。」
 「ホントよかったわね。」
 「じゃ、確かにお伝えしましたので。」
 
 そういうとラグナは再びシルビアを引き摺りながら去っていった。
 
   ヒュ~ン・・・ 
 
 「一体何だったアル、今の?」
 「あまりにも唐突でわからん。」
 「一瞬の出来事でしたね。」
 
 何だかあれよあれよという間に事が進み、気が付けば取り残されたレオーネ・麗華・カルディナ。
 
 「…どうするアルか、レオ?」
 「あ、ああ。あまりに色々あり過ぎて我を忘れてた。」
 「でも、今泉さんを探す事は変わらないんでしょ。」
 「そうなんだけど、さて…」
 
 なんて考えていると、線路の向こうから何かがやってくる音が。
 
 「も、もしかして列車の来る音か?」
 「え、列車って観た事ない。ぜひ観たいアル。」
 「私も観た事ないので、楽しみです。」
 
 3人は線路の上で列車が来るのを待つ。すると、ほどなく超高周波を放ちながら列車が来た。
 
   ぴ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 「な、何だこの耳を奥を突くイヤな音は!?」
 「何、このぶつけようのない怒りを感じる音は!?」
 「耳が痛いですぅ~。」
 
 ウィルベリーニ横断鉄道を旅客列車に使えない理由を肌で味わう3人であった。
 ところで、3人が立っている所は線路の上。って事は…
 
   キ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!
 
 急停車する列車。止まる直前で危険を察知した3人は横に逃げる。
 
 「どこにいるんだお前ら、あぶねぇじゃねぇか!」
 
 列車の運転手が怒りをあらわにレオーネ達に文句を言いに列車を下りてくる。
 
 「キー、何言ってるアルか、人がいる所にこんなデカイ鉄の塊で迫ってくる方が悪いわ!」
 
   バキッ!
 
 そう言うと麗華は運転手に1発パンチを食らわす。
 しかし、相手はレオーネではなく素人。泡噴いてぶっ倒れた。
 
 「おいこら、麗華。何してんだよ!?」
 「だって、このおっさんが意味不明な事言うから。」
 「ちょっと待て。麗華さん、列車のシステム知ってるのかしら?」
 「何、システムって?うまいの?」
 「駄目だ、こりゃ。」
 
 麗華は列車が線路を伝って走るのを知らなかった。線路の上にいる方が悪いのに…。
 だが、時すでに遅し。列車に乗せてもらおうと思ってたが、運転手を殴られた怒りで断られた。
 
 「もう、麗華があんな事するから。」
 「ちゃんとレオが教えてくれなかったからアル。」
 「何でそうなる・・・」
 
 レオーネは呆れて返す言葉がなかった。
 
 徐々に動き出す列車。それを見つめているレオーネ達。すると麗華が思いもよらぬ一言を。
 
 「こっそり後ろに乗ってみるネ、レオ。」
 「おい、正気か?」
 「1番後ろならバレないんじゃない?」
 「確かに、これだけ列車が長いと後ろはよくわからないでしょうしね。」
 「そう。カルディナの言う通り。ねえ、乗っちゃおうよ、レオ。」
 「う~ん…」
 
 どうしたものか、とレオーネは思ったが、今泉を追うならこれが1番早いのも事実。あとは適当な
 所でこっそり下りてしまえばバレないだろうし。
 
 「乗ろっか。」
 
 結局レオも同意し、最後の車両がレオーネ達の前にやってきた時に3人はそれに飛び乗る。
 
 「出発~!」
 
 こうして3人はウィルベリーニ横断鉄道に乗って行ったのであった。
 行き先がどこかもわからないのに。(爆)
 
 
   -つづく-
Posted at 2009/11/02 22:08:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | 【自作小説】神殺の聖槍 | 趣味

プロフィール

「ホンダの頭にホンダ」
何シテル?   05/13 16:39
再び色々ありまして、乗り換えです。 2回目のホンダ車でまた白に戻りました。 引き続き宜しくお願いいたします。。♪   一般人からみたらオタク系だと思...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2009/11 >>

リンク・クリップ

トヨタ(純正) リアワイパーアーム 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/08/12 19:38:17
☆ アルファード ドアロック設定方法 シフト連動アンロック機能設定。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/20 17:24:50
☆ アルファード 10後期 いろいろな設定&裏技 総集編 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/03 07:58:59

愛車一覧

ホンダ ステップワゴンスパーダ 白い風船 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
右翼曲折を経て新しい愛車を迎える事が出来ました。 まさかの新車は喜びですが、ちびちび支払 ...
ホンダ ステップワゴンスパーダ 紫式部 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
色々ありまして、クルマ替わりました。   人生初のホンダ車かつパープルです。   これま ...
ダイハツ タントカスタム 白い魔法使い (ダイハツ タントカスタム)
タントカスタムが親戚の家に嫁いでいったので行けば会えなくはないのですが、愛車ではなくなり ...
トヨタ アルファードG 銀魂アルファード (トヨタ アルファードG)
諸事情で前のクルマから16ヶ月で替わりました。   古くはなりましたか、懐かしきV6サウ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation