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龍聖のブログ一覧

2010年05月21日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  6

 
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    第1章   刀を狩るモノ   6
 
 
 
 「お邪魔しま~す。」
 
 形はともあれ招待されたはずなのに、恭介は恐縮する感じで都歌沙の家にお邪魔する。
 
 「お兄ちゃん、いらっしゃい。」
 
 どこかツンケンする雰囲気を持つ姉・都歌沙とは対象的に優しくどうぞと言う妹・香織。
 
 (本当に姉妹なのかなぁ?)
 
 そんな気も思ってしまう恭介であった。w
 
 「何か言いたい事でもあって?」
 「あ、い、い、い、いや、別に…。」
 「ふ~ん…。まあいいわ。」
 
 その恭介の雰囲気を察してかどうかは不明だが、不意に都歌沙がツッコミを入れてくる。
 
 (心の中、読まれてないよな!?)
 
 そう思ってもおかしくないくらいタイミングが良すぎる。w
 そんな感じを持ちながら玄関から廊下を歩こうとした。
 
  ズキーン
 
 だが、その時恭介は身体に妙な異変を感じ、その場にうずくまる。
 
 「な、何だ、この違和感は!?」
 「え、どうかしたの、三千里クン?」
 
 急にしゃがみ込む恭介に驚く都歌沙。
 恭介はこれまでにない感覚にわずかながら戸惑いを感じる。
 
 「ねえ、大丈夫、お兄ちゃん?」
 
 香織も不安そうな顔を見せる。
 
 「あ、ああ。ごめんごめんちょっと立ちくらみになっただけだよ。」
 
 そう言いながら立ち上がる恭介。
 
 「ねえ、本当に大丈夫なの、顔色悪いよ。ちょっと横になっていきなさいよ。」
 「いや、そこまで変な訳じゃないと思うから。」
 「お兄ちゃん、せっかくだから休んでいってよ。」
 
 都歌沙も心配しているようだが、香織も心配して恭介に休んでいくよう言う。
 
 「…わかった。そうさせてもらうよ。」
 
 恭介も急に気分が悪くなった原因がわからないので、ちょっと休んでみる事にした。だが、
 
 「ちょっと、私の助言は無視して香織の助言だと素直に聞くってのはどういう事!?」
 
 都歌沙の怒りが辺りに異様な空気をまとわりつかせつつ、恭介の前につかつかと迫る。
 
 「おい、ちょっと待て。何を怒ってるんだ、都歌沙さ…ん?」
 
  ガツン!
 
 「痛って~。」
 「痛いって、ちょっと頭を小突いただけでしょ。」
 「そうは言ってもなぁ、小突く事はないだろう。」
 「小突かれるこうな事をしたからでしょ。」
 「俺は、体調不良になっただけだぞ。」
 「そこまで、身体を競り出して文句を言えるようになったなら、もう大分良くなったかしら?」
 「あ…。」
 
 恭介・都歌沙のやりとりは一種独特な雰囲気をかもし出す。
 
 「お姉ちゃんとお兄ちゃん、夫婦みたい。」
 
 そんな2人のやりとりをクスッと笑いながら香織が見てそう言った。
 
 「何でこんな女と夫婦だって!?」
 「何でこんな男と夫婦ですって!?」

 
 綺麗に2人の言葉がハモる。w
 
 「でも、お似合いだと思うよ、お2人とも。」
 「もう、香織ったら~。」
 
 小悪魔的な表情で言う香織に困った顔の都歌沙。何だかんだで仲の良い姉妹なんだな~、と
 思わせる光景だ。
 
 「…。」
 
 そして、1人取り残される恭介。w
 
 だが、恭介は考える。なぜ急に異変を感じたのか?
 
 (そう、この家に入って感じた違和感。今、思いだしたが同じような感覚を以前感じた事がある)
 
 恭介は同じような違和感を覚えたのがいつか思いだそうとする。
 
 
 「ねえ…」
 「…。」
 「ちょっと…」
 「…。」
 「三千里クンっ!」
 「おわっ!?」
 
 それがいつか思い出そうと考えていた時、都歌沙が声をかけていたのにすぐに気付かなかった。
 だから、不意に現実に戻った時、都歌沙がちょうど大きな声で呼びかけて来たときだったので
 驚く形になったのだ。
 
 「もう、三千里クン。何考えてたの?」
 「あ、ああ。何でもない。」
 「何でもないって事はないでしょう。」
 「あ、すまない。心配してくれてたんだったな。ありがとう。」
 「あ…。♥」
 
 その時出た恭介の素直な感謝の言葉と表情に一瞬ドキッとする都歌沙であった。
 
 「じゃ、せっかくだからお茶でも飲んでってよ、三千里クン。」
 「あ、ああ、そうだな。じゃ、そうさせてもらおうか。」
 
 そう言って都歌沙は応接室に恭介を案内する。
 
 「お茶は私が入れるね、お姉ちゃん。」
 「ええ、お願い。」
 
 そして、都歌沙は恭介を応接室に案内し、香織は台所へお茶の準備に行き姉妹は別れる。
 
 
 
 「ここよ、三千里クン。」
 
 都歌沙に案内された応接室は、珍しく純和風の応接室であった。
 当然、畳張りの部屋に木製の応接テーブルの前に座布団、掛け軸と伝統品を置けるスペースと
 高級旅館の和室とほぼ同じな間取りだ。
 
 「へぇ~。」
 
 旅行番組でよく出てくる高級旅館の和室が今目の前にデンとそびえ立つ。
 
 「凄いでしょう。自慢の部屋なんだよ。」
 
 都歌沙の表情が明るい。どうやら本当にお気に入りなんだろう。
 
 「ささ、座って座って。」
 「お、おいおい…」
 
 都歌沙は恭介を押し込むように部屋に招き入れ座布団に座らせる。
 
 「じゃ、香織がお茶を持って来るまでここで待っててね。」
 「あ、ああ…。」
 
 そう言うと、都歌沙は応接室を出る。そして、応接室には恭介1人となる。
 
 「はぁ…。」
 
 ポツンと取り残された恭介は、仕方なく応接室を見まわす。
 
 「何か色々と凄いモノばっかだなぁ。」
 
 目の前の応接テーブルも木製ではあるか、素人目に見ても高そうな木を使ってるだろう。
 今座ってる座布団もフカフカで肌触りもこれまで触った座布団とは全然違ってサラサラだ。
 そこの掛け軸も何やら御大層な文字が書かれている。そして、その横の床の間には
 何やら長いモノが・・・って、コレは!?
 
 「な、何で、コレがここにあるんだ!?」
 
 恭介がそこで見たモノとは刀であった。しかも、
 
 「どうして天下五剣の1つ【鬼丸】がここにあるんだ!?」
 
 そして、再び恭介の身体に激痛が走る!
 
 
  -つづく-
 

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「ホンダの頭にホンダ」
何シテル?   05/13 16:39
再び色々ありまして、乗り換えです。 2回目のホンダ車でまた白に戻りました。 引き続き宜しくお願いいたします。。♪   一般人からみたらオタク系だと思...
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