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2020年01月19日

NIKKOR-H AUTO 50mmF2の分解

NIKKOR-H AUTO 50mmF2の分解

以前、ヤフオクで古いニコンのレンズを買いました。



非Aiの50mmF2です。





ニコンのレンズはヤフオクでも高い値段で取引されています。

しかし、出品数がとても多いこと、非Aiのレンズは使用できるカメラが限られていることから、時には格安でレンズを買うこともできます。

この50mmは送料込みで1000円ほどで購入できました。


レンズの分解をやってみたくて、状態の悪そうなものを買ってみました。


ウチにやってきたときは絞り環もピントリングも非常に重く、整備前提のものでした。分解の練習にはもってこいですね。

ネジの一つまでバラバラに分解しました。









しかし、清掃が済んで組み上げてみたところ、ヘリコイドの組付けで失敗して無限遠がずれてしまいました。


もう一度バラすのが面倒だったので放置していました。




でも壊れたままはかわいそうなので、もう一度分解しました。





分解に使い道具は、精密ドライバー、ホームセンターのゴム売り場に売っているゴム脚、ピンセットを使いました。





まずは絞り環を外します。





ゴム脚で銘板を緩めて外します。







銀色のフィルター枠を外します。





本来はこの枠はイモネジで固定されているのですが、以前分解したときにイモネジは粉々に砕けてしまったので付けていません。イモネジは無くても締めておけば脱落はしないようなので、、、



ピントリングもネジ3つ外して取ります。





ピントの指標が書かれた枠も外します。





レンズの外装がすべて外れ、ヘリコイドとバヨネットがあらわになりました。






ヘリコイド(ピントを調整する部分)は3つに分かれていて、

内ヘリコイド(前玉)、中ヘリコイド(ピントリング)、外ヘリコイド(後玉)となっています。





この3つの部品はネジで噛み合っていて、ピントリングを回すと前後に動いて、ピントを合わせることができます。



↓前群を最も繰り出した状態(最短撮影時)




↓前群を最も縮めた状態(無限遠)





前に分解したときは、このヘリコイドの噛み合わせをずらしてしまい、それで無限遠が出なくなってしまっていました。



なので一旦3つを分解。





本当はヘリコイドを分解するときには印マークを付けておくなどするべきだったのですが、初めての分解作業で勝手がわからずにどんどん分解していってしまったので狂ってしまいました。



よく考えてみると、ピントリングの回転角度は回り止めによって決められているので、内と中のヘリコイドを嚙み合わせるべきネジ山は見つけやすくなっていました。







中と外のヘリコイドの噛み合いは、合いマークが重なるのが無限遠のところなので、中ヘリコイドが最も縮む位置を探すことで見つかりました。






再調整前の無限遠位置。




調整後の無限遠位置。





わずかですが、外ヘリコイドと中ヘリコイドの隙間が狭くなっています。


結果的にはこれで無限遠が出るようになりました。



ヘリコイドのネジ部分にはヘリコイドグリスというものを塗布して、ピントリングの動きを滑らかにするのですが、専用のグリスを買うのももったいなかったので、タミヤのミニ四駆用のモリブデングリスで代用しました。





モリブデングリスならちょう度が高いので大丈夫?だと思います。。。





せっかくなので、絞り羽根の構造を見てみました。


レンズの性能、描写に大きく影響する絞り羽根の構造は、意外と少ない部品で構成されています。


こちらが絞りユニットです。




上からパーツを外していきます。

このリングはバネとブーメランがついています。




このバネとブーメランは絞り羽根が解放状態になるように押さえつけるものです。



続いて真鍮のリングと、レンコンのようなプレートを外しました。




真鍮リングは、絞り環を回したときに一緒に回るものです。
摺動するためか異種金属でできています。

レンコンは、6枚の絞り羽根を押さえるものです。



そして絞り羽根も外しました。




この羽根は、レンズを通る光の量を調整するものです。

6枚あわさって動くので、円形(理想)のまま穴の大きさを変化させることができます。


このレンズは絞りの動きがやけに渋かったのですが、真鍮のリングの摩耗、さび付き、油切れ、が原因なのではないかと思いました。


なのでリングの外周を1000番のペーパーヤスリで磨いて、グリスをごく少量塗布してからもとに戻しました。




絞り羽根はピンセットで一枚づつ置きます。




これが難しいかと思いましたが、意外とすんなり組めました。




ほかのメーカーや他時期のニッコールでも絞りユニットの構造は千差万別です。

この50mmF2の絞りユニットはかなりシンプルな構造で良いなと思いました。



↓開放から順に絞っていくと、














絞りはこのように円形のまま変化します。





絞り環を回すと絞りが変化するのですが、その構造も非常に簡単です。




絞り環は鏡筒にねじ込むように取り付けてあります。






絞り環を回すと、

絞りユニットのこの部分が動きます。



するとプレートに動きが伝わり、絞り羽根が動きます。







ニコンFマウントは絞り開放測光という方法で露出計を動かしています。

シャッターを切ったときにカメラ側のレバーが動きます。




これはバヨネットのレバーを動かします。




バヨネットの裏側にもレバーがあって、




これが絞りユニット内のプレートに直結しています。







これによって、シャッターを切る前は開放で測光を行い、シャッターを切った時だけ絞り環で選んだ絞り値まで絞り羽根が動いて絞り込むようになっています。





まあ私の文章でこの動きを表すのは難しいですが、、、


この小さいレンズに、

・6枚のレンズでカメラに像を投影できる
・レンズを動かしてピントを合わせられる
・絞り環を動かして光の量を調整できる
・シャッターを切ったときに絞り込む

という4つの機能が備わっているということが凄い、と言いたかったのです。






整備を終えて組みあがったレンズです。









ウチにやってきたときは、ホコリまみれで黄ばんでいていました。

塗装の劣化は仕方ありませんが、操作系は完全に蘇りました。




最後に試し撮りです。


まずは室内で適当に。





F2なので結構ボケます。





つづいて外で試写。

矢作橋で列車を撮りました。

本当はD5500を持って行って撮るつもりだったのですが、SDカードを忘れるという痛恨のミスをしたので、FinePix S2Proで列車を何本か撮影。









ちゃんと無限遠も出ていますね。



開放でボケ味も見てみました。





背景がボサッと揺れたようにボケる感じですね。





レンズの色を見たかったのですが、カメラの方の独特な色味が出てしまっていますね。












1000円で買ったレンズですが、ちゃんと写るし、分解して中の構造を見ることも楽しかったです。


50mmは、非Ai F2のほかにもバリエーションが豊富にあります。

また安い出物で、かつジャンク品で、分解し甲斐のあるものがあったら、手に入れてバラバラにしてみたいと思います。



ブログ一覧 | 写真の話題 | 日記
Posted at 2020/01/21 14:11:35

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この記事へのコメント

2020年2月9日 18:22
こんな楽しみ方もあるなんて…素晴らしいですね!
コメントへの返答
2020年2月12日 19:51
こんばんは~

撮るだけでなく、分解も結構楽しかったです。
クルマ趣味に似ているところがありますよね~

プロフィール

「敦賀から北海道へ向かいます〜♪」
何シテル?   06/04 21:27
マスターと申します。 アルファロメオ75、プジョー205、ルノー21などの四角いクルマが好きです。 憧れのクルマはフェラーリ ディーノ、F40、...
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