なんだか花の写真を撮ることにハマってしまいました。
一時的なものかもしれませんが。
なのでまた家で花の写真を撮りました。
しかし、家にある花は撮ってしまったので、別の花をホームセンターで買ってきました。
まずは「X-T10」と「XF35」で試し撮り。
1/4000 f1.4 ISO100
買ってきたデルフィニウムのミントブルーという花です。
花の知識は一切ありませんが、花びらの青がきれいだったので選びました。
まずは縦構図で全体を写しつつ、ごちゃついた庭の背景を開放でボカしてごまかしました。
1/1250 f2.8 ISO200
花の場所をかえて、背景に緑を持ってきました。
ちょっとピントズレていますが、、、
ほかのレンズと明るさを合わせる意味で2段絞りました。
とりあえず「XF35」ならシャープに写せ、またボケもきれいな画が撮れます。
1/2000 f2.8 ISO200
前の日に何枚も撮ったチェリーセージも撮ってみました。
真ん中の花にピントを合わせて、その周りに雑然としたボケを持ってきました。
1/4000 f4 ISO200
空にのびる木をモノクロで撮りました。
モノクロだとまた違った写真表現になりますね。
さて、ここからが本題です。
今回はオールドレンズ4つを引っ張り出しました。
ヤフオクなどで集めた「プラクチカM42マウント」のレンズたちです。
私はオールドレンズはM42の物を集めています。
M42マウントはもともとはプラクチカのマウントですが、これがネジ式なので、いろいろなメーカーが採用しやすかったマウントでもあります。
なのでドイツのレンズ、日本のレンズ、ロシアのレンズなど、国やメーカーの選択肢がとても多いマウントなのです。
まずは「EBCフジノン 55mmF1.8」です。
F1.8と明るく、絞るとなかなかシャープに写るレンズです。
アトムレンズではありませんが、すこし黄色がかった描写になります。これがこのレンズの持ち味なのだと思っています。
1/2000 f1.8 ISO200
まずは開放でチェリーセージを1枚。
このレンズは発色が暖かい描写で、とても好きです。
1/500 f4 ISO200
今度はF4に絞ってミントブルーを狙いました。
絞るとパープルフリンジも抑えられて、とてもシャープな写りになります。
開放も好きですが、この解像感もとても好きです。
1/2000 f1.8 ISO200
開放で木を。
太陽の光を撮ると色収差が出るのもこのレンズの特徴です。
陽の光で緑が黄緑になるこの感じ、とっても好きです。
いかにも光を受けてるぞ!というのが伝わってきませんか。
1/2000 f1.8 ISO200
モノクロも開放で撮りました。
虫に食われた葉だけにピントを合わせて、他は玉ボケを添えました。
次のレンズはカールツァイスの「テッサー 2.8/50」です。
カールツァイスといえばレンズ界の王様ですが、M42マウントの「テサー」はかなり安価に買えます。この個体はジャンク品でしたが3000円以下で買えました。
ピントリング、絞りリングが油切れしていたので分解して清掃と注油を行いました。
ジャンク品でも写りはすばらしいですよ。
1/320 f2.8 ISO200
開放2.8で撮りました。
まったく文句ない写りなんですが。。。
仮にもオールドレンズですが、花の質感やボケのきれいさ、素晴らしいと思います。
1/1000 f2.8 ISO200
チェリーセージも開放で。
フジノンよりも葉の色が本物に近い色に感じます。
1/500 f2.8 ISO200
葉も開放です。
フジノンと同じように黄緑っぽい光り方に感じますが、光を滲ませることなくしっかりと写っています。
安く買ったレンズですが、価格に見合わない素晴らしい描写だと思います。
1/125 f5.6 ISO200
最後にモノクロは無機質なものを撮ってみました。
F5.6まで絞るとキリっとした写りになりますね。
このレンズは開放が2.8と少し暗いのですが、そのおかげでレンズが小さくコンパクトなんです。
さらにフォーカスレンズの繰り出しも多いので、30cmくらいまで寄ることができます。
最高のオールドレンズかもしれません。
続いて「RMCトキナー 35mmF2」です。
このレンズは結構珍しいのではないかと思います。
検索してもほとんど情報が出てきません。
そもそもM42マウントで35mmのF2.0の明るさを持つレンズ自体がかなり少ないと思います。
さっそく撮影をということなんですが、
1/250 f2 ISO200
まずは開放で撮りました。
このレンズに変えてから天気が悪くなってきてしまい、少し暗めの写りになっています。
それにしても、なんだかシャープさがイマイチで、ボケもかなり乱暴な感じです。
1/250 f2 ISO200
ツツジも開放で撮りますが、やはり色が薄いし、ボケが乱暴な感じではありませんか。
はじめて使ったとき、この写りにはショックを受けました。
トキナー好きなのに、ちょっと期待を裏切られた気分だったのです。
しかし、そこからF4まで絞るとどうでしょう?
1/250 f4 ISO400
開放の荒さが嘘のように整った写りに変わりました。
2段絞ったとはいえ、こんなに性格が変わるとは思いませんでした。
1/200 f4 ISO400
葉の緑も濃く色づいて写ります。
さらにこの35mm(画角は50mm)の圧迫のなさがまたいいですね。
1/3200 f2 ISO400
でも最後は開放で。
やはりオールドレンズなら収差という個性を楽しみたいですよね。
このレンズの場合は開放の乱暴さと、絞ったときの整った写りのギャップを楽しむのがいいのかなと思いました。
最後のレンズは「W-コムラー 28mmF3.5」です。
このレンズはキタムラのジャンクコーナーで拾ってきたレンズです。
これもピントリング、絞り環の油切れだったので、バラバラに分解しました。
さて写りの方はどうでしょうか。
1/250 f3.5 ISO400
まずはツツジを撮りました。
このレンズは開放の接写をしたときに、背景のボケがぐるぐると渦を巻きます。
このレンズはこの描写が面白くて、つい開放の接写ばかり撮ってしまいます。
1/250 f3.5 ISO400
チェリーセージも撮りますが、あまり形のよくない花を選んで撮りました。
吸い込まれるような背景を引き立てたかったからです。
ちなみに撮影しているX-T10はAPS-Cのセンサーサイズですが、これがより広い範囲の写るフルサイズだったら背景のぐるぐるがより迫力を増しますね。
そういう意味ではやはりフルサイズ機も欲しいなぁと思ってしまいます。
1/160 f3.5 ISO400
被写体に選んだミントブルーの背後で激しいボケが繰り広げられています。
なかなか面白い写真になりました。
1/400 f3.5 ISO400
最後はモノクロで。
色がなくても渦を巻くボケはわかりますね。
このボケはどのように撮ってもこういう風になるのではなく、絞り開放、被写体1メートル以内のときに、背景1~3メートルの範囲が渦を巻くような感じになります。
レンズベビーから「ツイスト」というグルグルボケ専用のレンズがあるくらいですが、このボケはハマってしまうとなかなかやめられないんですよね。
M42マウントを集めている身としては、「ヘリオス 2/58」が欲しいところです。
さて、今回は4つのレンズを撮り比べました。
最新のデジカメ用レンズは、とにかく収差を減らして画質のよい写真が撮れるように進化してきていますが、オールドレンズは個性がはっきり出てきて、これはこれで面白いですね。
写真を見れば、「ああ、これはあのレンズで撮った写真だね」とわかるくらいに特徴(収差)があれば、それはそれでよいことですね。
また、古いレンズでも予想外に色乗りが良かったり、シャープな写真が撮れたりと、昔のレンズ開発者の努力が伝わってくる部分もありますね。
使うたびに発見があるので、また撮り比べをしたいと思います。
ついでに在宅で楽しめる趣味として花の栽培とか始めてみたり??
さて最後に、、、
「XF60mmF2.4Macro」で撮るとどんな写真になるのかなと気になったので、おまけでもう一つ試しました。
1/320 f2.4 ISO400
やはりこのレンズの描写はたまりません。
ミントブルーの花だけ浮かび上がらせ、背景は水に沈めるかようにきれいにボカすこのレンズの描写が一番です。
1/200 f4 ISO100 (フラッシュあり)
X-T10の忘れていた機能がありました、このカメラにはフラッシュが搭載されているんです。
フラッシュを焚いてみると、暗い背景で花だけがスポットを浴びる感じになりました。
フラッシュなんて滅多に使わないのですが、こういう撮影でフラッシュの使い方をマスターできればもっと良い写真が撮れるようになるかもしれません。
修行を重ねていきます~~