
ここ数日間の私のブログは、タイヤに関する記事が続いています。
本年タイヤ業界では、ビッグニュースが二つ流れました。ひとつは「中国化工集団(ケムチャイナ)がピレリを71億ユーロ(約9,300億円)で買収」、二つめは「住友ゴム工業(SRI)とグッドイヤーのアライアンス契約および合弁事業の解消」です。
タイトル画像は
米Tire Business誌から拝借しました。
GOODYEARブランドのタイヤは日本市場での知名度は低いと言わざるをえません。私を含めて一部の方からは「トヨタ車のベーシックグレードにOE装着されているタイヤだね」とか「DUNLOP と GOODYEAR はタイヤマーキングが異なるだけで中味は同じ」というような認識しかなっかったと思われます。ところが、グローバル市場におけるGOODYEARブランドの評価の高さをよく知る方は少ないのかもしれません。
【欧州市場での GOODYEAR ブランド】
私がタイヤについての情報を知るのに役立てているのは英国の
www.tyrereviews.co.uk です。
ここから欧州市場で流通する GOODYEAR ブランドのラインアップを知ることができます。
※ 上記画像はラインアップの一部です。
日本グッドイヤーのラインアップにみられた銘柄も見つかります。
Max Performance Summer
Eagle F1 Asymmetric 2
Premium Touring Summer
EfficientGrip Performance
Premium Touring All Season
Vector 4Seasons
※ “EfficientGrip Performance” は “ADAC 2015 European Tyre Test 205/55 R16”(2015年07月30日の記事参照)で第2位の評価を得ています。
※ “EfficientGrip Performance” の日本市場でのプレスリリース(2014年8月1日)は関連情報URLからどうぞ。
欧州市場での開発拠点はルクセンブルグにあるようです(間違いであれば、ご指摘ください)。
【新生・日本グッドイヤー】
2015年10月2日のオートックワンの記事によれば、グッドイヤーのアジアパシフィックリージョン社長は次のように述べています。
「我々は日本に戻ってきた。今日は歴史的な1日だ。」
また、同記事によれば日本グッドイヤーの代表取締役社長は、今後の活動について次のように述べています。
「1.補修用タイヤ市場の強化/2.新車装着用タイヤ市場での伸長/3.ブランド価値
向上/4.市場ニーズに根ざした商品開発」の4つを柱に、今後の戦略を立てるとした。
私の目から見れば、他のタイヤメーカーと同様、OE市場(新車タイヤ市場)が優先で、RE市場(補修タイヤ市場)は副次的な位置づけにならざるをえないのが現状です。日本のOE市場では少しずつですが、“EfficentGrip
Performance” の採用を増やしているようにみえます。
《12/6 9:15 追記》ただし、“EfficentGrip Performance” ではなく日本市場向けの“EfficentGrip Eco” に近いパターンデザインのようですが・・・。《追記ここまで》
さらにいえば、日本市場での旨味は TOYOTA 及び LEXSUS にOE採用されることといっても過言ではないと感じています。
【日本グッドイヤーの現行グローバル銘柄(Import品)】
ユーザー側が望むのは、RE市場(補修タイヤ市場)向けラインアップの充実と入手のしやすさです。しかし、いかんせん取扱店が少なすぎです。販売網の拡大には時間がかかりそうです。
また、現行製品のラインアップと実勢価格の一例(価格コム調べ)を上げると日本ミシュランに比べて競争力があるとは言い難いです。
EAGLE F1 ASYMMETRIC 2 225/45R17 94Y XL
実勢価格(税込)の一例:¥25,620
Pilot Super Sport 225/45ZR17 94Y XL
実勢価格(税込)の一例:¥20,700
EfficientGrip Performance 205/55R16 94W XL
実勢価格(税込)の一例:¥18,500
Primacy 3 205/55R16 91W
実勢価格(税込)の一例 :¥11,210
実勢価格の比較は日本ミシュランに競合銘柄がないので省きます。
【最後に一言】
日本グッドイヤーの描く将来像は日本市場における日本ミシュランのような地位だと思われます。5年後の日本市場での地位が楽しみです。
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エキップメンツ ■ タイヤ | 日記
Posted at
2015/12/05 22:25:03