
タイヤ業界に詳しい方なら良くご存知かもしれませんが、“
一般社団法人日本自動車タイヤ協会(略称:JATMA)” が 「日本のタイヤ産業」という資料を毎年作成し、webでpdfファイルとして公開しています。最新版は「
日本のタイヤ産業 2015」です。
名前を裏切らない内容で販売統計データが含まれた資料です。私的には、強くオススメです。ただし、会員企業5社(データによっては会員企業4社)に関する統計数字が基本らしい点には注意が必要です。その一部を引用しアップすることにします。
【組織の概要】
■ 設立
1947年9月26日 日本自動車タイヤ 協会(任意団体)を設立
1968年12月 社団法人に改組
2011年4月 一般社団法人へ移行
■ 会員企業
株式会社ブリヂストン
住友ゴム工業株式会社
横浜ゴム株式会社
東洋ゴム工業株式会社
日本ミシュランタイヤ株式会社
【新車用タイヤ(OE市場向け)販売動向】
【市販用タイヤ(RE市場向け)販売動向】
【輸出用タイヤ販売動向】

【タイヤ販売構成比の推移】
【タイヤの流通経路】
【地域別輸出/輸入実績(財務省通関ベース)】

【最後に一言 多言】
乗用車用タイヤに限ってみれば、2014年は新車用(OE市場向け)が37,752,000本、市販用(RE市場向け)が53,956,000本という販売実績でした。比率でいえば4対6です。
市販用タイヤが新車用タイヤを上回るのは日本、欧米諸国をはじめとする自動車先進国に共通する市場動向のようです。これに対し、新興国ではほぼ同じくらいの割合のようです。
また、市販用タイヤの夏用・冬用の比率をみると、乗用車用タイヤでは夏用:64.8%に対して冬用:35.2%となっています。
さらに、地域別輸入実績も大変興味深い数字です。財務省の通関ベースなので、会員企業のみならず、会員企業以外をも含んだ数字のはずです。アジアからの乗用車用タイヤは18,659,000本、欧州からの乗用車用タイヤは2,002,000本という実績でした。
《12/09 7:00 追記。12/12 8:27 訂正》もうひとつ、これは戯れ言にすぎませんが、【タイヤの流通経路】を見て思うことがあります。2015年12月5日の記事では「日本市場での旨味は TOYOTA 及び LEXSUS にOE採用されることといっても過言ではない・・・」と書きましたが、この図を見てあらためて強く感じます。
LEXUSの主戦場は北米市場で、生産は日本の工場のみです。 生産の大半は日本の国内工場です(海外生産はカナダ工場と米ケンタッキー工場でありますが、ごく一部にすぎません)。実現の可能性は未知数ですが、日本グッドイヤーのプレミアム銘柄が LEXUS に採用され、OE市場での実績が上がれば、ブランド価値の向上やRE市場での販売網の拡大も、シナジー効果が期待できるのではないでしょうか。
ちなみに、LEXUS の国内向け車両の一部では “DUNLOP SP SPORT MAXX シリーズ” の採用がみられます。これは住友ゴム工業の営業力の賜物だと思います。果たして、100%外資となった日本グッドイヤーが同じ土俵に立てるでしょうか・・・。《追記及び訂正ここまで》
尚、関連情報URLは「日本のタイヤ産業 2015(pdfファイル)」のリンク先です。
※ 【タイヤの流通経路】を追加しました。(2015/12/09 5:50)
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Posted at
2015/12/08 08:55:52