
“オートカラーアウォード2016” についての3本めの記事です。
2016グランプリ及び2016特別賞は2本めの記事で取り上げました。「これ以上何を書くの?」と訝かる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに授賞されなかった車両については、自動車メディアが取り上げることはないですよネ。しかし、これは個人ブログですから、メディアが取り上げない情報に踏み込んでこそ価値があるはずです。
ちょっと大上段に構えたお話をしてしまいましたが、記事の内容は大したことはありません。お時間の許す方はお付き合いください。
【 私がこのアウォードに注目している訳 】
購入対象とするしないに関わらず、クルマに対してまず目を向けるのはデザインが魅力的かどうかです。そんな私がこのアウォードに注目しているのは次の理由からです。
■ クルマ(自動二輪含む)のCMFGデザイン(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィック)に特化したコンテストであること
■ エクステリアのみならずインテリアにも同じウエイトが置かれていること
■ 開発を担当したデザイナーのプレゼンテーションを聴講する機会があること(あるいはプレゼンテーションを聴講できなくとも、
デザイナーが発信した文字情報をwebで閲覧できること)
■ 日系ブランドのクルマに注目するきっかけを与えてくれること(フランス車乗りの私だけかもしれませんが、最新の日系ブランドのクルマについては知らないことが多い)
一方で、知名度が低くマイナーなコンテストの地位から抜けられないのは次の理由が考えられます。
■ 社団法人内に組織された『自動車色彩分科会(会員企業で構成)』の内輪のお祭りという側面が強い
■ プレゼンテーションが事前申し込みにより公開される(聴講者には一般審査委員の資格が与えられる)のはデザイン系教育機関に通う学生のための講習会的位置づけと思われる
さて、前置きが長くなってしまいました。今回は授賞とならなかった車両のうち私の印象に残った車両のエクステリアについて取り上げます。
【 インパクト大のボディカラー2台 】
▼ プリウス “サーモテクトライムグリーン”。画像ではシエンタの “エアーイエロー” に似ているように見えますが全くの別物です。色名の頭に付く “サーモテクト” とは “遮熱” を意味します。なんと “遮熱” 機能を持った塗料を採用しているということです。温度上昇を約5℃抑制する機能(他の塗色との比較)を約4万円の追加投資で手にすることができます。そんな話を聞いてしまうとこの色もありだなと思えてしまいます。先進的なクルマがお好みの方にこそ選んでほしいボディカラーです。今ならアーリーアダプターの仲間入りができそうです。
車両価格2,628,327円(S ツーリングセレクション)車両価格2,926,800円(A ツーリングセレクション)。サーモテクトライムグリーン価格43,200円(メーカーオプションの塗色)。
▼ BRZ GT Yellow Edition(限定100台)“チャールサイトイエロー”。限定100台は5日間で完売。スポーツカーにはエクスクルーシブな色が絶対に欠かせないと思う私にはこれまでの BRZ の中で最も魅力的な色に映りました。デザイナーさん自身「これまでのラインアップに欠けていたスポーツカーらしい色」と語ってくれました。富士重工の工場は他社に比較して小さいため、塗料タンクの確保をはじめとした製造設備や製造プロセス上の理由でカタログモデルにはできない色のようです。車両価格は3,369,600円。
【 SUV 2台。最大限の加飾と最小限の加飾 】
▼ XV HYBRID tS “クリスタルホワイトパール”。
▼ コスメを盛れるだけ盛った感がありますネ(笑)。しかし決して悪趣味ではなくセンスはよいと思います。車両価格は3,326,400円。“クリスタルホワイトパール” は車両価格に32,400円を加算。
▼ イグニス HYBRID MZ “ピュアホワイトパール × ブラックルーフ”。ルーフ、ドアミラー、アルミホイール、リアバンパーにブラックを配し、控えめながらも目標コストの範囲内で精一杯バイカラーを主張しています。この画像もそうですが、目の高さによってはルーフが塗り分けられている(ブラック)ことに気づきにくいのは残念です。この点ではダイハツのムーヴキャンバス(後述)に負けています。車両価格1,641,600円(2WD・CVT)。
“ピュアホワイトパール × ブラックルーフ” は車両価格に64,800円を加算。
【 3社のトールワゴン及びミニバン(スライドドア車)7台(ノミネートの上では3件) 】
最初にお断りしておきます。ホンダの FREED (“ブルーホライゾンメタリック”)はお見せできる写真を撮れなかったため省略します(インテリア編で登場します)。
▼ ムーヴキャンバス “パールホワイトIII × ファインミントメタリック”(左)と “スムースグレーマイカメタリック × ブラックマイカメタリック”。このバイカラーは「マスキングをはじめとするたくさんの製造技術上のハードルを乗り越えた末に実現した」というお話を聞けました。車両価格は1,544,400円(G “メイクアップSA II” 2WD CVT)。実を言うと一般審査委員としての1票はこのクルマ(2台でのノミネート)に投じました。
▼ ポルテ特別仕様車 F"a la mode Trois"(⬅︎読み方はエフアラモードトロワでしょうか?? このネーミングセンスにはついていけません)。“シトラスオレンジマイカメタリック”(⬅︎品のいい優しいオレンジカラーです)。車両価格は1,949,400円(2WD)。
▼ スペイド特別仕様車 F"Queen II"(⬅︎読み方はエフクイーンツーでしょうか?? このネーミングセンスにはついていけません)。“ブラッキッシュアゲハガラスフレーク”(⬅︎色の名前は分かりやすいので許容範囲です。アゲハ蝶のように煌めく黒っぽい色という意味でしょう。ブラックというよりはミッドナイトブルーといった方がニュアンスが近い色です)。車両価格は1,949,400円(2WD)。
▼ SERENA “カシミアグレージュ × インペリアルアンバー”(左)と “アズライトブルー”(右)。“カシミアグレージュ” はルノー車にある “イヴォワール” にニュアンスの近い色ですネ。写真は色再現がよくないですが、実車はもっと温かみのある色で、私好みです。車両価格は2,847,960円(G グレード)。
▼ 右は SERENA Highway STAR “マルーンレッド × ダイヤモンドブラック”。車両価格は3,011,040円(ハイウェイスターG グレード)。
【 最後にちょっと 】
ホンダの FREED については取り上げない旨を理由とともに触れました。実は本記事で取り上げなかった車両はこのほかにもあります。富士重工の LEVORG STI Sports(“ダークグレーメタリック”)、三菱のミラージュ(“ワインレッドパール”、“サンライズオレンジメタリック” の2台)、イグニス(“フレイムオレンジパールメタリック × ブラック”)です。
強いて理由をあげると、私が好むCMFGデザインではなかったということでしかありません。言い換えれば違うボディカラーでのノミネートであれば取り上げていたかもしれないということです。同モデルのオーナーさんが読まれましたら、他意はない(嫌っているわけではない)ことをご理解ください。
奇しくもオレンジ色の出展が3台重なりました。一口にオレンジとくくれない違いがあり、ポルテの “シトラスオレンジマイカメタリック” は私の感性を刺激しましたが、他の2台はそうではなかったということです。
※ XV 及び イグニスのキャプションに価格の追記をしました(2016/12/13 7:00)。
※ プリウスのグレードと価格を訂正しました(2016/12/13 9:40)。