2017年01月13日の記事では、大阪・梅田の事故で亡くなった会社経営者に対して『社会的にも責任の重い立場でありながら、自己の健康についてリスク管理ができていない・・・』という批判的な見解を述べました。
「そういうお前はリスク管理ができているんだろうな!?」と詰め寄られたら、恥ずかしながら今の私には返す言葉がありません。
あの記事を書いたのは
『運転中の脳・心血管疾患の発症による事故』は自分自身にも起こりうることという危機意識をもつこと、そしてその予防について考える契機にしたいからに他なりません。
健康かどうかを計るヘルス・レコードには様々なものがあります。
最も基礎となるデータは年齢、性別、身長、体重であることは言うまでもありませんネ。
今回は例として私のパーソナル・データの一部を使います。リスク(危険因子)があるのかないのか? どこかに隠されたリスク(危険因子)はないのか? みていくことにします。
【 パーソナル・データ その1:年齢、性別、身長、体重 】
2017年1月15日現在の私のデータです(身長は過去に計測したもの)。
年齢:59歳
性別:男
身長:164 cm
体重:53.5 kg
多くの方が「標準より少し痩せ気味だが、肥満よりはずっといい」と思われるのではないでしょうか。
▼ <参考> Body Fat Percentage Pictures of Men #1
Source:
http://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/
【 パーソナル・データ その2:BMI、体脂肪率 】
2010年9月24日の測定値(於:横浜市スポーツ医学センター)ですが、当時(53歳)と体重が変わらないので今も同じ値だと推定しています。
BMI:19.92 kg/㎡
体脂肪率:8.8%
一部の方は「体脂肪率が8.8%!! 羨ましい」と思われるかもしれません。
▼ <参考> Body Fat Percentage Pictures of Men #2
Source:
http://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/
上の写真の数字に当てはめれば2枚めと3枚めの中間です。(これは米国人の基準です。インパクトが強いのであえて引き合いにしていますが、日本人に当てはめるのは無理があるかもしれません。)
▼ <参考> Body Fat Percentage Chart
Source:
http://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/
上の表に当てはめると Athletes の体脂肪率です。(これは米国人の基準です。インパクトが強いのであえて引き合いにしていますが、日本人に当てはめるのは無理があるかもしれません。)
ところが、私のボディはというと・・・
▼ 2017年1月15日撮影
先の写真とは似ても似つかない、恥ずかしいくらい貧弱な筋肉のカラダつきです(汗)。ウエスト周りに贅肉がないことぐらいしか取り柄がありません(苦笑)。
次にもっとカラダ内部の測定値(血圧等)をみていきます。
【 パーソナル・データ その3:血圧、脈拍数 】
家庭用血圧計を購入すべく比較検討中ですが、購入はこれからです。そこで2010年9月24日の測定値(於:横浜市スポーツ医学センター)を引き合いにします。
最高血圧(収縮期血圧):104 mmHg
最低血圧(拡張期血圧): 68 mmHg
脈拍数:79拍/分
心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返します。心臓が収縮すると大量の血液が送り出され、血管に大きな圧力がかかります。反対に心臓が拡張すると、血液の流れはゆるやかになり、血管にかかる圧力も低下します。
日本においても世界においても高血圧とする診断数値は共通で 140/90 mm/Hg 以上とされています。日本の “
高血圧治療ガイドライン2014” の分類に当てはめると私の数値は “至適血圧” という分類に当てはまります。
出典:高血圧治療ガイドライン2014
“高血圧治療ガイドライン” は医家向けに作られているものなので、専門用語が多く難しい内容です。そこで一般向けの解説を引用します。引用文中の『
(2009よりも古いガイドライン)』という記述は私が追記したものです。
高血圧にも段階がある
新しいガイドラインでは、高血圧をⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3段階に分けています。従来(2009よりも古いガイドライン)は、軽症・中等症・重症としていましたが、軽症というと誤解を与えやすいので、治療を必要とするレベルであることを明確にしたものです。
正常高値というのは、「高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベル」という意味で、高血圧予備軍の段階です。また、(孤立性)収縮期高血圧とは、収縮期血圧だけが特に高いもので、動脈硬化の進んだ高齢者に多くみられます。
血圧は低めがいい
自分の血圧が正常値の範囲だと、つい安心しがちです。しかし、実際には、正常高値や正常値のレベルでも、脳卒中や心筋梗塞などを起こす例は少なくありません。
病気の発症率との関係をみても、例えば脳卒中の発症率がもっとも低いのは、ガイドラインでいうと至適血圧(収縮期血圧<120かつ拡張期血圧<80)のレベルです。
そのため最近は、「血圧はできるだけ低めにコントロールするほうがいい」とされています。
出典:オムロンヘルスケア 高血圧の新基準とは
ここまでのところは、理想的とは言えなくとも“脳・心血管疾患” の危険因子はみつかりません。これで安心して良いのでしょうか? 落とし穴がありました。それは・・・
【 パーソナル・データ その4:血管年齢 】
2016年6月、運動不足の解消にジョギングを始めました。距離は長くはありませんが選んだコースはアップダウンがあるコースです(標高差100 m)。無理な設定をしたつもりはなかったものの、左膝に軽度の故障が生じました。
2016年7月29日整形外科医を受診しました。診断によれば、「左膝に水が溜まっている」というものでした。この時併せて以前から受けたかった検査を受けました。血管年齢を調べる “
CAVI検査”(身長、体重等も併せて測定)です。
身長:164 cm
体重:57.0 kg
BMI:21.2 kg/㎡
HR:74 拍/分
CAVI検査 右:9.3(血管の硬さは60代前半に相当します)
CAVI検査 左:8.7(血管の硬さは60代前半に相当します)
右上腕血圧:121/86 mm/Hg
左上腕血圧:124/85 mm/Hg
右足首血圧:152/80 mm/Hg
左足首血圧:152/80 mm/Hg
医師の所見を読むと、
「右足と大動脈に動脈硬化の疑い」とあるではありませんか!! これには少なからずショックを受けました。実は併せて骨密度検査も受けており、こちらも「同年齢の平均値の76%に相当します」という悪い結果であったため二重のショックを受けました。
この「大動脈に動脈硬化の疑い」は私に「このままではマズイぞ! 何らかの予防策を打たねば!」という気にさせるに十分すぎる診断結果でした。
【 最もお手軽な予防対策 -- 60分ていどのウォーキング 】
この時以来1日 5 km 〜 7 kmていどのウォーキングをほぼ毎日続けています。ランニングではないので雨の日は傘をさして行います。標高差
100 m 50〜60 m のアップダウンのあるコースで、所要時間にすると50分〜70分くらいです。
▼ ランニング用に導入したアプリ “
Runtastic Pro”ですが、ウォーキングに使って悪いわけではありません。ログ収集用にしか使っていませんが、モチベーションを維持するのに役立っています。
5か月前と比べて体重は3.5 kg減少し、ウエスト周りの贅肉は見た目でもわかるくらい落ちました。血流も良くなったような気がしており、少しは血管が柔らかくなったのではと期待をしています。
さて、もう少し踏み込んだお話に移ります。日本では女性の美容分野で語られることの多い “
アンチエイジング” ですが、実際にはもっと幅の広い概念です。
【 アンチエイジングとは 】
アンチエイジングとは、加齢による身体の機能的な衰え(老化)を可能な限り小さくすること、言い換えると、「いつまでも若々しく」ありたいとの願いを叶えることです。特に中年期以降に認知症、骨粗鬆症、皮膚老化、更年期障害、老眼、難聴、歯消失などの老年病のリスクが高まります。詳しい老化メカニズムは未解明ですが、遺伝子の変異、細胞機能の低下、酸化ストレスの増加、免疫力の低下、ホルモンレベルの低下、炎症の慢性化などが共通要因として考えられています。ホルモン作用・抗酸化作用・免疫調節作用を持つ機能性食品を用いた栄養指導や、筋力・有酸素トレーニングなどの運動指導、意欲向上や心身ストレスからの解放を目指した精神療法、ホルモン補充といった薬物療法がアンチエイジングには有効といわれていますが、その実証は今後の課題です。
出典:ヤクルト中央研究所 健康用語の基礎知識
近いうちに “
アンチエイジング・ドック” を受診し、“
筋肉年齢”、“
血管年齢”、“
神経年齢”、“
ホルモン年齢”、“
骨年齢” を把握したいと考えています。
▼ 神奈川県内にある日本抗加齢医学会 認定医療施設
出典:
日本抗加齢医学会 認定医療施設
【 最後にちょっと 】
米国人の基準による女性のビジュアルデータも添えて記事を〆ることにします。
▼ <参考> Body Fat Percentage Pictures of Women #1
Source:
http://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/
▼ <参考> Body Fat Percentage Pictures of Women #2
Source:
http://www.builtlean.com/2012/09/24/body-fat-percentage-men-women/