若翁のブログ一覧

『欧州主要国の乗用車販売、ブランド別シェアを月次で知りたい・・・しかし、日本語で最新の情報を得るのは難しい』。私はこのように考えてきたヒトですが、今は労せずとも毎月、日本語で、最新の情報を入手することができます。

自動車業界（主にメーカー）向けに情報サービス、コンサルティング等を行っている、マークラインズ株式会社（MarkLines Co., Ltd.）がサービスの一部を無料で公開しているwebページがあります。速報情報だけなら、わずらわしい会員登録も不要です。詳細情報まで見たい場合は会員登録が必要です。

そのwebページ［販売実績（国別）］から英・独・仏（おまけで日本）のブランド別新車登録台数の月次表を参照します。私が関心のあるデータ部分を抽出し、フォーマットに手を加え、４つの表を作成することにします。おまけ扱いの日本は輸入車（日系を除く）の登録台数のみです。

また、ある目的のために、表中の Ford (EU)、NISSAN (EU)、RENAULT の3ブランドのデータには色をつけていることをお断りしておきます。

尚、全部のデータをご覧になりたい方は、自動車情報プラットフォームマークラインズ > 販売実績（国別）にアクセスしてください。




上位5社の順位が入れ替わりました。

　VW は先月の3位から4位へとワンランクダウン。替わりに BMW が3位に浮上。
　Audi は先月の5位から6位へとワンランクダウン。替わりに Nissan が5位に浮上。

先月の台数数字との比較では VW 及び Audi、さらには Mercedes-Benz の失ったシェアを BMW に持って行かれたようにみえますが、季節要因を重視するなら見方は違ってきます。しかし、BMW は前年同月比で見ても38.1%と大躍進です。

このほかに躍進したブランドをピックアップしてみると・・・

　Nissan は先月の7位から5位へ浮上。前年同月比では11.6%。
　Mini は先月の14位から8位へ浮上。前年同月比では2.8%。
　Renault は先月の12位から10位へ浮上。前年同月比では16.3%。




上位10社の順位が入れ替わりました。

BMW は英国と同様に本国ドイツでも躍進が見られます。先月の4位からAudi および Mercedes を抜いて2位に浮上です。

Audi は先月の3位から6位へと大幅にランクダウンです。前年同月比で見ても-5.9%です。

一方、Renault は順位こそ先月と変わらずの8位ですが、前年同月比では36.1%です。

また、先月、Toyota に抜かれた Nissan は、今月は抜き返した格好です（先月の12位から11位）。前年同月比では9.6%です。




上位4社の順位には変動はありませんが、5位以下では大きな変動があります。

最も注目したいのは MERCEDES です。先月の13位からなんと7ランクアップの6位です。前年同月比でも33.1%と大躍進です。

フランスは高級車が良く売れる市場ではないので、何が売れてシェアアップに繋がったのか？　私にはAクラスくらいしか思い当たりません。

次に注目したいのは DACIA です。先月の9位から今月は5位です。前年同月比でも28.2%と大躍進です。

最後に注目したいのは TOYOTA です。順位こそ先月の7位から変わりませんが1,677台増。前年同月比でも17.2%と躍進です。




VW は先月2位のポジションを回復しましたが、今月は再度3位にランクダウンです。前年同月比でも-39.2%という下げ幅です。

Volvo と Fiat は順位がほとんど動かないためジワリジワリのようにみえますが、前年同月比でみるとそれぞれ31.4%、33.6%と大躍進です。

smart はコアなファンを抱えているのでしょう。New モデルへの買い替え需要が中心と思われますが、前年同月比では・・・・ナ、ナ、ナント・・・792.2%です。

気になる Renault は順位こそ先月と同じ13位ですが、前年同月比では-11.9%という下げ幅です。



【 最後にひとこと 】
表のタイトル（新車という語があるかないか）、表中のブランド名の表記法（オールキャップスであるかないか）は不統一ですが、オリジナルのデータを尊重した結果です。

2015年11月編（2015年12月10日の記事参照）に続くシリーズの第3弾です。

横浜港の汽笛が聞こえてきました。
新しい年のはじまりです。

2016年が皆様にとって良い年となりますように