今日は、レヴォ2.0Lの加速特性から見えてきた事をまたまた整理しました。
まず、これまでの特性関係の分析の履歴です。
08/27
レヴォーグ特性のポジション見える化
⇒ パワーウエイトレシオとトルクウエイトレシオグラフでのポジションを確認。
アクセル開度xスロットル開度の非線形性を確認。アクセル30%ではスロットル全開の線図。
09/24
レヴォーグ2.0リプロ前後の走行データ分析
⇒ 出だしのわるさ発症後、リプロで激改善を確認。
09/25
レヴォーグ2.0リプロ前後の走行データ分析~その後のフィーリング確認~
⇒ 出だし良好維持中。
10/04
レヴォーグ走行データ分析-途中編-
⇒ ショックを感じた以降出だし良好な感触が消失。
11/06
レヴォーグ2.0エンジン特性分析-その後-やはりおかしい -161107update-
⇒ 計測データから、カタログ特性には遠く及ばないトルク立ち上がり特性であることが判明。
11/10
レヴォ2.0Lの0-100km/h加速ラフ検証
⇒ カタログ特性を使い0-100km/hをラフ算出。
その後よく見たら表の計算間違いが発覚。未修正。
11/12
愛機の紹介
⇒ 0-100km/hのラフ算出の入力条件間違いを修正したが表の計算間違いは放置。
その後よく見たら表の計算間違いが再発覚。未修正。
と、ここまで見てきて判ったことは大きく3つ、
①リプロで出だしが激変向上した事実。
と、しばらくしたら軽いショックと共に元に戻った事実。
②アクセル開度とスロットル開度は極端な非線形な事実。
③ロギングデータから低回転トルクはカタログに遠く及ばない事実。
①はまだ分析が必要です。
②もCVTの変速比でオーバーランを制御しているのか確認要。
③については、これまでは走行データの積み上げ特性では見れなかった、加速時の時間特性を見ました以下に示します↓。
0発進ではありませんが、高速合流時のフル加速をサンプリング。
↓アクセル開度%
40-50%で状況に合わせ踏み込めていないことが判ります。
なぜか70%手前が信号出力のmaxの様。
今度パコパコしながら停車状態で調べられるかみてみます。
↓スロットル開度%
約80%がmaxの表示設定の様。サービスマニュアル確認済み。
途中の二つの凹みはアクセルが全開状態でも変速時にショックが小さくなるようにかCVTを労わるために絞っていることが判ります。
アクセルが全開でなくともスロットルは全開になっていることがわかります。
↓エンジン回転数rpm
まあこんな感じ。1速でガーと加速し2速に変速する様子が判ります。
変速時間は、(417883-416960)/1000=0.923s以下で変速。
サンプリングが荒いのでこんな値ですが実際はもっと早いはず。
↓過給圧kPa
スロットルが全開でも過給圧の立ち上がりは遅れていることが判ります。
この場合、(414197-412809)/1000=1.39sの遅れ。
過給圧がmaxになった瞬間の回転数は4265rpm。
車側の表示は150なのに150になっていないのも気になります。サンプリングの周期が長いので取りこぼしているだけなのかもしれません。
立ち上がった後ダレの様に見える傾向が見られます。
過給圧制御が正確にやられていない様。
↓トルクN・m
以前からコメントしている通り何故か1.5倍くらいの値に。
↓出力PS
トルク同様に1.5倍の値に。
↓MAF g/s
この空気流量に対し、↑のトルクの形が同じになると思われるのですが微妙に異なる点が気になります。発熱や、点火タイミング等でトルクの形が変わっている可能性あり。
↓INJ噴射流量L/h
吸入空気量に応じて狙いのA/Fになるように噴いているので空気流量とほぼ相似形になっているのを確認。
低圧の方の燃料ポンプはバラツキ等を見て180L/hくらいの物を入れているのかなとおもって調べたら150L/hなんですね。WRX STIが180L/hを入れている事からブーストUP等、余裕はなさそうで危険ですね。高圧ポンプがあるので即問題にはならないかもしれませんが・・・・。
1.6Lも同じポンプサイズを使用している様なので逆にこちらは余裕があり過ぎで別の問題が出ていそうです。燃費を取るためにコントローラで電圧を下げに行っているでしょうから・・・。
↓点火時期
点火時期は語るだけのスキルが無いです。
吸気温度やMAF、A/F、排気温等からノックが出ないよう基本のマップにしたがって危ないところは遅角制御しているのでしょう。きっと。(/ω\)
個々にコメントを入れておりますが、
不明なのがEGRがどういう領域でどういうマップで入れられているのかということですね。特性になんらか影響している可能性はあります。
レヴォの場合はこの信号が出ていませんので判りませんでした。
ECUからのステッパモータの信号を読み解けば判らないことも無いのでしょうけれどめんどいです。
過給圧に関しては、後述のエアバイパスバルブの影響や、過給圧コントロールソレノイドの制御の影響が出ているのかもしれませんが現状判りません。
以前、10/04時点で、
Cyber Xさんからレヴォは低回転から最大トルクが出ているのかとのご質問がありまして持っていたデータレベルの中途半端な回答しか出来ずでした。
これまでデータ取りをしたり色々考え分析した一つの結論なのですが、
タイトルにあるように実際に日常に使えるエンジン特性としては、
レヴォの場合、カタログ特性通りではないのであろう事が自分として理解出来ました。前述のデータの通りですね。
NAの様にターボラグのないエンジンであればほぼその通りの特性になると思うのです。カタログ特性は、動的な時間軸のある特性を示しているわけではなく、ある回転数時に発生可能な静的?な最大トルクを示しております。
言い換えると、低回転時に最大過給となる定常状態を作り測定した値がカタログの値であることを今更ながら認識しました。
レヴォの場合はターボ付きということで実際の使い方からの使える特性としてどういうことになっているのかを整理をすると、
ローンチモードの様に2500rpmを維持して0スタートをする場合、
過給圧は幾つまで上がるのかは判りませんがそれなりにかかっており、エンジン特性に近い発進トルクを得る事ができるのではないでしょうか。
逆に、普通に信号発進をする場合などは過給圧maxスタートなどするわけもなく過給圧が上がるまではトルクは最大値には至らないと考えます。
要は、発進からの全開ではターボラグの分過給圧の立ち上がりは遅く、それに伴いトルクも遅れカタログにあるような2000rpmでmaxトルクの状態は普通の使用では使えないということです。
因みに、ボクが語っているのは発進時の話だけですのでお間違いのなきよう(^^)
発進時以外では走り方によっては低い回転でカタログ通りのトルクが使えるのかもしれませんし、昔流行ったミスファイヤリングシステムでターボの過給圧を維持するようなシステムや、可変動弁などでターボが効きっぱなしに近い状態を作ることが出来るのならばカタログ通りのトルクを得ることが出来るのかもしれませんね(^^)。
ということでレヴォーグの場合は
勘違いしないようなエンジン特性線の示し方をしてほしいですね。
例えば以前お見せした↓グラフの様に従来表現に、0-40km/hで発進の瞬間から全開加速した時の回転数とトルクの線を加えるとか(=゚ω゚)ノ
他社はどうなっているのかわかりませんが、
同じくらいのトルク同士でNAのディーゼル車と低速での使いやすさをカタログトルク線で比較判断しようとしている人にとっては見間違う可能性がありますね。
レヴォの方がいいじゃんなんて事があるのかも。
開発側はわかってやっているんだろうなあ。
広報側は理解できていない可能性はありそう。
もし、こういうデータを取りたいという方がおりましたら
今どきの車であればOBD2のコネクタに信頼性のあるアダプタを取り付ければ
スマホやタブレットでデータをサンプリングすることが簡単に出来ます。
一度勉強するのも面白いと思います。
パーツを導入するたびに変わってゆく事をデータで見ることが出来るかもしれません。
ボクの場合は、今度足の裏の剛性をあげるパーツを入れるのでこれまで蓄積した縦Gや横Gのデータに対し何らかの変化が見れるといいなあと思っております。
さてうまくでるかな(=゚ω゚)ノ
エアバイパスバルブも安い方の強化タイプは入手しておりますので過給の立ち上がりが良くなるのかそのうち見てゆきたく。(^^)
最後に、
あくまでボクが個人的にデータを取り、中途半端にかじった知識で一般に公開されている情報内で表現出来る範囲で勝手に考察しておりますので事実とかけ離れている可能性があることはご理解ください。
又、ここおかしいよとか言ってもらえると勉強できますので判る方に期待したいのですが(^^)
今日の(∋^・^∈)です。
寒くなってきたのにまだだりーんを見せてくれます
あし短いなあ(*´▽`*)
今日はすこしガニまただし・・・
