美術館には飾られることはないが、家庭の部屋に飾りやすい「ヒロ・ヤマガタ」のシルクスクリーンを購入した。
「ヒロ・ヤマガタ」と言えば、「
クリスチャン・リース・ラッセン」と共にバブル期の1980~90年代、
エウリアンと言われたミニスカートのお姉さんに街角の即席ギャラリーで、あるいは地方のスーパー催事場で「資産価値のあるアートを購入しませんか?」と勧誘され多額(最大300万位?)のローンを組んだ被害者の方々が購入した「絵(?)」の作者である。
法外な値段の絵画を売りつける悪質なキャッチセールスで、絵画商法(かいがしょうほう)と呼ばれた悪徳商法の一種ですね。
売られていたのは原画ではなく、原画を元に複数枚製作された版画というもので一般的には「リトグラフ」や「シルクスクリーン」などと呼ばれています。
作者の直筆サインとエディションナンバーと呼ばれるモノが通常鉛筆で記載されています
。
(鉛筆の成分(炭素)がもっとも光に対して強く、色褪せしにくいためのようです。)
中には「シルクスクリーン」をオフセット印刷しただけのモノやただのポスターを売っていた場合もあったようです。最悪ですね!
ローンを組んで支払い続けても価値は良くて1/10、悪ければ1/100、いや1/1000なんてことも・・・・
一方、作者の方も商業ルートに乗りすぎて、いわゆる芸術関係者からはあまり真剣に相手にされない「芸術品」の作者になってしまいました。
後にヒロ・ヤマガタがどこかで「日本で紹介されている作品の多くは、米国の悪徳画商にだまされ、押しつけられてかいた絵だ」と語っていたようですが、
加害者か被害者か実態はどうだったんでしょうかね?
また、街並や代表的な風景・建築物をバックにたくさんの人々が繰り出して盛り上がっているのが特徴的でカラフルな作風も日本の業者が強引に売った「
漫画の絵」と本人は言いきっているようですが、芸術的センスも無く、変わったモノが好きな自分は好きでしたね!
リアルタイムに憧れたのはこちらの『
フォーシティ/ニューヨーク』でした。
そして、代表作と言われているこちらの『レイニィ・ディ』や『ペリエ』は現在も百万単位に取引がされているようです。カラフルだけで無いモノトーンの作風時代もあるのです。
でもこんな高額なモノは貴重価値が高いので高価格を維持しているのであって、通常の「シルクスクリーン」は10万円位まででほぼ買えるようです。
いわゆる限定数を表すエディションが300だとすると他に作者保管用・店舗保管用など別バージョンのエディションが存在し実際は倍の600枚位が存在するらしいです。中には通常エディションが1000枚だったりするモノも・・・・・
これではなかなか貴重価値と言うことは難しいでしょうね! 結果資産価値としても・・・・
ちなみに、「特別有名な作者で無い限り原画でも100万円を超えることは殆んど無い。自分のセンスを信じて気にいった原画を購入し作者の成長を期待した方がよっぽどまし!」との某絵画店店主のコメントもあります。
資産の構築を目指すなら原画に投資しましょう!
しかし、ヒロ・ヤマガタの作風が気にいりアクセサリーとして自宅に展示したい場合は自分の許せる範囲で購入も良いのではないでしょうか。
一般作者のシルクスクリーンは使用される色数はせいぜい20色ほどらしいですが、ヒロ・ヤマガタのシルクスクリーンは100色を超えるものがほとんどらしいです。
その制作を支えるのが、プリンターと呼ばれるいわゆるシルクスクリーンを作成する版画師ですが、その色数の多さ、線の細かさ、シャープさなどから、ヒロヤマガタの作品をシルクスクリーンにできるプリンターは数えるほどしかいなかったようです。
色数が多くなればばるほど、印刷工程は難しくなり時間を食うからです。
現在、ヒロ・ヤマガタはシルクスクリーン作品の制作を止めています。上記の理由からと言われていますが、一説には、信頼できたプリンターが亡くなって創りたくても創れない無いためとも言われています。
さてさて、今回のきっかけは雲上の露天風呂を楽しんだ万座プリンスホテルのラウンジで開催されていた絵画のオークション形式販売を覗いたからでした。
妻が一枚の絵の前に立ち止り「この絵いいよね!」と言いだしました。
それがこちらの『ベリースペシャルアーツインニューヨーク』です。
ヒロ・ヤマガタは、エドワード・ケネディ議員の呼びかけでケネディ財団主催のアートを通じた障害者支援チャリティープロジェクト「ベリー・スペシャル・アーツ」に参加していますのでその関連作になるのでしょうか?
オークションの入札最低価格は10万円でした。
10万の数字を見て尻込みしたのか「入札したら!」と言っても「やっぱりいい。」と言って結局入札はしませんでした。
何の根拠もありませんでしたが、ネットならもう少し安く購入できるような気がしてその場はそのままにしました。調べてみると7万円で購入できる先が直ぐに見つかりました。しっかり探せばもっと安く購入できそうです。
「この前の絵、安く買えたら買う?」
と聞いてみると、
「どっちでもいい!」
との返事。
と、いうことは、
「買え!」ということです。
(駄目な時はハッキリ「要らない!」と言いますから・・・)
それからオークションまで範囲を広げて探しました。
なかなか出モノはありません。
上記タイトルに“虹”が付いたバージョンが出ましたが雰囲気が違うということで却下。
そして、やっと!
晴れ渡る空の下、鮮やかな色彩の気球や風船で彩られたニューヨーク摩天楼の光景がバランス良く描かれ、活気のあるニューヨークの街並みが、ヒロ・ヤマガタ独自のカラフルな色彩を用いた画風で巧みに表現されており、見る者の気持ちを明るし、心地の良いメロディーまで聞こえてきそうなポップな作品。大きさもあり飾り栄えもあります。
製作年 ;1991年
サイズ
作 品(約) 幅48.5cm X 高さ 72.5cm
額 縁(約) 幅73.5cm X 高さ100.5cm
こちらが、作者サインとエディション表示(ちょっとぼかしましたが)、額縁と裏面処理です。
エディション表示の横にちゃんとエンボス
(紙などに文字や絵柄などを浮き彫りにする加工)もありましたので本物ではあるようです。
カジュアル作品ですから重厚な額縁ではありませんが木製の縁幅が広いタイプの額縁で、個別に購入しようとすると高級フレームタイプとなり、かつB1サイズ(1030×728mm)の大型のため安売り店でも23,000円ほど・・・
額縁に入れる縁取りマットも数千円掛かるし、額縁の裏側もきれいに化粧張されている・・・
「シルクスクリーン」そのものはマイナス価格????
(「シルクスクリーン」はシートのみで販売されていることもあり、販売先に額装を依頼すると45,000円との回答が・・・・)
飾った状態ではどうしても表面が反射してしまって良い写真が・・・・
比較的反射の少ない事前写真で代用です。
しかし数値では理解していても現物のサイズは・・・・・
でかい!
※ ヒロ・ヤマガタの世界 実はあと2つほどあったりして・・・
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Posted at
2013/08/18 13:36:23