スピードマスター プロフェッショナル 3570.50
の日差を計測しだして、はや1ヶ月が経過しました。
2か月間(8週間)の計測入力フォームを準備しましたが、この辺で止めようかと思います。
購入初期としてオメガ基準は十分満たしている精度を持っていることが確認できましたし、ある程度の傾向も掴めましたのでもう十分かなと・・・・
(実際は面倒くさくなったからですが・・・)
1週目40秒あった差異は2週目には16秒となり、日差は2.28秒という数値になりました。
(2週間継続でも4.00秒)
十分過ぎる結果ということで、3週目からはただの計測ではなく“お遊び”をしながらの計測としましたので日差はそれなりの値になっています。
さて、日別日差を見てみると差異0秒という日が幾つかあります。
これは「使用せず、文字盤を上に向けて、平置きしていた日」になります。
数値を求めるだけならこの状態を保てばよいことになります。
使用することが目的ではなく、コレクションが目的で飾っておくだけならこれでよいのですが、スピマスプロは日常で使っていたい時計です。
(自分の様な貧乏性だと、華奢で高価すぎる時計は故障とか傷が心配で使用できません・・・)
使った状態での日差を把握したいと思っていました。
しかし、日差と簡単に言ってもその数値は使用状況で微妙に異なります。
自分の場合、
“大人しく”デスクワーク中心の日は2秒を中心に日差2~4秒になりました。
“活動的”な日は、4~6秒に増えます。
この“大人しく”と“活動的”の違いは一般的に考えられる外出や運動の有無などではなく、
腕の動かし具合や位置に連動した水平や垂直などの“時計の姿勢”によるようです。
(手巻き機能のみですから、自動巻きによるゼンマイの巻き具合による違いも出ないので・・・)
時計が受ける重力の影響を排除できるトゥールビヨンではない限りは仕方がないですね!
しかし、その影響を受けた上での日常使いで2~6秒の日差、機械式時計でこの精度であれば満足しなければいけないでしょうね!
なお、自分の日常使いの条件ですが、11時間ほど使用し、帰宅後の13時間は文字盤を上に向けた平置き(水平)の状況です。
また、日中はほぼ同じ使用状況でありながら8秒・9秒に増えた日がありました。
ちょっと気になりましたので、違いを探してみると見つかりました!
帰宅後の置き方(時計の姿勢)に違いが・・・・・・
たまにしか使わない時計はこのようにケースに入れて保管し、使う時に取り出しています。
頻繁に使う時計は出し入れが面倒なので、平置きしたり、この様な“止まり木(?)”に掛けています。
該当日はここに掛けていました。
いわゆる“垂直 6時位置下向き”の状態です。
この時点で“姿勢補正”という言葉を思い出しました。
自分は時計を取っ替え引っ替え使用していますので、一つの頻度は1~2週間に1回位です。
当然50時間程度のパワーリザーブでは次に使う場合は止まっていますので、ゼンマイの巻き上げと時間合わせをして使うことになります。
SEIKO時計はハック機能が付いているので時間合わせも問題ありません。
ハック機能の無いJUNGHANSですが、止まっている時計の巻き上げ6秒後に針が動き出すことがわかっていますので慣れれば問題ありません。
(スピマスプロ同様、分針調整を逆回転すると秒針が停止するので微調整も可です。)
同じようにハック機能の無いスピマスプロも癖さえつかめばたい問題がないと思っていました。
が、自分とは異なり毎日使い続ける場合は、ハック機能がないと不便に感じるかもしれません。
クオーツ並みにずれない時計を持つか、合計で60秒ずれるのを待って分針を調整するしか・・・・・
そこで、用いられるのが“姿勢補正”という方法(遊び)です。
先ほどもお話ししましたが一般的な機械式時計は重力の影響を避けられません。
姿勢による差が出ることも認識されています。
そのためクロノメーター検定にも下記の6パターンの試験が行われています。
垂直 3時位置下向き
垂直 6時位置下向き
垂直 9時位置下向き
垂直 12時位置下向き
水平 文字盤側上向き
水平 文字盤側下向き
“姿勢補正”は、その姿勢差を利用して日差を調整する技(遊び!)です。
こちらが“垂直 9時位置下向き”位置の参考写真です。
たとえば、(ネットで拾った実データですが)
文字盤下、文字盤上、3時下、9時下の4つの姿勢で、+3秒
6時下では、+10秒
12時下では、- 3秒
となる時計があったとすると、
一日目で+3秒となってしまった場合、その翌日は「12時下」で放置すれば-3秒、結果2日間では±0秒となり、時間合わせは不要となります。
自分の使用状況からみて“姿勢補正”を必要とする場面はそんなにないと思いますが、日差同様、時計の傾向を知っていても無駄にはならないだろうと細工して計測してみました。
自分の日差が大きくなった置き方は「6時下」位置ですから、上記の例と一致しています。
期待できると進めた計測ですが・・・・
以下が計測結果です。
残念ながら、どの姿勢でもマイナス側に振れた数値は出ませんでした。
ということで自分の時計は、姿勢差は発生するものの、姿勢補正はできないという結果となりました。
まぁ、残念といえば残念なのですが、逆に何も考えなくて良いということですっきりしました。
通常に使用して、使わない時は一番ノーマルな「水平 文字盤側上向き」で良いのですから・・・・・
さすがに3週目は意図的な検証の為日差も大きくなりましたがそれでも十分な範囲に留まっています。
4週目は検証結果を基に一週間連続連続使用で実使用調査です。
条件は「通常使用、後は『水平 文字盤側上向き』」を徹底した結果です。
週間差異では第2週におよびませんが、第2週は日差の出ない未使用日を3日含んでいますので実質的にはこちらの方が良い結果と思われます。
ちなみに4週目の日差1秒の2日は土・日で平日より使用時間が少ない日となっています。
曜日の使用差も含んでいるので日常の使用状況としても良い検証ではなかったでしょうか!
実際は、この姿勢差以外に、温度やら季節の違いが加わってきますのでそう簡単にはいかないと思いますし、使用による経年劣化も加わりますのでこのまま維持できるとは考えていませんが、当面日差などの細かいことは気にしないで使う時だけゼンマイを巻きたいと思います。
上記で現在のレギュラー&ベンチ入りをご紹介しましたが、折角なので二軍&引退選手もご紹介したいと思います。
最後は、計測好きの本領を発揮して・・・・・
雨で溶ける前の昨晩はもう少し高かったのですが、29.5cmありました。
明日朝の通勤時が心配です。